キャンプといえば、家族やグループでワイワイ楽しむイメージだけど、一人で楽しむソロキャンプが最近は人気を集めている。自然の中で過ごす、誰にも邪魔されないたった一人の至福の時間。その魅力と楽しみ方とは?
ソロキャンプは究極の引きこもり。
気を遣わなくていいし、好きなことをやっていい
キャンプ好きを公言する芸人は多いが、その中でもガチ中のガチとして知られるのが「うしろシティ」の阿諏訪さんだ。阿諏訪さんがキャンプに目覚めたのは22歳のとき。芸人仲間と公園でBBQをしたのがきっかけだった。
「火を囲みながら、外でお酒を飲んで、ご飯を食べることが震えるぐらい楽しかったんです。そのときは夏だったんですけど、夏が終わるとみんなはキャンプに行かなくなって、でも僕は秋になっても行きたいし、冬になっても行きたい。気づくと一人で行くようになって、場所も設備の整ったキャンプ場ではなく、できるだけ人がいなくて、自然のままの野ざらし状態のところを探すようになりました(笑)」
阿諏訪さんの現在のキャンプスタイルは、ブッシュクラフトと呼ばれる。必要最小限の道具だけ持参して、あとは自然のものを利用して過ごす上級キャンパー向けのスタイルだ。
「基本、荷物はバックパック一つです。テントは持たず、タープを張ってハンモックで寝ます。その辺にある枝や石を使って、いかに寛げる空間をつくるかがブッシュクラフトの目指すところなので、今回もタープを張るときに使うペグやランタンスタンドは落ちている木の枝を削って自作しました。中にはお皿やカトラリーまで作っちゃう人もいて、僕もやったことがありますけど、そこは自分が考える快適さとのバランスだと思っています」
いちばん好きな時間は、ご飯を食べ終わって、お酒を飲みながら、焚き火の火をいじっているときだという。
「ソロキャンプって究極の引きこもりだと思うんです。家に一人でいても、隣の部屋の生活音だったり、クルマの走る音だったり、何かしら人の気配を感じるじゃないですか。やっぱり対人関係って少なからずストレスになっていると思うんですよ。でも、一人で山奥に行けば、そういうものがほとんどない。気を遣わなくていいし、好きなことをやっていい。心身ともに緩められるんです。そこがソロキャンプの最大の魅力だと思います」
阿諏訪泰義さん/芸人
1983年生まれ。2009年にお笑いコンビ「うしろシティ」を結成。YouTubeチャンネル「野あすわ」でキャンプや釣り、レザークラフトの動画を配信。
Composition&Text:Masayuki Sawada