働いて約20年、若い頃より自由に使えるお金と時間が増えた。だからこそ、ただモノを買うだけの思考は一度リセットして、買い物プラスアルファの選択肢ももつと、人生後半は豊かになる。新年は、そんな価値観のシフトには絶好のタイミング。今や一生で最も楽しい時期と言っても過言ではない40代を謳歌するための「センスのいいお金の使い方」ってなんだろう? 30人の識者に聞きました!
水川かたまり(芸人)
自分の身体に投資
年を重ねるごとに「身体が資本」という言葉の意味を身をもって感じるようになりました。健康のことを考えて筋トレを始めるとみるみるうちにハマってしまい、器具やウェアを買ってトレーニングにいそしむ日々。ストレス発散にもなるし、毎日のパフォーマンスも上がる。強制的に頭を空っぽにできるのも自分にとってはいい。何歳になっても、結局のところ自分自身に投資するのが「いちばんリターンが大きいんだ」ということに気づきました。
黒川成樹(WARP HOLE BOOKS オーナー)
居心地のよいホテルの部屋
一人のときは、利便性に優れたビジネスホテルで十分でしたが、子どもができて旅行中でも部屋の中で過ごす時間が長くなり、ホテルの部屋にお金をかけるのがいいなと思うようになりました。最近だと京都のエースホテルの空間が印象的。機能から考えられたのではなく、居心地のよさを重視した家具や照明が心地よかったです。
水澗 航(ENKEL 主宰)
作家とのコミュニケーションを
購買体験に取り入れる
最近は「誰から買ったか」を大切にしています。辻和美さんのガラスの片口、額賀章夫さんの花器、高野夕輝さんの木彫りの山は、作家さんと話した時間を作品と一緒に持ち帰った気持ちになりました。「センスのいい」お金の使い方と聞いてピンとくるのは、河井寛次郎の言葉「物買ってくる、自分買ってくる」です。お金を使うことは自分の表現につながると考えています。