
充実した毎日を過ごすために「欠かせないモノ」って? 40代7人のライフスタイルの習慣と必需品から、人生を謳歌するためのモノ選びを知ろう。
19歳で渡米し、サンフランシスコでヴィンテージの魅力に出会う。帰国後、2015年AWシーズンより「SEVEN BY SEVEN」 をスタート。今の自分につながるアメリカンカルチャーを感じられるアイテムを日用品としてセレクトするように。最近は、健康や体力づくりも生活の重要テーマになっている。
01:エクアドル産のパロサントに癒やされる

「空間の浄化やリラックス効果も得られる香木。お客様に香りとともに思い出に残してほしいから、ショップでも焚いているし、ショーでも使用した、ブランドの象徴」
02:サンフランシスコで手に入れたアート


「サンフランシスコのアーティストの絵で、現地のフリマで発見。写真と見間違える独特な色彩と質感にビビッときて購入しました。今は額装してショップに飾っています」
03:植物は家も店も「chibi」にお任せ

「フラワーショップchibiにお店の植栽や自宅の観葉植物をお願いしています。オーナーの芳賀(規良)さんの知識とセンスから選ばれる草花によって、空間が上質、かつ華やかになる」
04:「ヒースセラミックス」のマグ

「アメリカに住んでいた20年前にフリマで買い、今でも愛用。これでコーヒーを飲むと気分が落ち着く。自分で見つけたものを大事に使うことが贅沢だと感じる一品」
05:スナック「ララバイ」が大事な社交場

「ブランドのルックなどのスタイリングをずっとお願いしているスタイリストの大村鉄也さんの兄・拓也さんのお店。素敵なキャラクターとセンスのいい内装で、人を連れていきたくなるとっておきの場所」
YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の企画・クリエイティブディレクションをはじめ、Netflix JapanのコンテンツやNHKの音楽番組「おかえり音楽室」を手がける。40代になり、ものを選ぶ際は、「自分は何が好きか」より「なぜ好きか」を意識しながら、作り手と使い手それぞれの背景やプロセスを想像することを大切にしている。
06:ギャラリー「写場」のブックデザインをする

「知人や縁のあるクリエイターを招いて展示を行い、その際に必ず写真集を制作しています。日本の高い印刷・製本技術による紙媒体は、その作品が本当に好きな人の手に届くロマンがあるし、むしろデータより残るメディアだと思っていて。毎回、デザインと向き合う刺激をくれる」
07:見ていて飽きない「Brian Willsher」の彫刻

「チーク材を使った抽象的なパズル彫刻は’70〜’80年代のもの。それぞれのパーツは存在感をもちながら、自由にずらしながら余白をつくることで調和のとれた曲線美を楽しみます」
08:活版名刺を新調する

「名刺をデザインすることが自分を飾ることになるのを避けたくて、“デザインしないというデザイン”をしたいなと。小津安二郎の繊細で簡素な名刺をオマージュ」
09:「薫玉堂」のお香で頭を空にする

「愛用しているのは老山白檀と殿上伽羅。仕事をしていて、情報やタスクでパンクしそうになったときに焚くと、その場が神聖な空間に変わって、同時に頭の中もクリアになるんです」
10:不規則なヒビが美しい化粧壺

「ロエベ財団クラフトプライズ2024ファイナリストに選ばれた中根楽さんの罅化粧の作品にひと目惚れ。石のような自然な表情は、プリミティブでミニマルな美しさを感じる」
11:キャンドルスティックで陳列を楽しむ

「テッド・ミューリングの代表的な作品。造形は繊細で緊張感があるけど大胆さも感じる。これを起点に、周りに何をどう並べるかを考えています。陳列こそクリエイティブであることを認識できるんです」
人気アーティストを多数抱える音楽レーベルの代表。2023年には、レコードをメインに、オリジナルのアパレルやデッドストックのぬいぐるみなどを扱うテスト&タイニーをひっそりオープン。20代の頃から好きなものは変わらず、むしろ愛着が増している。いい意味で保守的になっていると自己分析。
12:ついつい買ってしまう古いぬいぐるみ

「昔からアメリカの映画やテレビに出てくるかわいげのあるキャラのぬいぐるみが好きで集めています。家には妻との好みが合ったものを置いて、残りはお店と事務所に」
13:「Technics mk7」のターンテーブル

「やっぱりテクニクスのターンテーブルは、モーターがしっかりしているので安定感があっていいですね。レコードは壁一面を収納棚にしていて5000枚くらいあります。仕事のわりには少ないほうです」
14:あえてライトユーズしている2種類のヘッドホン

「仕事で音を確認するときは、スタジオで聴くことがほとんどなので、ヘッドホンはわざと一般的に普及しているくらいのものを選んでいます。普段使いにはこれがあれば十分」
15:あまりによすぎて妻が愛用中。「magniflex」の枕

「東急ハンズへ買い物に出かけたとき、たまたま出会い、その心地よさに予約注文。今は妻が気に入っているので(笑)、自分用に買い直さなきゃと思っているところです」
2008年から天童木工でデザイナーとして活動した後、’14年に山形のプロダクトレーベル、「山の形」を設立。’20年にZeltを設立し、インテリアや家具デザインを行う傍ら、書店「Zelt Bookstore」を営む。素材のよさを生かしたプロダクトに惹かれることが多く、年を経るごとに気に入ったものをひたすらに収集する傾向が。
16:入浴剤にもなる「eatreat.」の入浴茶

「アーユルヴェーダのスパイス料理屋さんが出している入浴茶。わが家では最初にお茶として飲んで二番煎じをお風呂に入れています。昔の知恵を学びながら楽しく入浴できるのが魅力」
17:「FAIRWEATHER」の自転車

「山形から東京に来たときに購入し、パーツを替えながら乗り続けています。自転車は普段使いの道具なので、ちょっとの段差くらいなら無視して乗れるようにタイヤは少し太め」
18:屋上で農業してます

「夏野菜をメインに育てているので、寒い時期はお休み中。一度収穫したら終わりではなく、トマト、スナップエンドウ、春菊のような何度もとれる野菜を育てています」
19:「味の手帖」の日めくりカレンダー

「こんなに楽しい日めくりカレンダーは初めて! 季節に合った食のコラムをさまざまな著者がリレー形式で書いています。文章量もちょうどよく、わが家ではトイレに設置して毎日の楽しみに」
20:職業病でコレクションしてしまう、チェアとスツール

「この世のすべての椅子に座ってみたいという欲があるので(笑)、どんどん増えていくのが悩み。食卓ではアントチェア(左)。自分の好きなファブリックを張ってもらった、世界に一つだけの椅子なんです!」
21:大学時代から使い続けているフライパン

「これまでいろいろなフライパンを使ったけれど、結局これがいちばん使いやすくて戻ってしまう。取っ手が短くてオーブンにそのまま入れられるのもいいんですよね。レザーのカバーは自作です」
22:生活が何倍も楽しくなる「リンナイ」のガスオーブン


「大きくてたくさん入るオーブンで料理をするのは気持ちがいいですよね。余計な機能がついていないのもすがすがしい。パンやピザは、生地の発酵から焼き上げまで可能」
教職に就いた後、淡水魚のグッピー研究のために大学院で学んだのを経てパンの道へ。生産者の顔が見える素材選び、薪窯での焼成など大地の恵みを生かすパン作りを行う。朝4時30分から重労働を行うため、作業中はストレスフリーなアイテムを選び抜き、プライベートでは古着を愛用。五感を刺激し、自分を幸せにするアイテムに囲まれて暮らす。選ぶアイテムはもちろん、生き方そのものが有機的。
23:ベランダに生態系をつくる


「川の生物も植物も、そしてパンも“土壌づくり”が大切だし、その根本の生態系を知るのが好き。ベランダには祖母の山の土壌の一部を運び、アケビや木苺の生育を発見。そこに都心の雑草を植えるとまた新しい培地が出来上がる。その観察が楽しいし、癒やしです」
24:「ルヴァン」のフリーボックスは宝の山

「家具も“朽ちたもの”が好きで、イームズのチェア以外は古道具店などで見つけたものがほとんど。木製のたんすは、修業していたパン屋・ルヴァンに設置された、使わないけれど捨てるにはもったいないものを入れる箱から発見しました」
25:「吉村其飯」の器を塩壺に

「ハンドメイドの作品に惹かれます。神聖な雰囲気漂う古村さんの器は、パンを作るときにも使う焼き塩入れに。ほかには真喜屋修さんや成井窯など伝統的な薪窯で焼成する作品も」
26:淡水魚を育てる

「トレーナーにも描いてもらうほどの淡水魚マニアで、自宅の水槽では10匹のウナギとタモロコを飼育しています。ウナギは約50㎝サイズまで成長、癒やしの一つです」
出版社勤務後、表参道でブックカフェを営む。店舗形態はアパレル店のインショップ。加えて40代後半になり、かつて購入したストーリーのある上質な服を「たくさん着てあげたい」気持ちから、プライベートはもちろん、自宅や仕事中もさらにおしゃれを楽しむように。衣類、靴類、ファッション雑貨、香水は店舗のバックヤードにストック。出勤後にその日の天気や客層に合わせ、ウィットに富んだ装いを心がけている。
27:愛猫のチョビ

「人懐っこくて神々しくもあるおじいちゃん猫。最近は『トイレしたんだね』『うん』、『ご飯?』『もちろん!』みたいな会話ができるように(笑)。守ってあげたい存在です」
28:とにかく人が集まる家

「最近、パートナーと暮らす自宅をリノベーション。夕食は毎晩のように誰かしら訪れ、全員で食卓を囲んで食べて、話し、飲む。その人の生き方や哲学を聞くのも面白いですね」
29:小回りのきく車をついに購入

「自宅前の道が狭いので、小回りのきく車を探していて。軽トラか…と思っていたときにネットで見つけたのがメルセデス・ベンツ Bクラス。乗り心地はさすがで遠出するのが楽しいです」
30:レコードをコレクション

「音楽はApple Musicかレコードで。セレクトして針を落とす一連の動作含めて好きです。プレイヤーはTechnics SL-1500C、スピーカーはJBL 4311B、アンプ兼CDプレイヤーはTechnics SA-C600」
31:自転車通勤が楽しくて

「故障時にすぐ駆け込めるよう自転車は通勤圏内で購入します。ビアンキの後に手に入れたTREKは、クラシックな装いが気に入りました」
脚本家・プランナーとして映像系の会社に勤務。地方への出張も多いため、必需品の中にはその土地で手に入れたものも多数。年を重ねると徐々に興味の範囲や行動が固定されていきがちだと気づき、最近はこれまで経験していないことに意識的に挑戦中。新しい価値観に接することこそが40代を謳歌する秘訣だそう。
32:出張先で古書店を巡る

「出張先の古書店で書籍を購入するのが習慣。その場所の思い出の記録にもなるような気がします。尾道の紙片、出雲の句読点、八戸のAND BOOKSなどは本はもちろん、お店の雰囲気も楽しめる」
33:アート収集の第一歩を踏む

「仕事柄、頭の中に常に言葉が浮かんでいるタイプ。無意識に何でも言語化してしまう癖を少々しんどく感じていたときに、ポップアップで出会った作品を自宅に飾ってみました。抽象的なアウトプットがなされたアートを見ていると、自分にはない発想や思考の存在に気づかされるよう。これは作者の名前もわからないまま衝動買いしてしまいましたが、新しいアイデアをくれるようなものをこれから集めていきたい」
34:猫の骨壺を「宮創製陶所」でオーダー

「小松市の製陶所と仕事をした際にこの『拝み猫』のデザインを知って、特別に骨壺にしてもらいました。絵付けのない九谷焼の素の生地は、マットな質感や色出しも素晴らしい」