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連載初回となった前号の「スパ ラクーア」は、俺にとってサウナの原点であり、あの激烈な熱波を熟練サウナーのみんなにも浴びてほしい一心で、熱い思いを綴らせてもらった。だが、「サウナ初心者へのオススメは?」と聞かれたら、俺は真っ先にこの「綱島源泉 湯けむりの庄」をレコメンドしたい。
2016年オープンの綱島源泉 湯けむりの庄は、そのホスピタリティがとにかく熱い…いや手厚い。サウナ、天然温泉、広いお休み処に加え岩盤浴にジムまで。老若男女、ベテランも初心者も気持ちよく汗を流せるサウナーにとっての夢の国。そんな関東屈指の湯けむりワンダーランドを舞台に、今回は日本初の「アトラクション型ロウリュ」を紹介したい。
その未知なるイベントが行われる一室に足を踏み入れると、神々しく輝くレーザーライト、さらにSF映画のテーマ曲を思わせるアッパーなチューンにまず胸が高鳴る。熱波師の前口上も、まるでテーマパークの手慣れたキャストのように快活だ。うちわによる熱波でウォームアップの汗を流すとついにその時が訪れる! 次の瞬間、壁から放たれたのはテレビでもお馴染みの空気砲。意表を突く輪っかの出現に「え!?」と一瞬の静寂が場を支配するが…一転沈黙を破り沸き起こる歓声。不思議なグルーヴ感が部屋中に伝播し脳内のドーパミンが大量放出!
なるほど、これは空気砲自体がアトラクションなのではなく、密室で熱にほだ された人間たちの集団心理を巧妙に利用した、熱波イリュージョンなのか。“これぞ真のサウナトランス”と言わんばかりのグッドバイブレーションが汗とともに全身を包み込んでいく。「熱波にこんな可能性があるとは…」。それを見抜いたでんじろう先生のプロデュース力と、実際にアトラクションにした湯けむりの庄のパイオニア精神に、俺はただ膝を打つのであった。ちなみに先生は、無類のサウナ好き…というワケではないらしい。
SHOWのひと言メモ
でんじろう先生監修のアトラクション型ロウリュは、岩盤浴着を着用して男女で楽しめる岩盤浴ゾーン内の一室「風」の部屋で行われる。岩盤浴(別料金)なので、通常のサウナよりは低温だが、アトラクションに含まれるうちわの熱波サービスはとても心地よく、いい汗がかける。混雑時は、なんと80人超のお客さんで部屋がぎゅうぎゅうになる!
今回のサウナ:[綱島]綱島源泉 湯けむりの庄
7種類(女湯は8種類)の天然温泉をはじめ、フィンランド式サウナ(&ロウリュサービス)、スチーム塩サウナを完備。入館料¥1,200、土・日曜・祝日¥1,400、平日22時以降¥950 岩盤浴¥800、土・日曜・祝日¥900
www.yukemurinosato.com/tsunashima/
※UOMO2018年10月号掲載。内容は本誌発売当時のものです。
室木おすしプロフィール
イラストレーター。マンガ家。1979年生まれの三児の父。ペンネームである「おすし」は、寿司屋でのアルバイト経験から。単行本『悲しみゴリラ川柳』『貴重な棒を持つネコ』『君たちが大人であるのと同じく』発売中。UOMOでは『プロサウナーSHOWの熱波に焦がれて…』に続き『プロテイナーYUSUKE』を連載。