2021.10.04
最終更新日:2024.03.07

名店「ブルーラグ」に聞く、コロナ以降の自転車ブーム、ホントのところ

電車など公共交通機関からの乗り換えだったり、遠出が難しい中での気軽なアシ代わりだったり、コロナ下で自転車需要がグングン伸びているという。実際どうなのか? 大きく変化したことはあるのか? 都内有数の自転車専門店、ブルーラグに話を聞いてみた。

名店「ブルーラグ」に聞く、コロナ以降の自の画像_1
ブルーラグ幡ヶ谷衣目川健吾さんプロフィール画像
ブルーラグ幡ヶ谷衣目川健吾さん

名店「ブルーラグ」に聞く、コロナ以降の自の画像_2
「扱っているフレームのブランドは10社くらい。お客さんが求めている見た目や乗り方にフィットするものを提案します」とブルーラグ幡ヶ谷の衣目川さん。アメリカの人気ブランド「SURLY(サーリー)」をはじめ、いくつものフレームが天井に所狭しと展示されている。
名店「ブルーラグ」に聞く、コロナ以降の自の画像_3
街乗りや遠出など、用途別にショップで組み立てたサンプルが入り口付近に並ぶ。「パーツの種類も細分化されていて、合わせ方も自由なので、実際に見てもらいながら説明します。例えば、ロードバイクのハンドルにあえてオフロード向けの太いタイヤを合わせるなどのカスタム(写真中央)も可能です」。

街乗りはもちろんキャンプなど遠出もできる、 一台二役を求める人が急増

「自転車業界って春から夏にかけてが繁忙期なんですが、去年の夏くらいから、新しく自転車が欲しいとの問い合わせをいただく数がぐっと増えました。カスタムオーダーをいただいて組み立てが完成するまで通常1〜2カ月ほどですが、現在は世界的に自転車の需要が高まっていて、パーツによっては入荷までにお待たせすることも」

 初心者から上級者まで、自転車乗りがこぞって集まる名店、ブルーラグ。ピストバイクが街乗りとして注目を集め始めた、およそ10年前にオープン。自転車を完成品で買うことがまだ当たり前だった時代に、ピストバイクのカルチャーを引き継いで、さまざまな自転車を購入者と相談しながらパーツごとに選んで組み立てる販売形態を採用した。それ以来、ブルーラグは、その時々のトレンドとユーザーの気分を敏感に感じとった店づくりを続け、「ここに相談すれば間違いない」と自転車好きから絶大なる信頼を得ている。

「最近は、都内の方以外にも遠方からいらっしゃるお客さんが増えました。中でも『自転車でちょっと遠くにも行ってみたい』というリクエストが多いです。ツーリングに出かけたり、キャンプに行ったり、自転車でアウトドアアクティビティを楽しみたいと思っているお客さんが増えたように思います。マウンテンバイクだと長距離を乗るのが大変な一方、ロードバイクだと速く走れるけど荷物を積むのが苦手だったりと、それぞれに特性があるんですが、現在は両方の長所を備えた自転車が大人気。各メーカーが『アドベンチャーバイク』や『グラベルロード』という名前で打ち出していますね」

 店頭では完成品も扱っているが、客のうち8〜9割がカスタムオーダーを希望。その半数以上は、パーツの名前も知らないようなビギナーだという。

「漠然とこんな見た目がいい、こんな乗り方をしたいというイメージをもって来店される方がほとんど。まずは、太めのタイヤが好きとか、フレームが細くてクラシックなデザインが気になるとか、要望をお聞きして、それからどのように乗りたいかを話していきます。ブルーラグは、乗っていて気持ちが盛り上がることがいちばん大事だと思っているので、スタッフが、ライフスタイルを含めてお客さんの要望に合うパーツを説明しながら、一緒に考えて選んでいくんです」


コの字形に広がる店内。入り口が二つあり、向かって右側が自転車の組み立てや整備を行うメカニックスペース、左側がパーツやグッズを扱うショップスペースに。

オリジナルのグッズも人気。サドルにつるす三角形のリフレクターはポップなカラバリが揃う。

衣目川さん注目のアメリカ発ブランド「クラストバイク」のフレーム。「モデルごとにロゴやペイントのデザインを変えていて、見ていて楽しい」。

自転車につけるパニアバッグもオリジナル。「縫製が得意なスタッフがいて、自転車乗りに適したバッグを作っています」。

店内の壁にも多様なフレームをディスプレー。「スニーカーにトレッキング用、ランニング用と個性があるように、自転車はフレームで方向性が決まるんです」。


ブルーラグ幡ヶ谷
東京都渋谷区幡ヶ谷2-32-3 
TEL:03-6662-5042 
営業時間:12時〜19時 
定休日:火・水曜
https://bluelug.com/


Photos:Ryuta Seki 
Interview&Text:Hisamoto Chikaraishi

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