
彼らは一体何を着て、どんな仕事をして、いかに肌や髪をケアし、どういったことに楽しみを感じているのか。同じく40歳男子である編集部員が出会った三者三様のライフスタイルから、その魅力を構成する要素を抽出。令和の40歳男子はこんなにも若々しい。
山崎裕太|36歳/自動車メーカー勤務

オンは「守り」、オフは「攻め」の服
スナップ常連の山崎さんは某自動車メーカーで夢だった人事の仕事をしている。ルメール、ウェールズ ボナー、ガブリエラ コール ガーメンツなど、モードな休日服しか見たことがなかったので、平日夜の取材で待ち合わせ場所に現れたときには、本人と気づくまでに時間がかかった。モードとは対極のトラッドなスーツ姿だったからだ。ブルックス ブラザーズ、ポロ ラルフ ローレン、ポール・スチュアートなど、平日と休日で別人のようなブランドが次々と口から出てくる。「仕事では周りに馴染む服装を意識していて、結局アメトラがいちばん落ち着きます。クレリックカラーとかラウンドカラーとかシャツの襟型で遊ぶくらい。逆に休日は人とかぶらないことが第一。メンズノンノを読んで育ったので、いまだに人と違う=かっこいい、というおしゃれの基準があるんですよ」。現在、社員寮に住み、生活費があまりかからないため服代が50万円以上(!)になる月も珍しくない。昔はヴィンテージを掘ることに夢中だったが、今はタイムパフォーマンス重視で新品を買うことが多いそう。もう一つの課金先はナチュラルワイン。仕事終わりにおいしいビストロやバーに出かけるのが趣味で、一人でも日々新しいお店を開拓している。
Hone
東京都渋谷区円山町17-2
TEL:03-6416-1733
唯一のアクセサリーはメガネ



いつもメガネをかけているものの、聞けば視力は1.0あり、道具としては不要。山崎さんにとってのメガネとはアクセサリーそのものなのだ。ゆえに、同じメガネを毎日かけるなんてことはない。アイヴァン、アイヴァン7285、オリバーピープルズ、オリバーゴールドスミス、カトラーアンドグロス、ジュリアスタートオプティカルなど実際、10本以上所有し、そのどれもが安物ではなく、こだわりのメガネブランドばかり。ウェリントン、オーバル、ダブルブリッジ、メタルとバリエーションも多種多様。最近買ったザ・ロウのコートに違うメガネを合わせてもらったが、確かに唯一のアクセサリーとして印象変化に十分な効果だ。「でも昨年末、UOMOの『時計とジュエリー 発掘名品』特集で見つけたティファニーのゴールドリングを衝動買いして、ジュエリーに目覚めました」。
時には兄弟でオソロ

大学入学を機に福井から上京した山崎さんには2歳下の弟がいる。両親が服好きで、兄弟ともに小学生の頃からおしゃれをすることはいいことである、という考え方が自然と身についた。地元の商社に勤める弟の貴大さんはたびたび東京に遊びに来ては兄と買い物を楽しんでいる。「裕太に連絡をとるときは、きまって服の相談ばかりです。『ブラックデニムが欲しいんだけど、何かいいのある?』みたいな。兄の着こなしは参考にしています」。この日はスティーブン アラン×アヴィレックスのMA-1をなんと色違いで。兄はタイドアップにスラックス、弟はデニムでカジュアルに。テイストは違えど、どちらも足元がローファーと、絶妙なリンクは恋人以上。ちなみに兄は絶賛婚活中。彼女と同棲中の弟に相談していた。