2024.07.10
最終更新日:2024.07.16

【大人の暑さ対策】着るクーラー、SONY「レオン ポケット5」は買うべきか?

ソニー レオン ポケット5
「冷やす」「温める」両方に対応するソニー「レオン ポケット5」

気温30度を超える猛暑日が続く中、暑さ対策といいながらも、いかにも冷感仕様のファッションアイテムは選びにくい…。そんなおしゃれな大人が気になるのがソニーの「着るクーラー」とも呼ばれる、冷温両対応の充電式ウェアラブルサーモデバイス「レオン ポケット」シリーズだろう。

2020年に初代が登場して以来アップデートを重ね、2024年4月に「レオン ポケット5」が発売された。前年の「レオン ポケット4」もそうだったが、話題になるとあっという間に売り切れ。編集部では入手困難になる前に「本体+ネックバンド+タグ」のセットをソニーストア直販価格と同額の19,800円で入手できた。入荷待ちが続いているが(2024年7月10日現在)、高値でも購入すべきか、入荷を待つか、それとも見送るか悩む人は多いと思う。編集部が実際に使ってみた感想を参考にしてほしい。

ぴったりフィットするように調整することがポイント

本体裏面に見えるシルバーのプレート部分が直接首筋に触れ、冷やしたり温めたりすることができる。作動時間は冷却レベル5で約4時間、レベル4で約7.5時間と前モデルの「4」に比べ約1.8倍と大幅にアップ。質量は約153gと前モデルより約10g増加したが、実際に装着したところ重く感じることはなかった。それよりも「いかにもガジェット使っています」に見えず、さりげなく使えるかどうかは気になるところ。

ソニー レオン ポケット5
ソニー レオン ポケット5
ソニー レオン ポケット5
ソニー レオン ポケット5

手で曲げることができるバンドを調節して首の後ろに引っかけるように装着するが、バンドの肌触りはソフトで違和感はない。Tシャツや襟つきシャツなど選ぶ服によって、襟の外にはみ出る「エアフローパーツ」はショート、ロングを付け替えて使用する。後ろから見るとパーツが襟もとからはみ出すため、気になる人がいるかもしれない。

ただ、暖かい空気を衣服の内側から排気するために必要なパーツなので、外して使うことは現実的ではない。また目立たせたくないことを優先し、肌にプレートがフィットしない状態で装着しても意味がない。冷温効果を感じるためには、ぴったりと肌にフィットした状態がベター。

実際に付けて歩いてみたが、「言われないと気付かない」レベル。もちろん座っているときに、後ろを通る人からは目に付きやすいだろうが、街を歩いたり電車で移動する分には、本人が思っているより目立たないようだ。それよりも、暑さ対策を優先して多少なら目をつぶってもいいと思えるほど、ひんやりして気持ちいい。

アプリでスムースに操作できる。オンオフも自動

ソニー レオン ポケット5

本体はスマートフォンにインストールした専用アプリで操作する。アプリで「AUTO START/STOP」に設定しておけば、首に装着するだけで冷却、温熱を自動で開始する。いちいち本体の電源を入れて、アプリと連携して…という手間がかからないのは嬉しい。

試しに気温30度を超える炎天下で使ってみたが、画像上左のようにアプリ画面には周囲の環境に合わせて強めに冷却する旨、通知が表示された。と同時に、首の後ろがひんやりし、素直に「気持ちいい!」と感じられる冷たさだった。「SMARTモード」(画像上右)にしておけば、周囲の環境に合わせて自動で強弱を制御するため、スマホで頻繁に操作する必要はない。

ソニー レオン ポケット5
ソニー レオン ポケット5

より効率的に自動制御を実現するパーツが「タグ」だ。タグと連携することで、直射日光などの外気状況をより早く感知することができる。クリップ式なので胸ポケットに付けられるが、さすがにポケットに付けると目立つし、何より恥ずかしい(笑)。付属のキーリングを使ってバッグ等に装着するとよさそうだ(バッグやポケットの中に入れると正確に気温、湿度を測定できないため注意)。

WAVEモードで使うのが現実的

ソニー レオン ポケット5

アプリを使っていると、画像上のように冷たさを感じにくくなる旨、通知が表示されWAVEモードを使うことを推奨される。作動しているのに感じにくくなる現象を防ぐための対策なのだが、実際にWAVEモードを使ってみた感想は「忘れたころにひんやり感」が得られると言えばいいだろうか。常に冷たいわけではないが、時々感じられる程度。そのため「暑いからエアコンや扇風機はいつも『強』で使いたい」という人と相性が悪い可能性はある。

おしゃれな大人は「買い」か?「見送り」か?

ソニー レオン ポケット5

レオン ポケット5をしばらく意識的に使ってみたが、6月下旬〜7月初旬の関東地方は気温30度を超える猛暑日が続き、かつ湿度が高いこともあって、もはや手放せなくなっていた。少しでも涼しくなるならと思って試していたが、思っている以上に首筋を冷やす効果が感じられたのだ。ただしエアコンのように全身が涼しく感じられるわけではないため、人によって評価が分かれると思われる。

改めて購入を検討するならば、ポイントは次の3点になるだろう(ここでは冷やす用途に限定)。

  1. いかにもガジェットを使っている感が出ないか
  2. 動作当初はひんやりするが、エアコンや扇風機のように連続した涼しさは感じない
  3. 約2万円という価格を高いと感じるか安いと感じるか、特徴と合わせて検討したほうがいい

1については、よく見れば装着している感はあるが思ったより他人は気にしない、ということだろうか。夏は薄着のため目立ちやすいが、暑さ対策として他の選択肢(ポータブルファンを持ち歩くなど)と、どちらを選ぶか次第。

2については、エアコンや扇風機のような冷風をイメージすると期待外れだろう。AUTOモードではしばらく使い続けると慣れてしまい、冷たいと感じにくくなる。また、レベル5の強モードで使い続けても同じように慣れてしまう。ただ、意味がないと勘違いして実際に屋外で取り外してみたが、一気に汗が吹き出てくる猛暑感に襲われてしまった。つまり「冷たい」と感じる状態が続くわけではないが、「暑さ」を和らげる効果は確かにある。

3については、品薄で高値となった状況での購入はおすすめしない。手に入りにくいからこそ欲しくなるかもしれないが、劇的な涼しさを期待するような製品ではない。どうしても使いたい場合はレンタルサービスで試してみるのもひとつの手だ。1、2のポイントも同時に確認できるだろう。

なお今回は触れなかったが、寒い季節になればWARMモードが使えるため、秋以降も活躍する場がある。しかも厚着になるため襟元からのはみ出しが目立ちにくくなり、より自由にファッションを楽しめるだろう。機会があれば、次回はWARMモードについてレポートしたい。

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