在宅勤務を続けるUOMOの編集者たち。愛用する私物を自宅から紹介!
緊急事態宣言が出されてから美術館の臨時休館が相次ぎ、楽しみにしていた展覧会が次々と延期や中止になりました。週一で美術館やギャラリーに出かけていた自分としては残念でなりません。気に入った展覧会では、会場出口で図録を手に入れますが通常の書籍に比べて分厚いので、この整理が目下の課題でもありますが。
今回紹介する二冊は今年に入って(といっても実質1月と2月だけですが)開催されたすばらしい展覧会の図録です。一つ目は1月21日から東京都美術館で始まった『ハマスホイとデンマーク絵画』(会期終了)。UOMO本誌のアートコラムでも取り上げましたが、風景画が多いヨーロッパ絵画の中で、デンマーク絵画は室内画が多く、外出自粛の現状で眺めていると風景が恋しくなったりもしますが、抑制された色彩がすごくクールです。ヴィルヘルム・ハマスホイの描く人物は後ろ姿や下を向いた姿が多いのですが、僕にはそんなにネガティブには見えないのです。そしてハマスホイの使うグレーの色合いがとても繊細で好きです。裏表紙もなんとも言えないニュアンスグレー。残念ながら会期途中で休館になってしましましたが、山口県立美術館に巡回するようです。
対照的に黄色に赤いフォントがかわいい図録は、2月26日から東京国立近代美術館で始まった『ピーター・ドイグ』展のもの。こちらも始まって数日後には休館してしまいましたが、ギリギリ内覧会で拝見できました。ハマスホイとは真逆で強い色彩を散りばめた風景画には、訳あり風な人物が小さく描かれていて、見ていると脳内でいろんな物語を創作してしまうような作品が多数。名作映画のポスターを創作したコーナーもおもしろかったです。図録内には小説家・小野正嗣さんが特別寄稿していますのでお見逃しなく。こちらの公式会期は6月14日までなので、一日でも早く見られるようになるといいですね。
今年はバンクシーはじめ、まだまだ期待大な展覧会がたくさん。アート鑑賞をあきらめません。美術館が再開されるまで積まれた図録を整理しながら待つことにします。
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