クリーンな大人の定番スニーカーとしてファンの多いニューバランス。その愛好家たちを数珠つなぎしていく連載の第15回は、90年代にはヒップホップ・ユニットのDJとして活動した経歴を持ち、現在はUI/UXデザイナーとしてさまざまな企業のアプリデザインで活躍するスズキスムースさん。
大人のニューバランス ファンクラブ 会員番号15|スズキスムースさん(スピードグラフィックス 代表 UI/UXデザイナー)
・はじめて買ったNB 1990年頃 576 ・所有数 30足 ・一番好きなモデル 1300 1400 996
高校生まではテクノ・ニューウェーブ少年だったので、正直スニーカーはスポーツシューズでしかなく、ファッションアイテムとしてはあまり興味がありませんでした。専門学校に通うために上京して出会ったのがヒップホップ。特に1989年くらいからNYで台頭したニュースクールのすべてに衝撃を受けました。それまでのヒップホップはアディダスのバッシュのシューレースをはずして履く、みたいなイメージでしたが(いわゆるオールドスクール)、ニュースクールのラッパーたちはヒップホップなのに頭がよさそうで都会的。音楽的にもサンプラーやドラムマシンを使いこなすカッコよさで、すべてが違っていました。そんな彼らの足もとにあるニューバランスも、さりげなく違いを主張していてカッコよかった!
当時、同級生や音楽仲間の信頼できるおしゃれな友達の間で流行っていたと言うのもきっかけでした。僕はア・トライブ・コールド・クエストのジャケットや雑誌を見て、とりあえず576を買いに走った記憶があります。ブラウンの革製が欲しかったんですが、2万円オーバーで。学生の自分には手が出しにくいスニーカーでした。
今履いているのは3年ほど前に買ったニューバランス MLNB。GORE-TEX仕様で内側にはファスナーがついたトレッキングシューズです。最近は行けていませんが、南国への海外出張や暑い国に旅行するときはこんなスタイル。ポロシャツはゴールドウインのMXP、パンツはシアトルのアウトドアブランド、マナスタッシュのキャンパーパンツIIです。履き心地がよくて、急な天候変化にも対応してくれるGORE-TEX搭載のMLNBに、アウトドアブランドや機能を備えた、シンプルな洋服を組み合わせるのが気に入っています。
1300や1400など気に入ったものは、2足ずつ買って1足はストックしておきます。ソックタイプのMRL247KXやナイロン×スエードのCT300は、これからのシーズン、海などに行くとき用。濡れて着気にならないし、247はコンパクトに折り畳んで持ち運べるので旅に重宝なんです。ちなみに普段履きのスニーカーには、オーダーメイドの中敷きを入れて履いています。
▼スズキさんが次にバトンを渡したのは、桑沢デザイン研究所の同級生でヒップホップアーティストのかせきさいだぁさん。脱力系4コマ漫画『ハグトン』の連載も20年と、ライフラークの域に突入している。「かせきさいだぁこと加藤君は、学生時代、音楽活動時代を経てなお、僕のスニーカー先生です」(スズキさん)
第16回、かせきさいだぁさん編もお楽しみに!
大人こそニューバランスを履くべき理由とは?