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マンガを読む
恥ずかしながら、この年でまともに女性とサウナに入った ことがない。いや、ほとんどの男性がそうか…。そんな 孤独なプロサウナーSHOWが異性のサウナフレンド=サフレを 求め、公私混同のサウナデートに繰り出す!
ドッキドキ初サウナデートの舞台は、ロウリュウヒーリングを男女で楽しめる都内の某スパ施設。つり橋理論の応用で、熱波に震えるお互いのハートが恋の錯覚を起こさないものか…。不安と期待に胸を膨らませ、二人揃ってサウナに入室。
S えっと…さっそくまんきつさん、その月光仮面のようなタオルは一体?
M あ、これは顔の乾燥を防ぐためです。
S なるほど…(まったく表情が見えない)。え~、あ、このサウナは低温設定だから、女性の方も入りやすそうですね!
M 実は私、熱いほうが好きなんですよね。でも、女性サウナって井戸端会議の文化と言いますか、長く入りながらおしゃべりできるように低温の設定が多くて。
S や、やっぱサウナは高温に限りますよね! 僕も熱いサウナで思いきり汗をかいた後の一杯がやめられなくて!
M 私、今はお酒をやめていて…(著書『アル中ワンダーランド』参照)。
S そ、そうでしたね、ハ、ハハ…(汗)。
いつもと違う種類の汗が、脇の下から大量に流れ落ちるのを感じた。期待していたサウナデートは予期せぬ展開であっさり終了。しかしプロサウナーたるもの、このままでは終われない。勇気を振り絞り、俺は帰り際の彼女を引き留めた。
S ま、まんきつさん!! 今度、ボクの漫画を描いていただけませんか!?
M え、は、はい…もちろんです!
そう言って振り返った彼女の頰は、夕日のせいか少し赤く染まっているように見えた。サウナデートで恋は生まれなかった。しかし近い将来、UOMOの誌面で新しい何かが生まれる予感がしている。
SHOWのひと言メモ
まんきつさんの描くサウナ漫画は、ユニークな登場人物や思わぬハプニングで毎回捧腹絶倒のクオリティを誇る。が、実際はサウナでそのような珍事が起きるのはよくて8回に1回程度らしい。漫画のネタ探しとは、こうも過酷なものなのか…。第3巻をもって連載は終了したが、いちファンとしてまた復活を熱望する! なんならぜひUOMOの誌面で!
まんきつ(漫画家)
「女性サウナ漫画家のまさにパイオニア的存在である、まんしゅうきつこ改め現ペンネームまんきつさん。「週刊SPA!」の人気連載漫画を書籍にまとめた『湯遊ワンダーランド』(扶桑社)の第3巻(最終巻)が5月30日に発売。
※UOMO2019年7月号掲載。内容は本誌発売当時のものです。
室木おすしプロフィール
イラストレーター。マンガ家。1979年生まれの三児の父。ペンネームである「おすし」は、寿司屋でのアルバイト経験から。単行本『悲しみゴリラ川柳』『貴重な棒を持つネコ』『君たちが大人であるのと同じく』発売中。UOMOでは『プロサウナーSHOWの熱波に焦がれて…』に続き『プロテイナーYUSUKE』を連載。