鉄道旅には紙の時刻表が欠かせない。数字の先に景色が見えてきたら、時刻表をめぐる旅が始まる!
まずここを押さえる時刻表の基本の読み方
1索引地図で行きたい場所を探す
時刻表の冒頭には日本全国の地図が載っている。まずは行きたい地域を探して、次に出発する駅と目的地、その二つの駅を結ぶ路線を調べる(東京から熱海に行きたいなら東海道本線)。そして路線横に書いてある数字のページに飛ぶ。
JTB時刻表2024年2月号(JTBパブリッシング)
2路線図に記載されたページに移動。駅と列車を探す
移動先のページには路線の全駅が掲載されている。まずは出発駅を見つけたら、下に向かって目的地を探す。上りと下り列車でページが分けられているので注意が必要だ。
A路線名
「管轄する鉄道会社」「路線名」「上り(下り)」などが書かれている。甲府方面の中央本線だったら「東日本」「中央本線」「下り」「新宿(出発駅)ー甲府(途中駅)ー松本(終着駅)」。
B列車名
「踊り子」「あずさ」などの列車名の横に書かれた臨時列車、運行日、運休日などの情報に注意したい。最上段は列車ごとに割り振られる番号。飛行機の便名と同じで基本的に気にしなくていい。
C駅名
その路線の駅がすべて掲載されている。東海道本線などの長い路線は区間ごとに分けて掲載される。基本的に列車が上から下に向かって進んでいくイメージ。主要駅は太字で見やすくなっている。
3時刻を見ながら乗りたい列車を決める
路線と駅が見つかったら、自分が乗りたい時間帯で列車を探す。これは駅にある時刻表を見るのと同じ作業だ。乗りたい列車が見つかったら目的地の到着時刻を調べよう。
D時刻
上から下に向かって列車と時間が進んでいく。「レ」マークがついた駅は通過する。時刻は2310(23時10分)のように4桁の数字で表記。主要駅は列車到着時刻と発車時刻が記載される。
E掲載区間の先へ
掲載区間の先まで行く列車の場合は終着駅と到着時刻も欄外に記載される。熱海の先まで行く踊り子号ならば「伊豆急下田1329」など。そしてその先の時刻表が載ったページへと誘導される。
鉄道旅がもっと楽しめる。時刻表豆知識
日本のすべての駅を掲載
私鉄を含めすべての駅を掲載している。全駅を載せるために地図はかなりデフォルメされ、よく見ると不思議な形をしている。
重さは約1キロ
輸送費を抑えるため薄くて軽いオリジナル用紙で軽量化を図っている。総重量は常に1kg弱だが湿気を含むと微増するとか。
バス、船、飛行機の情報も
フェリーや飛行機の時刻表も掲載することで乗り継ぎがスムーズに。時刻表片手にまだ見ぬ土地に思いを馳せてもいいだろう。
ご当地の駅弁もわかる
ページ下に注目すると、駅で購入できる代表的な駅弁の情報が。現在、駅弁データを掲載しているのはJTB時刻表だけだ。
臨時列車が一目瞭然
初詣やコンサートなど、季節やイベントに合わせて運転する臨時列車の時刻も掲載。読んでいるだけでイベントが楽しみに。
創刊100年間近!
1925(大正14)年の創刊以来約100年にわたり愛されてきたJTB時刻表。創刊当時の復刻版も発売中。列車の数が100年で増えたことがうかがえる。
時刻にはオリジナルフォントを使用
たくさんの情報を詰め込む必要があるため、小さい文字でも見やすいオリジナルフォント「Zikoku」を使用している。
スマホ時代でも時刻表が必要なワケが知りたい!
旅先での急なプラン変更も安心。始発列車を調べれば座っていける。
アプリなどは目的地へのルートを検索するのに便利だが、時刻表は「駅」を基準に、発着・通過する列車が一目瞭然。途中で予定を変更しても安心だ。また、乗り換え検索では前後数本しかわからないが、時刻表なら始発を探して座れる列車を選ぶことも。パラパラと眺めれば新しいプランが浮かんでくるかもしれない。