在宅勤務を続けるUOMOの編集者たち。愛用する私物を自宅から紹介!
「ブックカバーチャレンジ」がSNS上で流行っていますね。好きな本を1日1冊アップして7日間投稿、その都度1人の友達に紹介し、このチャレンジへ参加してもらうというもの。「バトン疲れ」なんて言葉も聞きますが、個人的には他人の読んだ本を知るのはとても楽しい。その人の頭の中を覗き込んでいるような気がして意外な発見があったり、編集者としても非常に勉強にもなります。
誰にもバトンは託しませんが、GW中に自分が読んだ中からオススメの一冊を勝手に紹介。ノンフィクションライターの柳澤健氏による新刊『2000年の桜庭和志』(文藝春秋)です。柳澤さんといえば『1976年のアントニオ猪木』『1964年のジャイアント馬場』『1984年のUWF』など手がけたスポーツノンフィクションの名著は多数ありますが… 自分が青春時代を過ごした90年代後半~2000年代にかけ、総合格闘技ブームを牽引した桜庭和志に関する書籍は、まさに待ちに待った一冊。最初は雑誌『Number』の連載で読んでいたのですが、これは一冊まとまってからしっかり読もうと心に決めたファン垂涎の一冊なのです。
UWFインターナショナルの終焉、UFCの台頭、グレイシーの登場、PRIDEの開幕、そして桜庭の活躍…と、まだMMAではなく「異種格闘技戦」という言葉が生き残っていた時代の空前の盛り上がりが、ページをめくるたびにまるで昨日のことのように蘇ってきます。それまでプロレスファンだった自分も、当時のK-1、PRIDEブームにまんまとハマってしまい、さいたまスーパーアリーナにもよく足を運んだものです。
その裏で、おそらく大打撃を受けていたのがプロレス界。そして、大みそかはどこも格闘技をTV中継するような時代、人気に陰りが見えたプロレス界を必死で支え続けたのが、UOMOにもたびたび登場してくれる棚橋弘至選手ではないでしょうか。同じ柳澤氏の著書『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』にも描かれていますが、まさにその時の棚橋選手や各プロレス団体はカウント2.9の窮地まで追い詰められていたわけです。二冊目は、そんな棚橋選手が昨年出版した『カウント2.9から立ち上がれ 逆境からの「復活力」』(マガジンハウス、写真2枚め)。 棚橋選手は総合格闘技ブームの最盛期にあたる1999年に新日本プロレスに入門し、同年デビュー。低迷するプロレスを再び盛り上げるため若手の頃から崖っぷちでもがき苦しみ、努力した苦労人でもあります。この書籍はそんなプロレスラー棚橋弘至の言葉を、「思考」、「体調管理」、「仕事」など章に分けて詰め込んだ一冊。逆境を乗り越えてきたからこその、説得力のある言葉が胸にずっしりと響きます。ちなみに、UOMOのインスタを見ている方はご存じだと思いますが、毎朝アップしている「棚橋弘至の日めくりマッスルワード ~本日の筋言~」も大好評。胸板だけでなく、その人生の厚みを知れば知るほど、言葉の一つ一つに重みを感じるってものです。
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