近年の社会状況の変化によって、副業を始める人が増えている。収入だけでなく、経験値も上がり、世界が広がる副業。40歳男子のリアルなカタチとは? ビームスの土井地さんは友人と共同で会社と設立したのだとか。
土井地 博さん
本業
BEAMS コミュニケーションディレクター
ビームス 執行役員 コミュニケーションディレクター。すべての表現者が創造することによって生きていける社会の実現を目指す(株)ビーアットの代表取締役社長も務める。
株式会社 社外取締役 ディレクター
土井地さん、社外取締役になったんですか?
「いえいえ。社外取締役という会社をつくりました」
ショップスタッフを経て、20年以上ビームスのPR宣伝業務を行い、現在は同社のコミュニケーションディレクターを務める土井地博さんは、2020年5月、建築家・起業家の谷尻誠さん、ベツダイ東京の林哲平さんと共同で新会社「社外取締役」を設立した。
「40歳半ばを迎えてあらためて考えたときに、本業であるビームスにいながら新しいことに挑戦できたらもっと人生は面白くなると思ったんです。それは、共同代表の二人も同じで、自分たちの経験を生かしてもっと社会を楽しくしたいという考えから、会社を立ち上げることにしました」
社外取締役は、オンラインサロンの運営や、企画・ブランディング・事業開発にかかわるアドバイザリー業務を行うクリエイティブプロダクション。建築、エンタメ、ファッション、フードとさまざまなカルチャーに精通したメンバーが、文字どおり社外からの目線で事業の突破口となるようなヒントや施策を提案する。
「ビームスは本当にいろいろなことができる会社です。そのうえで、自身の視点をビームス視点から社外取締役の視点に変えることで新たな発見があり、それがクライアントワークとして広がりをもたせています。企業のブランディングをはじめ、店舗のデザイン、会員限定のトークイベントなど、仕事は幅広いです。将来的にはオンラインサロン発のプロジェクトを実現させることも考えています」
土井地さんが大事にしているのは、自分らしい仕事ができるかどうか。副業を始めたことで新たな気づきや発見があり、それは本業にもフィードバックされ、その循環によって自分自身が成長するのを実感しているという。
「ビームスとは違ったカタチの出会いがあって、そこからアイデアが生まれ、新しい世界が広がっていくのがすごく面白いです。人生100年と考えたら、まだまだ先は長い。であれば、一生できる仕事を見つけたほうが確実に面白い人生になる。副業は自分らしい生き方を見つけるための一つの手段だと思います」
1 副業を始めるときに大変だったことは?
大変なことは特にありません。本業ともすごくいいバランスでやれています。
2 就業形態は?
平日はビームスの仕事。それが終わった夜か、休日に副業の仕事をしています。
3 副業で得ているものは?
自分らしくいられること。お金が欲しいんだったら投資をやります(笑)。
4 副業を始める人にひと言
いろいろな人や情報に触れることで、いつもとは違う景色を見ることができますし、世界は間違いなく広がります。
不等辺三角形のロゴは代表者3人の三者三様の視点と切れ味を表現する。
ナチュラル&オーガニックの情報発信基地として三軒茶屋にオープンしたビープル初の路面店の、コンセプトメイキングから店舗デザインまでを担当。
社外取締役では、サロンメンバー限定のトークイベントを年に数回開催。このときのゲストは芸人であり、芥川賞作家でもある又吉直樹さん。
副業もリモートワークの快適グッズがおすすめ!
Composition&Text:Masayuki Sawada