2024.06.19

【おしゃれな大人の「自分勝手な」週末旅の記録】津和野|安野光雅の世界を巡礼する旅

夏目坂珈琲 バリスタ・モデル Eunsang You×津和野

目当てはあっても予定は詰めない、気ままな巡礼旅

旅の絵本

 バリスタ兼モデルのウンサンさんは韓国から東京へ移り住んで8年。日本はローカルの個性が際立っていると語り、ここ数年で特に印象的だったのは島根県の津和野町だそう。

「お気に入りのテレビ番組『日曜美術館』で、津和野町に絵本作家の安野光雅さんの美術館があると知りました。古い絵本をよく買うのですが安野さんも好きな作家の一人。温かく繊細な絵で、代表作の『旅の絵本』シリーズはとてもかわいい」

安野光雅美術館
厳かな佇まいで、広々とした安野光雅美術館。
太鼓
盆踊りが描かれた作品もあり、この日は太鼓に遭遇。

 早朝の新幹線で新山口まで。さらに一日8本のみ走る各駅停車に揺られること1時間半。お昼頃には到着できるそう。

「駅の向かいにある安野光雅美術館に直行しました。館内に入るとお客さんはまばらで非常に静か。代表作の『ふしぎなえ』や『旅の絵本』の原画と対面して早速、感動してしまった。美術館には1000点以上の作品と一部の原画が収蔵され、自分のペースで絵と向き合えたのも贅沢。都会の美術館ではできない経験です。

木造の日本家屋に囲まれた宿
風情のある木造の日本家屋に囲まれた宿で2泊3日。

気づけば数時間がたち、地元の旅館を探してチェックイン。

旅館からの風景
旅館からの風景。瓦屋根に光が反射する心地よい朝。
鯉
津和野の水路や池を泳ぐ鯉の数は人口より多い。

翌日は気持ちいい朝日で目覚め、池の鯉に餌をやり、当てもなく散策。

リフト
山頂の津和野城跡へとつながるリフトは地元民も愛用。
瓦
瓦の生産地としても有名な島根県。多色の瓦が並ぶ。
教会
『津和野の記憶2012』にも描かれるカトリック教会。
蒸気機関車 SLやまぐち号
『旅の絵本』にも登場する蒸気機関車、SLやまぐち号。

すると…お椀のように広がる青野山、瓦屋根の家屋の町並み、山麓のお寺、煙を立てながら橋の上を走る蒸気機関車、行く先々が絵本に描かれていた風景。美術館が目当ての旅でしたが図らずも聖地巡礼になったんです。彼が育った土地の景色、すべてが幻想的に感じられて特別な旅になりました」

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