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あえて真冬に繰り出す“冬キャン”が密かなブームらしいが テントサウナはむしろ極寒のシーズンにこそ、その真髄を 十二分に味わえる! 世のキャンパーたちにも、ぜひとも この「汗かくテント」の魅力を知っていただきたい!
世は空前のサウナブーム、そしてアウトドアブームでもある。その二つを一度に味わえる夢のようなコラボレーションが大自然の中で楽しむテントサウナだ。
都心から車で2時間、相模原の山奥にあるオートキャンプ場が今回の舞台。テントサウナと聞いて「設置が難しそう」「危険じゃないの?」と言う人がいるが、実はまったくそんなことはない。テントの設営は通常とほぼ変わらないし、その中に煙突付きのストーブを設置して、あとは火をおこすだけ。サウナストーンが熱せられるのを待ちながら外でバーベキューの準備も始めちゃったりなんかする。
そして、待つこと1時間…いざ、テントに入室! 薪でたいたストーブの熱気はまろやかに肌を温め、テント内に響くロウリュの昇華音は耳に心地よい。川に飛び込めばそこは天然のシングル、マイナスイオンたっぷりの外気浴は、都会で味わう肌を刺すようなソレとは違い、優しくわが身を包んでくれるのだ。時折、周りのキャンパーたちから「え、水着!?」と好奇の目にさらされるのもご愛敬。むしろ、「え、流行りのテントサウナしてますが、なにか?」と、軽めにマウンティングし返してあげればいい。
問題があるとすれば、とにかくぬくぬくと居心地がよすぎて、テント内に長居する人続出…。ロウリュを控えれば、ずっと入っていられるような、まさに真冬のおこた状態。外気浴でチルしすぎると、いざというときに満席で入れないという事態になってしまう。まあそんなサバイバル感を味わえるのも、冬のアウトドアで行うテントサウナの醍醐味だろう…。
SHOWのひと言メモ
テントサウナの持ち主は、2019年の夏にUOMOのサウナ取材でフィンランドに同行した熱波好きカメラマンの田邊剛氏。現地で見つけたテントサウナのお手頃価格に惹かれ、即購入&そのまま飛行機で自ら持ち帰ってきたというツワモノだ。しかも、今ではテントサウナ人気に拍車がかかり、日本では入手困難な状態だという…。その先見の明はさすが。
今回のサウナ:サヴォッタのテントサウナ
サヴォッタは1955年設立のトレッキングアイテムやテントを扱うフィンランドのメーカー。薪で火をおこしたサウナストーブの上でサウナストーンを熱し、そこにアロマ水をかけてロウリュを楽しむのが基本スタイル。写真はテント内のSHOW(右)とおすし(左)。
※UOMO2020年4月号掲載。内容は本誌発売当時のものです。
室木おすしプロフィール
イラストレーター。マンガ家。1979年生まれの三児の父。ペンネームである「おすし」は、寿司屋でのアルバイト経験から。単行本『悲しみゴリラ川柳』『貴重な棒を持つネコ』『君たちが大人であるのと同じく』発売中。UOMOでは『プロサウナーSHOWの熱波に焦がれて…』に続き『プロテイナーYUSUKE』を連載。