釣りにハマると、自分に合った好みのスタイルができてくる。川か海か、近郊か遠方か…。心底釣りに魅せられてしまった男たちがごく私的な視点で楽しさを語る。
マイ包丁をゲットしてから魚をさばいて食べるのが日常に
海瀬 亮さん
(45歳/urself/NICATA ディレクター)
釣り歴
海釣り約15年
スポット
茅ヶ崎、大磯
朝、コンビニに出かける感覚で海へ行き、旬の魚を釣って食べる。自分たちが食べるぶんだけキープして持ち帰るのが基本。
獲った魚を食卓に並べるまでが俺の釣り!
父と兄弟の影響で、幼稚園児の頃からサビキ釣りや投げ釣りに親しんでいた海瀬さん。多少のブランクを経て、釣りを再開したのは結婚した30歳の頃。義父も釣りが趣味だったことで意気投合し、包丁セットをプレゼントされたことをきっかけに、本格的に釣った魚をさばくようになった。
「マイ包丁を持つとがぜんやる気が出て、自分が釣った魚を自分でさばくようになりました。旬の魚がわかるようになって、それを自分で狙えるのが醍醐味。冬ならブリ系の魚に脂がのっているし、今の時期はサヨリがおいしい。旬の魚を料理したSNSの投稿などを見て、『こんな食べ方もあるのか』と参考にしています。魚は頭や骨もアラとしてだしに使えるので、本当に捨てるところがないんですよ」
魚好きが高じて、海瀬さんは無添加無塩だしブランド“NICATA”のディレクターも務めている。
「元禄の時代に沼津で創業した老舗・秋又水産の跡取り息子が幼馴染みという縁もあり、鰹節の卸しブランドをスタートさせました。真水で煮上げることで無塩の鰹節を実現。自分がアウトドア好きなので、キャンプでも使えるよう手軽なだしパックにしました。このパックで自家製のだし醬油をつくり、それを釣った魚の料理に使うのは最高の贅沢ですね」
茅ヶ崎の住人が、朝、サーフィンへ行くように、海瀬さんは近くの海へ釣りに出かける。それがルーティンになっているとはなんともうらやましい!
真鯛が丸ごと入った、キャンプでも喜ばれるアクアパッツァ
キャンプでもよく作るアクアパッツァ。「小ぶりの真鯛だったので、一匹丸ごと入れました。だしがしっかり出ておいしかったです」。
ワラサは切り身になるまでさばき、新鮮な刺身で堪能する
「刺身はあまり得意じゃないのですが、ワラサは脂がのっているので結構イケました」。
カサゴが入ったスンドゥブチゲは、ホロホロの身が美味!
スンドゥブチゲはアサリでだしをとるのがポイントだが、カサゴを入れることで魚の旨味もプラス。煮込むことで身もホロホロになる。
ヒラメは切り身を特製ラー油に漬け込みどんぶりに
ヒラメは淡泊さがウリだが、あえてキムチ専門店特製のラー油に漬け込んでユッケ丼に。「刺身としゃぶしゃぶ、雑炊にもしました」。
太刀魚は大根と一緒に煮込んで豚汁風の味噌汁で食べる
隣人にもらった大根と一緒に、太刀魚をぶつ切りにして、豚汁風の味噌汁を作る。「魚のだしがしっかりきいて身体にしみます」。
Text: Yasuyuki Ushijima