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本来、サウナ浴とは日本でも老若男女に広く愛される大衆文化。 流行りのイベントや派手なサービスもサウナ人気向上のために もちろん欠かせないが、いま一度歩みを止め、誰もがフラッと 気軽に足を運べる“街サウナ”の魅力に触れてみようではないか。
サウナ(熱波)好きと銭湯(湯)好きは似て非なるものだが、この両者の熱い要望をハイレベルでかなえてくれる夢のような湯処がある。そう、そこは当連載にもゲスト出演したオーラリーの岩井良太氏や編集長TAKAも愛する、武蔵小山温泉 清水湯。大正13年創業の長い歴史をもち、天然黒湯温泉と黄金の湯を露天で楽しめる何とも贅沢な銭湯なのだ。そして、上質な温泉はもとよりわれわれサウナーを虜にするのが、その天然黒湯温泉をチラーで冷やした通称・天然黒水風呂。とにかくこの天然黒水風呂、そんじょそこらの水風呂とはワケが違う! 16度前後の冷たさにもかかわらず、肌を刺すような痛みは皆無。トロッと滑らかな肌触りで、まるで“水に優しく抱きしめられているような快楽”に包まれる。サウナ後に入ると、開いた全身の毛穴からギュンギュンに温泉成分が体内にしみ渡り、普段は軽油で駆動している身体にハイオクのガソリンが充塡されるような、内側から生まれ変わる爽快感を味わえるのだ。
100度を超える刺激的なロウリュや、シングルと呼ばれる強冷水風呂…。そんな流行りのサービスもサウナの醍醐味ではあるが、ファッションでたとえるなら、久しぶりに袖を通したラルフ ローレンのBDシャツに「あ、やっぱりしっくりくるな」と感じるあの安堵感。街の銭湯で入るサウナにはそんなホッとする安らぎがある。永遠のマイ・ベーシックをもつことが大人のオシャレに必須なように、ここ清水湯のような、いつでも気負わず、居心地のよいホーム・サウナをもつことも、プロサウナーには欠かせないのだ。
SHOWのひと言メモ
家族連れ、カップル、学生や地元の常連さんと、幅広い客層に愛されている清水湯。大正クラシックな趣は残しつつも、平成20年のリニューアルにより館内は清潔感があり、まさにレトロ&モダンなムードあふれるハイブリッド銭湯だ! サウナ&黒湯の水風呂で十分整った後は畳の敷かれた2階の休憩所でひと寝入りするのが最高に気持ちイイ!
今回のサウナ:[武蔵小山]武蔵小山温泉 清水湯
療養泉認定の黄金の湯に加え、保湿や保温に優れ、ミネラル成分が豊富な重炭酸ソーダ泉の天然黒湯温泉が名物。さらに、黒湯温泉は水風呂でも楽しめる。女性専用の岩盤浴¥1,350も人気。入泉料¥460(大人)、サウナ¥400、TEL:03-3781-0575 月曜休み(祝日は営業)
※UOMO2019年3月号掲載。内容は本誌発売当時のものです。
室木おすしプロフィール
イラストレーター。マンガ家。1979年生まれの三児の父。ペンネームである「おすし」は、寿司屋でのアルバイト経験から。単行本『悲しみゴリラ川柳』『貴重な棒を持つネコ』『君たちが大人であるのと同じく』発売中。UOMOでは『プロサウナーSHOWの熱波に焦がれて…』に続き『プロテイナーYUSUKE』を連載。