建築家・隈研吾とアシックスによるコラボレーションシューズ、METARIDE™ AMU by KENGO KUMAシリーズ第2弾として新色が誕生。氏の記憶とリンクした繊細なサンドベージュカラー。やわらかさとしなやかさが同居する。
風が通る、呼吸するようなデザイン。 今の時代を前へ前へと進みたくなる
INTERVIEW
――2019年の第1弾ローンチ時には大きな反響を集めましたが、手応えはどうでしたか?
隈研吾(以下K) 老若男女にフィットする靴だと実感できました。履き心地を褒めてくれる人が多かったのもうれしかった。僕が目指しているのは、表層と機能がインテグレートされたものを作ることですから。
――ご自身でもよく履いてますか?
K もちろん。すごくやわらかいアッパーに包まれているのにしっかりと支えられている感覚は、今までになかったもので本当に驚きました。
――「やたら編み」のデザインが、関係しているのでしょうか?
K そうですね。アシックスストライプを拡張すると「やたら編み」に似ていると思って生まれたデザインですが、アシックスの技術力で機能面でも先進的なものができました。
――今作はデザインを踏襲しつつも、印象がかなり変わりましたね。
K 僕の原体験の記憶とも言うべき色であるサンドベージュを使ったからかな? 大学院生の頃、調査のためにサハラ砂漠を2カ月かけて縦断したんですが、砂漠を抜け平地を走っていてもずっと車中に砂煙が舞っていて(笑)。あの経験は現在の僕にも影響を与えているし、それをデザインとして初めて表現したんです。
――この靴にはどんな思いを託されたのでしょうか?
K 靴という人工物が、自然に溶け込んで融合するイメージで作ったので、街だけでなく自然の中で履いてもらい、心と身体を健やかに保つためのツールにしてもらいたいです。
KENGO KUMA
1954年神奈川県生まれ。建築家。東京大学特別教授・名誉教授。東京大学大学院建築学科修了後、コロンビア大学客員研究員を経て、’90年に隈研吾建築都市設計事務所を設立。国立競技場や高輪ゲートウェイ駅など、日本を代表する建築物を手がける。
Interview:Misato Kikuchi