ある箱は物を整理するため、またある箱は部屋を飾るため。その用途や存在理由はいろいろ。素材や大きさは違っても、いつだって心をときめかせてくれる。そして気づけば、また新しい箱が増えている。人はなぜこんなにも箱に惹きつけられてしまうのか? その魅力に迫ります。
箱に魅せられた男たち③
佐藤喜一さん / スタイリスト
メンズ誌を中心に活躍。レザークラフトブランド「kadomaru」を手がける。
同じデザインのものを大量に揃えたくなる
アトリエは箱だらけです。仕事関連の物は基本的に箱に収納。僕はスタイリストの仕事のほかに革小物のブランドもやっていて、ここで初心者向けのワークショップも行っています。革のハギレや制作のための道具はごちゃつきがちなんですが、同じ箱に収納することで部屋がスッキリ見えることに気づいて。人にはよく几帳面だと思われますが、正直、大ざっぱな性格だからこそ、ばっと詰めて隠せばそれなりに見える箱に魅せられるようになりました(笑)。
箱選びでこだわるのは、収納力や耐久性などの機能と、手持ちの箱と並べたときに統一感があるかどうか。似たテイストの箱をズラッと並べたいので、シンプルで長く使えて、今後も揃えたくなるかを基準に選ぶことが多い。収納が足りなくなったら都度買い足しをしているので、気がついたら同じ種類の箱がどんどん部屋に増えています。
DIYも好きなので、既存の箱に手を加えることでインテリアの統一感を出すことも。木箱に色を塗って部屋のテイストに合わせたり、箱がぴったりと収まる棚を作ったり。自分の中でルールを決めて箱を揃えることで、雑然としがちな部屋全体にまとまりをもたせています。いろいろと箱中心に考えがちですね。
Photos:Yuya Wada
Text:Emiko Hishiyama
Text:Emiko Hishiyama