自宅を愛してやまない男たちの自宅をを訪問。大人が求めるべき家づくりのヒントがここにある。陶芸家、吉田直嗣さんが2年前に建て替えをした一軒家は、周辺の森が見えるようにすることにこだわって建てられた。
吉田直嗣さん NAOTSUGU YOSHIDA
43歳/陶芸家
静岡県小山町 97.3㎡ 夫婦+子ども2人
1976年静岡県生まれ。東京造形大学卒業後、陶芸家の黒田泰蔵氏に師事。2003年に独立し、静岡県の富士山麓に窯を築く。以降、白と黒のうつわを中心に作陶を行っている。
とにかく森が見えるようにしたかった
富士山を間近に望む高台の一画。背後に広大な森が広がるこの地に吉田さんの住居兼アトリエはある。2年ほど前に建て替えをし、その際にこだわったのは森をメインにすることだった。
「建て替えのタイミングでほかの土地もいくつか見ましたが、やはりこの森のある環境がいちばんでした。この辺りだと、富士山ビューにするのが一般的ですけど、僕はとにかく家の中から森が見えるようにしたかったので、それに合わせて家の角度を決め、森に面したリビングダイニングは全面ガラスにしました」
日中は家の奥まで日が差し込み、反対に夜は真っ暗になって、シカやタヌキが来ることもあるとか。
「森を通じて季節の変化を感じられるところが気に入っています。冬になると一面の銀世界が広がって、それもまた素晴らしいんですよ」
Photos:Shota Matsumoto
Composition&Text:Masayuki Sawada
Composition&Text:Masayuki Sawada