2025.01.28
最終更新日:2025.01.28

【ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ】40歳男子のソロ箱根のすすめ

東京に住んでいる人間にとって、最も身近で定番のリゾートといえば箱根だろう。クラシックなホテルもあればリッチな温泉旅館もあって、クルマでも鉄道でもアクセス抜群だから、一泊二日で手軽に気分転換ができる。数年前までは、それこそ年に必ず1〜2回は訪れていたんじゃないだろうか。ただ、最近は少しご無沙汰していた。週末の小旅行にはちょくちょく出かけるものの、目的地はおいしい飲み屋と、いいサウナや銭湯がある地方都市が中心。食べて、飲んで、汗を流して、また食べて、飲んで、をひたすら繰り返しながら深夜まで出歩くから、寝床はカプセルホテルで十分。そんな忙しなく動き、体力を使う旅が多かった。

でも、さすがにちょっと疲れたのか。正月にテレビで箱根駅伝を見ているうちに、ひさしぶりに箱根で一人、のんびり過ごすのもいいかも、と思い立った。早速ラップトップを開いて泊まる場所を検索。温泉旅館というよりラグジュアリーなホテルの気分だったので、強羅にある「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」(以下ハイアット箱根)をチョイス。宿に籠って、ただただゆっくりするだけの一人旅。新年だし、奮発してスパの予約でも入れてみることにするか。たまにはそういう贅沢もあっていい。

当日は、新宿から小田急ロマンスカーで小田原へ。小田原駅からはホテルの送迎バスで約40分。強羅なのでそれなりに時間がかかるが、そのぶん周りは静かで落ち着いている…というかむしろ「山の中」。改めて、箱根ってこんなにも自然豊かだったのかと驚かされる。まさに籠るにはうってつけのロケーションだ。

ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ
ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 2

余談だが、箱根に行くならやっぱりロマンスカーをおすすめしたい。新幹線は便利だけど、東京駅から小田原まで30分強はいくらなんでも速すぎる。ロマンスカーなら新宿から小田原まで1時間ちょっと。ビールを開けて、景色を眺めながら弁当を食べたり、うとうとしながら向かうくらいがちょうどいい。

こぢんまりしたレセプションでチェックインを終え、客室へ向かう途中にあるのが「リビングルーム」だ。「箱根の我が家」をコンセプトにしているハイアット箱根のメインラウンジで、吹き抜けになったウィンドウ越しに見える自然も美しいが、冬の見せ場はセンターにそびえる暖炉。そして暖かい炎を囲むように配されているのは、余裕たっぷりのアメリカンサイズのソファ。ふかふか&ポカポカで、部屋にたどりつく前にすっかりリラックスしてしまった。

リビングルーム

これ以上ここに座っていると本格的に眠っていまいそうなので、重い腰を上げて部屋へ。客室は全部で80室あり、スタンダードタイプでも56㎡という広さが自慢だが、今回泊まったのは「デラックスツインルーム」でなんと73㎡! 東京の自宅より少し狭いくらいの空間に広々としたベッドとソファ、そしてその奥には明るく開放的なサンテラスがあり、美しいビューにさっきからの眠気など吹き飛んでしまった。もちろん高速インターネットアクセスは完備、広いライティングデスクがあるのでワーケーションにも最適だろう。いま手がけている書籍の校正作業をここでやりたい…。ちなみにハイアット箱根には全6室の「ドッグ フレンドリールーム」もある。猫派な自分だが、一緒に旅行ができるのは犬派の皆さんのうらやましいところだ。

デラックスツインルーム

ひと休みしたら、16時からはスパ「IZUMI」の時間。今回体験するボディ&フェイシャルトリートメント「YON-KA フィト・スリープ・リチュアル」は、「西洋と東洋の手業を融合した14のステップで、心身の緊張をときほぐし極上の眠りへ誘う」という、忙しい40歳男子のためにあるようなプログラム。働く大人はみんなそうだと思うが、PCやスマホの画面の見過ぎで睡眠の質が下がっているな、と毎日のように感じている。ヘッドスパを受けるときなど、開始直後から終わりまで爆睡してしまって損した気分になるのだが、今日はせっかくなので、ぐうぐう眠らせてもらいたい。普通のスパはなかなか行きづらいという男性も、「眠り」がコンセプトになったトリートメントならハードルは下がるだろう。まずは大涌谷を源泉とするモダンな温泉大浴場で汗を流し、心も体もゆるめたうえでトリートメントルームの扉を開けた。

温泉大浴場
トリートメントルーム
トリートメントルーム 2
ホットストーン

そして2時間後。

ZZZ…ZZZ…

「お疲れ様でした。これでトリートメントは終了です。お着替えを済ませてロビーにお越しください」という声でハッと目覚めた。徐々に思考がクリアになってくる。カラダは心地よい浮遊感を感じながらも、頭の中はすっきりしている。望みどおり、あっという間に眠ってしまったようだ。後から伺ったところでは、背中をマッサージし、首筋、腰、みぞおちの下にホットストーンを当てて緊張をほぐし、続いてフェイシャルは温められたソフトピーリングジェルで肌をリセットさせる、といったトリートメントが行われたそう。年齢相応にくすんだ肌は少し若々しさと輝きを取り戻し、夜になればさらにぐっすり、質のいい睡眠を得られるらしい。生まれて初めて、寝ることにワクワクしている47歳がいた。50歳間近のおじさんなんてお呼びじゃないと思っていたけれど、スパってやっぱりいいもんだ。

そして心もカラダも思いっきりリフレッシュすると、いい感じにお腹が空いていることに気がつく。のんびりしていてもやっぱり腹は減るんだな。活気があるオープンキッチンが見ていて楽しい「ダイニングルーム ウェスタンキュイジーヌ」で、一人フレンチとワインを堪能。まだ夜の9時だし、リビングルームのソファで本でも読むか。部屋に本を取りにいくことにしよう。

ダイニングルーム ウェスタンキュイジーヌ
リビングルーム 2

ZZZ…ZZZ…

あれ?いま何時だ?

4時?どういうこと?

やってしまった。昨晩本を取りに部屋に戻って、ピンッとシーツが張られたベッドがあまりにも気持ちよさそうだったから一瞬寝転んで……そこからの記憶がまったくない。服を着たまま、布団もかけずにベッドに対して斜めになって6時間近く眠り続けていたようだ。暖炉のそばで本を読んだ後は、ベッドでゴロゴロしながらネトフリ三昧といく予定だったのに。夕方のトリートメントのおかげで気持ちよく眠れたようだが、あまりに悔しいのでサンテラスでドラマの続きを観ながらひたすら日の出を待つことにした。めっちゃきれいだった(笑)。

8時からふたたびウェスタンキュイジーヌで朝食ビュッフェを満喫した後は(普段は朝食食べない派なのにホテルのビュッフェは大好き。和食派なのでご飯に明太子、しらす、大根おろし、かまぼこ、塩鮭、とろろ、いんげんの胡麻和え、なめこ汁など)、チェックアウト前に箱根を代表するアートスポットであるポーラ美術館に行くことに。強羅駅から無料の送迎バスが運行されているので、ホテルの近くを散策するならおすすめの場所。こちら、もちろん展示はすごいんだけど、実は敷地内にある「森の散歩道」も同じくらい最高なのだ。

ポーラ美術館
森の散歩道
森の散歩道 2
ロニ・ホーン《鳥葬(箱根)》2017-2018年 ポーラ美術館 ©Roni Horn Photo: Koroda Takeru

「森の散歩道」は全長約1km。さながら森の中にある展示室で、ブナやヒメシャラなどの美しい木々をはじめとする富士箱根伊豆国立公園の自然を楽しみながら、ロニ・ホーンやSHIMURAbros、板東優といったアーティストの彫刻作品を鑑賞できる。約30分間の朝の散歩は寒かったけれど、都会ではできない箱根ならではの体験としてこれ以上のものはないだろう。昨日も実感したが、やはり箱根の自然は素晴らしい。美術館では現在、企画展『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』を開催中(5月18日まで)なので、散策とセットで楽しみたい。

さて、そろそろチェックアウトの時間だ。もう一泊のんびり過ごしたい気もするけど、箱根は一泊二日で軽やかに楽しむからこそリピートしたくなるのかもしれない。小田原駅前にある大好きな天史朗寿司はまだやっていないから、大船軒の鯵の押し寿司を買うことにしよう。そしてふたたびロマンスカーに乗って新宿へ。いや、帰りは東海道線のグリーン車に乗るのもありだな。一人で箱根のハイアット、暖かくなったらまた来るか。今度はクルマにして、行き帰りの道中も完全に一人っていうのが楽しいかもしれない。ちなみに今回は一人だったけど、もちろん家族旅行にもおすすめ。2月末まで、パワースポット・箱根ならではの特別メニュー「開運来福アフタヌーンティー」が楽しめるのでぜひ。特に女性は喜ぶはず!

ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ

神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320
hakone.regency.hyatt.jp

ポーラ美術館

神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
www.polamuseum.or.jp

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