2020.04.26
最終更新日:2024.03.07

スポーツしなくても大人がはくべき「文化系スニーカー」の正解4選

運動するために履くのではないスニーカー=文化系スニーカー。この呼称は東京スニーカー氏ことエディター小澤匡行さんが本誌連載「教えて! 東京スニーカー氏」で命名したものだ。本人の私物とその着こなしから、文化系スポーツスタイルの足元の正解を考える。

スポーツしなくても大人がはくべき「文化系の画像_1

brandNIKEmodelAIR FORCE 1

スポーツしなくても大人がはくべき「文化系の画像_2
エアフォース1が汚れてないですね
毎年買い替えてきれいな状態を保つのが文化系ですプロフィール画像
毎年買い替えてきれいな状態を保つのが文化系です

プラダのブルゾンにマルニのパンツというクリーンなスタイルに、真っ白のエアフォース1が映える。「先日、老舗旅館にこれを履いて行きましたが玄関にあっても違和感がなく、すごく『社会性のある』一足なんだと実感しました。それはエアフォース1が誰にでも受け入れられる普遍的なデザインで清潔感があるからだと思います。若い頃は限定やコラボものを大事に履いていましたが、最近は何でもない定番の白がいちばん好きです。毎年、買い替えて美しい白をキープするようにしています」。


brandnew balancemodel608V4

スポーツしなくても大人がはくべき「文化系の画像_3
そのニューバランス、あまり見ませんね
ウォーキングモデルはどの場面でも馴染みますプロフィール画像
ウォーキングモデルはどの場面でも馴染みます

「ランニングモデルの“990”や最近だと“1300”が盛り上がっていますが、ボストンで見つけたウォーキングモデル“608V4”がとても落ち着いていて健康的に見えました。ボテッとした佇まいが大人っぽいし、トレンドに傾倒しすぎないモデルをあえて選ぶ試みもファッションとして面白い。今なら、シャープな名品よりこのくらいニュートラルな一足が周りに馴染むように感じます」。秋に購入して以来ユニフォーム化しているキャプテン サンシャインのオーバーオールとの柔和な着こなし。


brandCOMMON PROJECTSmodelFOUR HOLE IN LEATHER

スポーツしなくても大人がはくべき「文化系の画像_4
スケートシューズでもシックに履けますか?
内羽根デザインは革靴代わりになりますプロフィール画像
内羽根デザインは革靴代わりになります

大人っぽい黒のゴールドウインのセットアップに、コモン プロジェクツのスニーカーでモノトーンルックに。一見、ヴァンズのオーセンティックかと思いきやレザー素材で一段階落ち着いた印象にアップデートされている。「内羽根の革靴のカジュアル版みたいな感覚で履いています。これがキャンバス素材だと、たとえモノトーンだとしても抜けすぎてしまう気がするんです。ほかにはサンローランの上質な内羽根のデッキシューズもすごく好きでした。よく見ると大人なデザインがいいですね」。


brandNIKEmodelDUNK LUX / SACAI

スポーツしなくても大人がはくべき「文化系の画像_5
ナイキ×サカイ、うらやましいです!
デザイナーズブランドの一足だからこそさりげなく着こなしたいですプロフィール画像
デザイナーズブランドの一足だからこそさりげなく着こなしたいです

シャツとパンツはジル サンダー。モードな服に、変化球のダンクが無理なくはまる。「シューレースがなくてダンクができないダンク…まさに文化系ですね(笑)。これはナイキとサカイのコラボがまだ第二弾だった2015年の一足。デザイナーズブランドの話題のスニーカーは名前に惹かれたり、承認欲求のために買う場合もありそうですが、もっとフラットに『いつもの服装にどう合わせようか』と考えるのが楽しいです。こんな裏をかいたようなデザイン、まさに文化系の頭が試されます」。


「文化系スニーカー」って どんなスニーカーなんですか?

「運動ありきではなく、ファッションの頭を使って選んだスニーカーのことです。単純にクリーンで知的なデザインの一足を選ぶということではなく、スニーカー自体が悪目立ちしない“着こなし方”で文化系に見える場合もあります。もちろんスニーカーは本来、体育会系。ナイキにアディダスにヴァンズ…どのブランドからもスポーツありきで新モデルが生まれ、それがストリートで注目され、最後には誰もが知るマスなモデルになる。その経緯を踏まえ、ファッションとしては何を履くのがスタンダードで、どれくらいのハズし具合がちょうどいいのか? 長いスニーカーブームを知る僕ら世代だからできる履き方があると思うんです。さらに大人としては、仕事や交友関係の邪魔にならない“社会性ある一足”を選べたらベスト。子どもの学校行事で悪目立ちするスニーカーは適さないなとか、ブランドの最新モデルでマウントを取るのも違うなとか、考えたうえでスタイリングできるということ。スニーカー自体を競い合うのが“体育会系”だとしたら、コーディネートに頭を使うのが“文化系”だと思います」


Photos:Teppei Hoshida 
Text:Takako Nagai 
Special Thanks:GLITCH COFFEE&ROASTERS

RECOMMENDED