在宅勤務を続けるUOMOの編集者たち。愛用する私物を自宅から紹介!
自宅でクローゼットの整理をしていたら、締めもしないのにやたらとネクタイを持っていることに気がついた。大学時代のセレクトショップでのバイトで必要に迫られて買ったりしたものも多いが、ほとんどは買って一度締めたきりのもので、きれいな状態でハンガーにぶら下がっていた。でもいくつかのネクタイは服や靴以上に、見るだけで思い出が蘇ってくるのはなぜだろう。集英社の最終面接で締めたなとか、友達の結婚式で先端が汚れたなとか、初めてのニューヨーク出張で気分が上がって締めようと買ったものの、翌日からハリケーンでそのまま帰国したなとか…。 どれもが言ってしまえば『無くてもいい』ものだけど、毎日スーツを着なくてもいい自分にとって、ネクタイを締めなければならない機会がふと到来すると妙にうれしくなる。その日用に、きっと1回しか締めないだろうネクタイを懲りずにまた買ってしまうことになる。そんな自分には珍しく、7年ほど前に購入して何度も締めたネクタイがフルーツオブザルーム×ブルーブルーの一本。ネクタイを締めなきゃならないときでも、芯地がしっかりしたものや地厚なシルクだと、どうにも気恥ずかしくてすぐにほどきたくなってしまうのだが、これはとても都合がいい。黒ベースにいたってオーソドックスな小さな生成りの水玉柄で、いい意味でペラペラな薄いシルク地でノットが小さくなり、細すぎず太すぎない、そして何よりTシャツが思い浮かぶフルーツ製というのがたまらない。
発売中のUOMO6・7月合併号の特集『シン・40歳男子のスーツのシン説』では、僕らのようなスーツを着なくてもいい大人がもっと気軽に日常的にスーツを楽しむ提案をしています。もちろんタイドアップの話もあります。このネクタイはまさにここで言いたかった”抜け感を出すために締める“一本です。自宅でスーツはさすがに窮屈かもしれないので、しっかり予習していずれ積極的にスーツを楽しんでもらえたらと思います。僕も今年はスーツもっと着たいな。
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