スワイプで前後のページに進みます
前後のページへ進みます
画面全体に拡大します
元のサイズに戻ります
マンガを読む
燃え盛るサウナストーンに、火の粉を散らして飛び交うドラゴン。 サウナ室の扉を開けてSHOWが迷い込んだのは、神話の世界か、 はたまた黄泉の国か…。令和元年も終わろうとする師走のある日、 プロサウナーに未知との遭遇が待っていた!
年の瀬といえば、いくつになっても各地で催される華やかな年末イベントに胸躍らされるが、凍える冬の夜に身の毛がよだつ怪談話を…ではなく、冷えた身体をホッと温めてくれるアトラクションが世をにぎわせている。それは流行りのプロジェクションマッピングをサウナで鑑賞するという斬新すぎる熱波体験だ!
2019年11月にリニューアルを遂げた「おふろの王様」で、その奇想天外なロウリュウは夜な夜な催されているという。さっそくサウナに足を踏み入れると、中央には富士の溶岩石を高温で熱したセラミックブロックの火窯(サウナストーブ)。それ以外は一見、普通のサウナと変わらないが…高鳴る鼓動を抑えながら、定刻までじっと待つ。すると、室内が暗転、和太鼓のリズムが鳴り始める。そして、次の瞬間中央の火窯にメラメラと紅蓮の炎がプロジェクションマッピングで映し出されたのだ! 「え、壁じゃなくて窯のほうに!?」と、戸惑う暇もなく、どこからともなく噴き出す熱風と、マグマのように燃え盛る火窯の視覚効果で、体温も一気に急上昇! 勢いを増す音楽、壁にも炎を纏った鳳凰や龍の姿が次々と描き出され、これまさに、触覚と視覚と聴覚の三点攻め! 灼熱の仮想空間へ、“秒で”トリップできてしまうのだ。
プロジェクションマッピングをはじめ幻想的なデジタルアートも今では年末の恒例行事になったが、屋外で凍えながら観るなんてもう古い! この冬はサウナの中で「熱いな~、熱いな~」と、冷や汗もとい本物の汗をかきながら、熱と光の感動体験をぜひ味わってもらいたい!
SHOWのひと言メモ
広い浴槽で楽しめる高濃度炭酸泉不感湯など、サウナ以外の施設もリニューアルでさらに充実。ちなみに、プロジェクションマッピング内に登場するかわいい王様とは「おふろの王様」のマスコットキャラ。サウナストーブに描き出される燃え盛る炎、龍、そして突如現れるゆるキャラの王様…。予定調和にいかないギャップもとびきりシュールだ。
今回のサウナ:[大井町]おふろの王様 大井町店
2019年11月にリニューアルしたばかりで、岩盤ルーム「炎の間」に導入された「プロジェクションマッピングロウリュウ」は1日に5回実施。館内着を着用して男女で入れるシステムもうれしい。入館料¥1,380(平日) ※「炎の間」を含む岩盤浴ゾーンは別料金¥800
※UOMO2020年2月号掲載。内容は本誌発売当時のものです。
室木おすしプロフィール
イラストレーター。マンガ家。1979年生まれの三児の父。ペンネームである「おすし」は、寿司屋でのアルバイト経験から。単行本『悲しみゴリラ川柳』『貴重な棒を持つネコ』『君たちが大人であるのと同じく』発売中。UOMOでは『プロサウナーSHOWの熱波に焦がれて…』に続き『プロテイナーYUSUKE』を連載。