2024.05.10
最終更新日:2024.05.10

【40歳からの投資入門】始める前に知っておきたい! 初心者がやりがちなミス

何事も最初は失敗がつきもの。投資も多くの先人が失敗を乗り越えてきた。転ばぬ先の杖として、初心者がやってしまいがちなミスをまとめてシェアします!

相場全体の下落で慌てて株を売却!

株価下落に備えて「投資価格から◯%下落したら売る」といった“損切り”ルールをあらかじめ設けておくのは有効だ。しかし、下落の不安に耐えられず細かな損切りを繰り返して損切り貧乏になる人も意外と多い。株価下落で機械的に手放すのではなく、下落の原因をしっかり考えたい。例えば、天災などで相場全体が突発的に暴落した場合、業績に影響がなさそうな企業まで売り込まれる。しかし日経平均などの株価指数が示すように相場全体の暴落が回復しなかった試しはなく、長期投資目的の場合、多少の含み損ならそのまま抱えたほうが得策ということもある。一方、特定の企業の株価暴落の場合は不祥事などを発端に株価が戻らなかった例もある。個別に検討する必要があるだろう。

わずかな値上がりで利益を確定

投資初心者はほんの少し株価が上昇しただけで利益確定の売却(=利確)をしてしまう傾向がある。行動経済学によると、人間は本能的に、得をする喜びに比べ損をすることに2倍のインパクトを感じる(プロスペクト理論)。“現状の利益を将来的に失うかもしれない”という損失を回避しようとするあまり、早すぎる利確に動いてしまうのだ。しかし新NISAの非課税の恩恵を最大限に受けたいなら、できる限り利確を我慢して利益を大きくしたい。損切り時のルールをもっている投資家は多いが、同じように利益確定にも「○○%上昇するまでは保有する」などあらかじめルールをつくって冷静に判断できるようにしたい。

インフルエンサーにカモられる

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SNSに多く存在する投資家やアドバイザーの言葉を鵜呑みにして失敗する初心者は後を絶たない。「フォロワーだけに儲かる銘柄を教える」などの甘言とともに、実際にその株価が急上昇しているように触れ込む人物の発言には警戒したい。自身や関係者が大量に買い集めた銘柄の情報を発信し、ほかの投資家を巻き込んで株価の釣り上げを狙う、いわゆる「煽り屋」かもしれない。煽り屋のすすめる銘柄は短期間で急騰するが、彼らが売り抜けたあとに急落するまでが定番の流れ。午前中は「ストップ高」、一転午後には「ストップ安」というケースもザラだ。追随して急落前にうまく売り抜ける投資家もいるが、タイミングの見極めは難しい。投資情報は必ず自身で裏をとってから活用しよう。

生活費を注ぎ込み“フルポジ”で勝負

「フルポジ」とはフルポジションの略で、現金化できる資産のほぼすべてを投資に回してしまう状態を言う。投資がうまくいき始めると、中には儲けの機会損失を逃したくないあまりに、生活に必要な資金まで注ぎ込む人が出てくる。相場の下落で精神的に追い込まれたり、私生活で大きな資金需要が生じた場合に身動きがとれなくなるので、絶対にNG。いざというときに備えて手元に残す生活防衛資金として、手取り月収の6カ月分程度を別に確保したうえで、あくまで余剰資金で運用すべき。

旬のテーマ型投資信託と思いきや、高値づかみに

将来性がありそうな特定の業界・業種の企業に集中的に投資する「テーマ型投資信託」も初心者に人気の商品だ。例えば「EV」「AI」「ロボット」といった今いちばん旬なテーマの関連企業にまるっと投資できる手軽さが受けているが、まさにこれが落とし穴。「今いちばん注目の銘柄」=「今いちばん値段が高くなっている銘柄」の可能性がある。つまり投信が組成された時点で高値づかみになっている恐れがあるのだ。原則、投資で儲けるコツは「安く買って高く売ること」。興味のある投資対象が本当に買い時かどうかも検討してほしい。

レバレッジ型投信に長期投資で損確定

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レバレッジ型投信は、投資初心者にも人気の、株価指数の値動きを2〜3倍に増幅して運用を行うタイプの商品。その性質上、上昇相場環境ではパフォーマンスが派手に向上し「値上がり率ランキング」の上位に顔を出す。とはいえ、複雑な動きを実現する設計上、長期でもっていれば高確率で元本が目減りする。仮に日経平均と逆方向に2倍動くETFに2014年から投資していた場合、現在の資産は10分の1以下になるなど。初心者が資産形成するにはまったく向かない商品なのだ。新NISAではレバレッジ型投信の購入ができなくなったが、過去には長期投資が前提のジュニアNISAで買いつけ上位だったことも。長期投資のつもりが、気づけば資産がごっそり減っていた、ということにもなりかねない。

ランキングに頼った投資先選びで地雷銘柄をつかむ

右も左もわからない初心者が銘柄選びで頼りたくなるのが、証券会社などが発表している投資商品ランキング。しかし、ランキング上位にむやみに飛びつくと痛い目に遭う。例えば、配当額を株価で割って算出する「配当利回りランキング」。高い配当利回りにひかれて投資したのに、程なくして配当金が減らされたという嘆きをよく聞く。業績悪化懸念で株価が振るわない企業がランキングに紛れ込み、その後、実際に業績が悪化して配当が減らされてしまったのだ。企業の状態を精査すれば簡単に回避できた悲劇…。「ランキング」はあくまでも参考程度にとどめるのが得策だ。

資産形成に役立たない“ボロ株”を大人買い

「低位株」や「ボロ株」などと呼ばれる、ひと株当たり数円台の銘柄も手を出しやすく人気ランキング上位の常連だ。「これだけ安ければあとは上がるだけ」などと考えた投資初心者が大量に買いつける。ところが低位株は初心者が近寄ってはいけない銘柄の筆頭格。極端な低位株の多くは、業績不振の末に第三者へ株式を乱発して経営権を奪われた「ハコ企業」と呼ばれるシロモノ。まともな事業実態がない企業すらあり、長期の資産形成にはまったく向かない。ただ「ひと株が安いから」といった企業の本質と無関係な理由で投資先を選ぶことはNG。企業価値を正しく見極めよう。

中・上級者向け|ほかにも押さえたい 投資手法は?

ビットコイン投資で分散投資のリターンを改善

米国でビットコインETFが登場

ビットコインは世界初の仮想通貨で、政府などの発行主体が存在しないため一国の経済に左右されず、新たなリスク管理手段として注目されている。分散投資に取り組んでいる場合、ビットコインにも投資することで、資産全体のリスクはそのままにリターンを高められる可能性がある。というのも、ビットコインは株や金など主要な資産の価格変動と連動性が低く、リスクとリターンを補い合う関係になるからだ。昨年、ビットコインを運用するETFが米国で上場し、世界中の機関から買いが集まっていることから、今後のビットコインの価値向上も期待できる。

外国株の為替ヘッジにFXを活用

FXを使いこなして外国株を有利に

FX(外国為替証拠金取引)は、その名のとおり外貨と日本円の差額で利益を狙う取引のこと。キャピタルゲイン(為替差益)やスワップポイント(通貨間の金利差益)を狙うイメージが強いが、本来は為替変動リスクを回避するヘッジ目的で使われていた。米国個別株など外貨建て資産は為替変動により資産価値が振れる。例えば株価がドル建てで上昇しても、円高に振れれば利益は相殺され消えてしまう。だが株式購入時にドルを売って円を買う反対売買を同額で行っておけば、利益確定時に円高に振れていても外貨の利益でカバーできる。

IPO投資で宝くじ気分で儲けを狙う

当選確率1%のハイリターン投資

IPO投資は、新たに証券取引所へ上場する企業へ投資すること。新規上場企業への期待は株価にも反映されやすく、上場当日に値上がりして取引を終える確率は約8割に上る。ただし、公開日後は徐々に値を下げることも多い。投資で勝率8割ならばローリスク・ハイリターンと言える。ただIPO株を事前に手に入れるためには上場を取りまとめる証券会社への申し込み後、抽選で当選しなければならない。当選確率は1〜2%ほど。投資というより宝くじだが、知っておいて損はない。

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