外出を控えがちなこんな時こそ、心地よい部屋作りを自宅を愛してやまない男たちから学ぼう。東京・三鷹市に位置する井の頭公園にほど近い閑静な住宅街に暮らすデーヴィッド・マークスさんは、自宅で贅沢な時間を楽しんでいるらしい。
どこにいても 庭を感じられるところが好き
アメリカントラッドというスタイルが、どのように日本にもたらされ、独自の進化を遂げたのかを多角的にまとめた名著『アメトラ:日本がアメリカンスタイルを救った物語』。その著者であるデーヴィッドさんは、今から約1年前、井の頭公園に程近い閑静な住宅地に家を建てた。
「10年以上この辺りに住んでいて、家を建てるなら同じエリアがいいなと思っていました。僕自身、日本家屋が好きで、そういうテイストの家にしたかったので、知り合いの建築家に相談したところ、手嶋保さんがいいよって勧められて。作品を見ると、本当に素晴らしかったから、土地探しを含めて手嶋さんにお願いすることにしました」
そうして完成したのが、中庭をもつコートハウス型の建物。地上2階と地下1階からなり、各部屋はいずれも廊下から数段を上下するスキップフロアでつながれ、家全体を立体的に回遊することができるつくりとなっている。
「僕からは、大まかな要望として、中庭が欲しいとか、音楽室が欲しいとか、外壁は焼き杉にしたいと伝えたぐらいで、基本的に手嶋さんにすべてお任せしました。オーダーでスーツをつくるときもそうですが、こちらがあれこれ頼みすぎると失敗することが多い。専門家を信頼して任せたほうがいいんです。実際、想像以上の素晴らしい家ができました」
お気に入りは、中2階に位置する開放的なリビング。
「天井が高くて、大きな開口部からは庭の緑と空が見えます。ここでソファに座って音楽を聴きながら本を読むのが好きなんです。すごく贅沢な時間だなと思います」
Composition&Text:Masayuki Sawada