香りで部屋をつくる
聖域にはいい香りが欠かせない。それは部屋全体を覆う強いものであってはならない。自分領域だけがほのかに香りで包まれることで、周囲の無臭空間と差別化でき、日常と聖域の区分けにつながるのだ。
Officine Universelle Buly|ボワット・メタリック・オドリフェラン「ルトゥール・デジプト」
ほのかな香りに拡散性を高める火はいらない。パリのオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーから新たに登場したのは吊り下げ式のルームフレグランス。水性香水「オー・トリプル」のボトルを彷彿させるメタル容器に香りのビーズを入れると、ドアを開閉するたびにふわっと華やかな香りが立つ。全4種の中でも、サンザシ、ジャスミンなど華やかながら落ち着く「ルトゥール・デジプト」が推し。
OGATA|KAORI「YOKA OGATA」
同じくパリから、日本の伝統文化に基づき現代における暮らしの作法を提唱するOGATAが展開する「KAORI」も気になる。化学香料ではなく、忘れかけていた自然界の香りをそのまま閉じ込めたようなYOKAは、器に入れて空間を香らせても、持ち歩いてもいい。5種展開のうち、白檀やかっこうなどを調合したブランドを象徴する香り「YOKA OGATA」は森や大地を想起させ、朝に最適。いずれも自己演出の香水と違って、「安らげる」かどうかを基準に選ぶといい。