冬の京都の風物詩、蒸し寿司を食べに行く
蒸し寿司をご存じだろうか? 幕末頃に考案されたとされる、蒸して食すちらし寿司のことで、寒さの厳しい京都では“冬の風物詩”としてお馴染み。その味を求め、食通らが年々歳々集まるのが、江戸時代に創業した「末廣」。京町家ならではの情緒あふれる佇まいも魅力の老舗だ。
土台となるちらし寿司は、生ものを除くのが京都流。椎茸や干瓢、木耳に調味料を加えた、名脇役たちの“炊いたん”を混ぜたシャリには、醬油ダレでつけ焼きして細かく刻んだ穴子と錦糸卵を、それぞれたっぷりと。15分ほど蒸したら海老や銀杏、桜でんぶなどで彩りを添える。
蓋を開けると湯気が踊りだすほど、ホカホカどころではなく、アツアツ。それらを口に含むと、蒸すがゆえに米粒はふっくら。酸味がまろやかになり、香りも味わいも想像以上のエレガントさに。食材たちも、ふわっと、もっちり、シャキシャキと、楽しい食感を奏でる。
11月から3月までの冬季しか会えない「蒸し寿司」¥2,200は、まさに“世界一やさしいお寿司”。地元に愛され、家族だけでつなぐ技と味。暖簾の向こうで蒸気が上がる音、見目麗しさも含めて五感を震わせる。食体験に没入するのも、豊かな時間であり、上質なお金の使い方。
この味を独り占めするのはもったいない、お土産にしよう。塩気を抑え、脂がのった「鯖寿司」6切れ¥2,750と、巻き寿司といなり寿司入りの「助六」¥1,300も、えも言われぬおいしさ。
交通費(東京からの往復):¥26,640
蒸し寿司:¥2,200
お土産:¥4,050
↓
合計:¥32,890
京のすし処 末廣
京都府京都市中京区寺町通二条上る要法寺前町711
TEL:075-231-1363
営業時間:11時〜15時(持ち帰りは〜18時)
定休日:月・火曜
https://sushi-suehiro.jp