「新NISA」が始まって、連日メディアやSNSをにぎわす投資の話題。「40歳にもなって今さら投資なんて…」と腰が引けつつも興味津々の入門者のあなたに、投資と新NISAのキホンのキを濃縮してパパッと解説。人生100年時代、先は長い。老後の蓄えや子どもの教育資金に…まだ間に合います!
Q1.貯金しているから投資はしなくてもOK?
まず投資は「インフレへの備え」として役に立つ。上の図表は、物価上昇によって100万円の価値がどう減るかを示したもの。実は日銀は「消費者物価の前年比上昇率2%」の持続的達成を目標に金融政策を実施しており、その場合、100万円を20年間放置すると資産価値は7割以下に。現在の預金金利0.01%ほどではまったくインフレに太刀打ちできない。一方、日本株の長期リターンは5%を超える(年金積立金管理運用独立行政法人の試算による)。インフレから資産を守るには株式投資の力を借りることをすすめたい。
Q2.40代はどれくらい投資に興味がある?
実際に投資経験者はどれくらいいるのか。投資信託協会の調査によれば、一度でも投資経験がある40代の割合は約4割にすぎず、日本の中年男性にとって投資はまだまだ馴染みがあるとは言い難い。とはいえインフレやきたるべき老後へしっかり備えておきたい。そこで、投資を普及させ「家計の安定的な資産形成をさらに推し進めていく」(金融庁)ことを目的に今年から始まったのが、投資益に対するおトクな非課税制度の新NISAというわけだ。
Q3.投資=ギャンブルのイメージです…
「投資=ギャンブル」と思っているならそれは誤解。ギャンブルは参加者が賭けたお金を胴元が中抜きし、残金を勝者に分配する。つまり胴元が儲かる仕組みだ。さらにゼロサムゲームで敗者が必ず生まれる。一方、投資は企業活動で得られた利益を株主に分配するもので、プラスサムゲームである。上のグラフは日本株の値動きを表す日経平均の推移を示したもの。バブル崩壊による長い低迷期を経て、以降もたびたび暴落の危機に見舞われているが、長期的には右肩上がり。日本経済の成長とともに値を戻し、3月にはバブル後最高値を更新した。企業が経済活動をやめない限り、長期的に見て手堅い成果を期待できる。
Q4.始めるには何が必要?
今ならNISA口座を開設するのがいい。NISA用の証券口座は店舗型の証券会社やネット証券のほか、銀行・郵便局でも持つことができるが、オススメはネット証券各社。口座開設までのスピードが早いうえ、売買時に必要な手数料も安い。SBI証券や楽天証券は、新NISAに合わせ手数料無料化を打ち出した。なお新NISAで投資できる商品には一定の制限がある。投資したい商品を取り扱っているかどうかは事前に調べる必要がある。