2025.02.15
最終更新日:2025.02.15

【全15回10万円】芸術について藝大生とともに学ぶ【2025年 センスのいい大人のお金の使い方】

芸術について藝大生とともに学ぶ

諌山俊之さん(会社員)

諌山俊之さん

望みがかなって成仏できます(笑)

¥100,000(全15回)

 東京藝術大学と言えば、マンガ『ブルーピリオド』でも話題になったアートを学ぶ最高峰の人々が集う場所。そんな藝大は、社会人のための講座も数多く用意している。企業で建築の設計を担う諌山さんは、ずっとものづくりに興味があったという。

「SNSで藝大が開講している『展覧会設計演習』の募集を見つけて“これだ!”と思いました。建築家として働いているので“設計”という言葉にピンときたんです。選考を経て無事受講できることに」

諌山俊之さん 難波祐子特任准教授
考える機会をくださってありがとうございます

 「展覧会設計演習」はその名のとおり、現代美術の展覧会について企画から制作、運営まで一通りのことを実践的に学ぶ授業。講師は難波祐子特任准教授(写真右)。現在東京都現代美術館で開催中の「坂本龍一|音を視る 時を聴く」を手がける第一線で活躍中のキュレーターだ。さらにこのクラスは藝大生10名、社会人10名の混合で進行する。週末を中心に全15回の講義と、それを経て実際の展示をつくるところまで行う。

「藝大生がどんな感性をもっていて、ものづくりに取り組んでいるのかを肌で感じたかったんです。藝大生は個性豊かだし、社会人も多様なバックグラウンドをもった人たちがいるのですが、一緒に展示をつくるという目的があるので否が応にも打ち解けます(笑)。授業は基本的には土曜日ですが、展示が近くなると平日もかかわる時間が増え、出社前に作業をしたり、仕事の後に学校へ行ったり濃密な時間を過ごしました」

 ファッションが好きで、働きながら服飾の専門学校に通っていたこともあるという諌山さん。ほかの学びとの違いは?

「藝大での学びは汎用性のある学びだと感じました。展示をつくるということのみにとどまらない、人生を豊かにする学び。ずっと芸術に興味があった自分にとって、すべてが詰まっていて、ようやく成仏できたというか(笑)。ただスキルを身につけるだけでなく、本当にやりたかったことに取り組めたという実感がありました。このクラスの仲間とは修了後も関係が続いているのも、ほかの学びとは異なるところかもしれません」

 10万円という金額は高い? 安い?

「座学だけでなく実習で手を動かす経験を含めると安いと感じます。でも、それ以上にお金では測れない貴重な経験でしたね」

展示についてグループディスカッション
撮影:高田亜美

展示についてグループディスカッション。

作品をマグネットで留めて設営中
撮影:片山久美子

作品をマグネットで留めて設営中。「自分の感性でやるのではなく、アーティストと対話しながら進めていくというのが初めての経験で新鮮でした」。

「間違茶」のいれ方を伝授
撮影:井上明日香

アーティストの久保ガエタンさん(写真左)が作品の一つである「間違茶」のいれ方を伝授。「観にきてくれた方へのプレゼンも初めての体験。仕事は分業なので、一人でさまざまな役割を担うことはありません。説明しながら自分の中で理解が進むことも」。

東京藝術大学キュレーション教育研究センター

東京藝術大学キュレーション教育研究センターは、藝大生とともに社会人が学べる社会共創科目を複数開講している。実践的な演習を通して主体的に学ぶプログラムから、オンラインで気軽に参加できる講義まで多種多様。詳細はhttps://ccs.geidai.ac.jp/
※この授業(「展覧会設計演習」)は、東京藝術大学・東京都・YAUの三者連携プログラム「有楽町藝大キャンパス」の取り組みの一つとして実施された。

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