2023.05.21
最終更新日:2024.03.08

【大人のハードコアな湯巡り旅】尾花大輔が訪ねる九州の名湯11選(後編)

かつてUOMO本誌連載「The Nyu yoku Times」で、全国の名湯・秘湯を巡ったN.ハリウッドデザイナーの尾花大輔さん。ホンモノを求めて気になる温泉を巡る、楽しくも過酷(?)な旅が6年ぶりに帰ってきた! 年齢を重ね、ライフスタイルも変わったという尾花さん、久しぶりの温泉旅はどうでした?

九州温泉 後編の地図 


鹿児島県霧島市

7.忘れの里 雅叙苑

 

ホスピタリティも泉質もすべてが圧倒的。 すっかりぶっ飛びました

忘れの里 雅叙苑 温泉
貸切風呂「ラムネ湯」。貴重な足元湧出泉が味わえる。

日本の原風景を残す美しき温泉宿。市中の喧噪から離れた天降川沿いに、茅葺き屋根の古民家を移築。敷地内には囲炉裏小屋や水屋があり、放し飼いの鶏もいるなど、集落のような懐かしい光景が広がる。今や多くの高級旅館で見られる露天風呂付き客室を生み出した宿でもあり、ホスピタリティと温泉の質は圧倒的。
「まず驚いたのが、客室のお風呂。お風呂リビングという考えのもと、広いスペースを確保し、床暖房とデイベッドを備え、まるでリビングルームのような空間になっている。ほかにも、大浴場では巨大な一枚岩をくりぬいた岩風呂が楽しめ、ラムネ湯と呼ばれる貸切風呂は足元湧出泉になっていて、38度前後のぬるめの湯を堪能できる。自ら運営する菜園や養鶏場から食材を調達して作る郷土料理にも大満足。すべてが上質で、素晴らしすぎてぶっ飛びました。温泉宿では初めての経験です」

忘れの里 雅叙苑 風景
日本原風景の中に滞在する。

忘れの里 雅叙苑 内風呂
客室のお風呂リビングは、風呂場ともリビングルームともいえる、新たな憩いの空間。

開業:1970年 住所:鹿児島県霧島市牧園町宿窪田4230 TEL:995-77-2114 宿泊:¥88,300~ 14時IN/12時OUT 日帰り:¥6,600~(12時~15時 ※ランチ付き ※前日までに予約) 泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉


大分県九重町

8.新清館

【 新清館 】 大分県九重町 外観

【 新清館 】 大分県九重町 温泉
人気の観光地「九重“夢”大吊橋」から程近い筌うけの口温泉にある老舗の温泉宿。名物の「こぶしの湯」は、自然林に囲まれた中で湯浴みが楽しめるとあって露天好きの間で高い支持を集めている。湯量豊富な自家源泉からかけ流された湯は、時間がたつにつれて黄土色に変化していくのが特徴。 「何より露天までのアプローチがいい。個性的な色のお湯は、金気がして、源泉が投入される湯口のあたりでは少し炭酸味も感じられた。泉温はちょうどよく、四季折々の自然を感じながらのんびり入浴するには最高の湯場だと思う」

開業:1902年 住所:大分県玖珠郡九重町大字田野1427-1 TEL:0973-79-2131 宿泊:¥9,900~ 15時IN/10時OUT 日帰り:¥500(8時~22時) 泉質:ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉・硫酸塩泉


鹿児島県霧島市

9.目の湯

【 目の湯 】 鹿児島県霧島市 温泉

【 目の湯 】 鹿児島県霧島市 途中の山道
霧島最古の温泉といわれる野湯。県道沿いの駐車スペースにクルマを停め、丸尾自然探勝路の入り口から歩いて数十メートルほどでたどり着く。 「大人二人が入れるくらいの大きさの岩風呂。泉質は不明だが、おそらく硫黄成分を含んでいると思われる湯が底から自噴している。時期によって泉温は変わるらしく、自分が入ったときはほぼ適温。最初は恐る恐るだったけれど、入ってみると不快な感じは全然なく、ビックリするくらい気持ちいい。たった1分のトレイルでこんなにスゴいレベルの野湯を味わえるとは…」

開業:- 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂 TEl:- 宿泊:- 日帰り:¥無料 泉質:不明


鹿児島県霧島市

10.霧島新燃荘

【 霧島新燃荘 】 鹿児島県霧島市 外観

【 霧島新燃荘 】 鹿児島県霧島市 温泉
赤松林に囲まれた自然豊かな一軒宿。このエリア随一ともいわれる濃厚な乳白濁色の硫黄泉と開放的な混浴露天風呂が人気。 「周囲に立ち込める強烈な硫黄臭。これだけでも温泉成分の濃さが伝わってくる。青みがかった乳白色の湯は、見た目に反して酸性度は高くなく、すっきりとした肌触り。ただし、湯あたりと硫化水素ガスによる事故を防ぐため、1回の入浴は30分以内というルールになっているので、ご注意を。開放感を求めるならもちろん露天風呂だが、個人的にはちょっと熱めで、より硫黄が感じられる内湯が好み」

開業:1972年 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3968 TEL:0995-78-2255 宿泊:¥14,450~ 15時IN/10時OUT 日帰り:¥600(8時~18時30分 ※最終受け付け18時 定休日:火曜) 泉質:単純硫黄泉


鹿児島県鹿児島市

11.ホテル ニューニシノ

【 ホテル ニューニシノ 】 鹿児島県鹿児島市 サウナ

【 ホテル ニューニシノ 】 鹿児島県鹿児島市 温泉
鹿児島を代表する繁華街、天文館にある天然温泉とサウナが自慢のホテル。 「当初は予定になかったけれど、空港に向かう前に最後にひとっ風呂浴びようと思って入ったところ、シャワーの湯からしてすでにしっかりスープ味が感じられる温泉で、これはいいお湯だってことで急遽その場で取材を申し込みました。時間もなく慌てていたため、いつものタオルを忘れてしまったのはご愛嬌(笑)。天然温泉とサウナの両方が楽しめるここは、ハードな湯巡りを終えた自分にとって最後にたどり着いた都会のオアシス。最高の締めになりました」

開業:1914年 住所:鹿児島県鹿児島市千日町13-24 TEL:099-224-3232 宿泊:¥6,200~(素泊まり) 15時IN/11時OUT 日帰り:¥1,900 泉質:ナトリウム-塩化物温泉



※宿泊料金は、平日に大人2人で1室利用した場合の、1人分の1泊2食の最低料金。


Daisuke Obana
1974年神奈川県生まれ。2001年に「N.ハリウッド」をスタート。現在はさまざまなブランドとのコラボレーションや企画にもかかわる。5年ほど前から本格的にボディメイクを始め、毎朝ジムで汗を流し、トレーニング後は風呂とサウナに入るのが日課となっている。



Photos:Go Tanabe 
Text:Masayuki Sawada

RECOMMENDED