温泉大国、ニッポン。中でも北海道は、温泉地の数が全国1位、総湧出量は全国2位を誇る。いいお湯に、いいメシに、いい景色。それだけあればもうおじさんの旅は大正解。癒やしのファンタジースプリングスを求めて、2泊3日の道東の湯めぐり旅へ出発!
2日目は帯広から東に向かって進み、阿寒湖、屈斜路湖を経由して、川湯温泉を目指す。ノンストップで走れば3時間少々の道のりだが、せっかくなので観光も楽しみたい俺たちは、阿寒湖のアイヌコタンを歩き、摩周湖近くの道の駅でソフトクリームを食べ、硫黄山で勢いよく上がる噴気を眺めたりして、15時前に「川湯温泉 ホテル開紘」に到着。
川湯温泉 ホテル開紘
川湯温泉は「源泉100%かけ流し宣言」をしているので、どこもハイレベルであることは間違いないが、その中でもいちばんと温泉マニアが絶賛するのが「ホテル開紘」である。泉質は強酸性硫化水素を含む明ばん・緑ばん泉。pH1・7の湯は口に含むとレモンより酸っぱく、五寸釘を1週間で溶かしてしまうほど強力。古い角質を溶かしてお肌をすべすべにしてくれることから美肌効果ありと謳っているが、同じ美肌の湯でもモール泉とは明らかに作用が異なる。過去に別の温泉地で強酸性の湯に入った際、キン〇〇がヒリヒリした経験をもつ俺は、そのときを思い出してちょっぴり及び腰。熱々の湯ということもあって、ゆっくり身体をならしながら浸かると、あれ? ヒリヒリしない。むしろ浴感は驚くほどマイルド。いやあ、これは気持ちいいわ。湯上がりもずっとポッカポカで、噂に違わぬ名湯であった。
川湯温泉 ホテル開紘
北海道川上郡弟子屈町川湯温泉2-6-30
【日帰り】8時~20時
無休
大人300円
川湯温泉 足湯
川湯温泉のランドマークともいえる「川湯温泉 足湯」をのぞいた後は、16時から予約していた「屈斜路湖サウナ倶楽部」へ。
川湯温泉 足湯
北海道川上郡弟子屈町川湯温泉4
24時間営業
無休
無料
屈斜路湖サウナ倶楽部
知人から、屈斜路湖畔の森の中にサウナと温泉を貸し切りで楽しめる施設があると聞き、行ってみたいと思っていたのだ。シャワーを浴び、温泉で温まったら、お待ちかねのサウナタイム。薪ストーブが置かれたサウナ室は暗く、静かに過ごしたい俺たちにとって理想的な空間。オプションで頼んだアカエゾマツのロウリュ水をゆっくりとかけながら、じわじわと蒸し上げていく。サウナ室を出たら、目の前の深さ170㎝の巨大樽の水風呂にドボン。摩周湖の伏流水で全身を一気に冷やし、リクライニングチェアに倒れ込み、昇天。
屈斜路湖サウナ倶楽部
北海道川上郡弟子屈町美留和1-33
1日3部の2時間交代制(10時~12時、13時~15時、16時~18時)
無休
1棟貸し切り2時間1万9800円(最大6名まで)
2時間のバカンスを終え、時刻は18時。あっ、いけねえ。陽が沈む前に「コタンの湯」に行かなきゃ。
コタンの湯
「コタンの湯」は屈斜路湖の畔に湧く露天風呂で、この時期は白鳥を眺めながらの湯浴みが味わえる。クルマで走ること5分、ギリ間に合った。しかも、ラッキー! 誰もいない。急いで脱衣所で服を脱ぎ、露天風呂に入る。目の前には夕暮れの屈斜路湖の大パノラマが広がり、すぐ近くを白鳥たちが優雅に泳いでいく。こりゃ絶景だ。テンションが上がった俺たちは、屈斜路湖に向かって仁王立ち。そのとき、白鳥がひと声鳴いた。意味はわからない。
コタンの湯
北海道川上郡弟子屈町屈斜路古丹
24時間営業
無休
無料
ニュー阿寒ホテル
スケジュールの都合もあって、この日の宿は「ニュー阿寒ホテル」。来た道を1時間かけて戻ることになる。その前に弟子屈の町で晩メシだ。まずは焼き肉、続いてもう一軒…と調子にのって食べ歩いていたら、あっという間に22時過ぎ。さて、ホテルに戻ろうか。阿寒湖へと続く峠道を走っていると、どんどん霧が濃くなっていき、全然前が見えない! ケータイの電波は入らないし、鹿がゾンビのようにうろうろしている。何だかB級ホラーの世界に迷い込んだみたい。とにかく事故らないように安全運転。結局、チェックインできたのは深夜0時近く。楽しみにしていた天空ガーデンスパは明日にお預け。
ニュー阿寒ホテル
北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉2-8-8
【日帰り】12時~17時
無休
大人1300円
ーDay3へ続く