健康志向の高まりとともにランニングライフを再開したり、そろそろ走らなければと危機感を抱く大人が増えた。またアウトドアやキャンプブームの流れでトレイルラン人気も高まるばかり。そう、今やランニングムーブメントは次のフェーズに突入。大人がもう一度楽しく走る方法を、識者たちの語りとともに考える!
テック然としすぎていないルックスながら吸湿速乾性に優れ、暑さにも寒さにも強いメリノウールのハーフジップカットソーは、まさに大人のトレイルランに最適。ボトル収納ポケットなどがついたトレランベストや専用シューズさえきちんと用意すれば、これくらいシンプルな装いでも十分走れる。
カットソー¥13,200/アイスブレーカー・ベスト¥18,700/ザ・ノース・フェイス(ともにゴールドウイン カスタマーサービスセンター) ショーツ¥4,400/コブラ キャップス(ダメージドーン セカンド) シューズ¥16,500/サロモン(サロモン コールセンター)
道なき道を走るトレイルランには、心を満たす喜びが詰まっている
それまで運動歴のなかった僕が山を走り始めたのは2010年。UTMBというモンブランで開催されるトレイルランニング大会のドキュメンタリー番組をたまたま見て、身体に電気が走ったと言いますか、普通の仕事をしている市民ランナーたちがボロボロになりながらも諦めずに前に進み続ける姿にすごく心を打たれまして、これは僕もやらなくてはと思い、いきなり奥多摩の17㎞レースに出てみたんです。走り終えた瞬間、正直これはもう二度と無理だと(笑)。なのに、不思議と翌日になると登りきった先にある景色の美しさやフィニッシュした喜びなんかがじわじわ心の中に湧いてきて、3日後には次のレースを探していましたね。またそれから2年後にはモンブランにも行きました。都会で暮らす僕にとって山を走る行為は手軽とは言えません。だからこそ、そこで味わえる非日常感に心を洗われます。自然の中を走る気持ちよさやワクワクから、走りきったときの達成感、現地に向かうまでの旅気分まで、トレイルランには僕らが求める喜びの要素が凝縮されているんですよ。そしてけっして飽きることがありません。なぜなら同じ山は二つとしてないから。僕は一生付き合っていくでしょう。走れない年齢になったら形を登山に変えて。
渋井勇一(RASSLIN,&CO.代表)
アートディレクター・グラフィックデザイナー。自身のトレイル人生とリンクさせたブランドMOUNTAIN MARTIAL ARTSを運営。
走るための準備からワクワクできる
ウォーターボトルを収納でき、またバックパック機能も備えた、トレラン用ベストのポケットが使える。
各種エナジージェルや非常食用のチョコレートなど。大自然の中を走るだけに、ある程度の数を常に携行したい。「アートスポーツ」をはじめトレイルランコーナーが常設されるスポーツショップで豊富に揃う。
シューズのデザインやバリエーションは年々多彩に。右¥18,700/ニューバランス(ニューバランス ジャパンお客様相談室) 中¥16,500/サロモン(サロモン コールセンター) 左¥18,590/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター)
仲間と一緒でもソロでも、キャンプが趣味の人ならその最中に近場の自然の中を走るのだってれっきとしたトレイルランだ。テント¥31,900/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター)
新しいギアで気分を上げる
カラフルなウェアが多い中、あえてシックなトーンで大人なムードを演出!?
Salomon
ウルトラレースにも対応する驚異の軽さと防水性を兼備したハイスペックシェル。ポケットのないミニマルなデザインも◯。ジャケット¥17,600/サロモン(サロモン コールセンター)
SUUNTO
コンパクトながら長時間のバッテリー駆動が可能なGPSウォッチ。ランをはじめ多彩なスポーツモードを搭載し、もちろんトレイルに役立つ機能も備えている。時計¥47,300/スント(スント カスタマーサービス)
THE NORTH FACE
あらゆる路面に優れたグリップで対応するため、エントリーユーザーでも使いやすい。サンドベージュの配色もモダン。シューズ¥18,590/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター)
Salomon
摩擦を軽減し、身体のラインに沿ってストレスなくフィットするランニングベストは両胸の収納ポケットにボトルホルダー付き。ベスト¥18,700/サロモン(サロモン コールセンター)
Goldwin
血行促進効果でむくみを軽減する段階着圧設計のタイツ。肌触りがソフトでトレイルでの長時間着用もストレスなし。タイツ¥13,200/ゴールドウイン(ゴールドウイン 丸の内)
Photos:Shunya Arai[YARD] Yuichi Sugita
Hair:AMANO
Stylist:Shuhei Yoshida
Models:Eddie Kou Nils Philipp
Composition&Text:Kai Tokuhara