NEO CLASSIC CARS 30

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BMW 320i(1994年式)
2022.06.02
最終更新日:2024.03.22

BMW 320i(1994年式)

國井優樹さん(会社員)

機能美を極めたモダンBMWの原点

BMW 320i(1994年式)

旧いBMWといえば、バブル期に「六本木のカローラ」と称されたE30の3シリーズが浮かぶが、その後継たるE36も今や立派にネオクラの仲間入り。今回は至極の6気筒エンジンを搭載した「320i」と、オーナーの國井さんに登場いただこう。

1990年にデビューしたE36の3シリーズは、4ドアセダンに2ドアクーペ、カブリオレ、そして新たに3ドアハッチバックのコンパクトが用意された。ちなみに、2ドアのモデルでも大人4人が余裕をもって乗れる実用性を備えている。スポーツモデルの「M3」は92年よりラインナップ。近年では相場も上がり、高値で取引されている。

BMW 320i(1994年式)
令和元年までワンオーナーだったという國井さんの個体は、今や貴重なフルオリジナル。購入時の走行距離は9.3万キロ、塗装や樹脂パーツなどの程度も上々だ。

國井さんは25歳という若さながら、2008年式のボルボ・C70カブリオレ、96年式のローバー・ミニを経て、今年3月にE36の320iに乗り換えた。E36も近年は相場があがってきているが、國井さんはBMWや外車と全く縁のないショップから売りに出ているのを偶然見つけ、手頃な価格で購入できたという。

「E36の3シリーズは前々から気になっていたのですが、特に惹かれたのはパッケージングの優秀さ。大人4人と荷物が満足に載ってしっかり走る5ナンバーセダンは今や希少な存在です。直6エンジンは音も吹け上がるフィールも滑らかで心地よいですね」

BMW 320i(1994年式)
2ℓ直列6気筒エンジンが収まるエンジンルーム。「4気筒を搭載した318isはもっと鼻先が軽やかでクイックですが、6気筒の安定性、官能性を備えたフィールに惹かれました」

走り出すと、想像以上にスポーティな音が聞こえてくる。スポーツグレードやモードでもないのに “聞かせる”音を放つ小型セダンは珍しい。ATは5速、オルガンペダルを踏み込むと、1速から2速へは軽いショックを伴ってすぐに変速するが、都内ではおとなしい印象。國井さんも「本領発揮するのは、やはり高速など速度域が高いセクション」と話す。

BMW 320i(1994年式)
先代の3シリーズと同様、コクピットのインパネ類はドライバー側を向いている。内装の樹脂類は経年によるべたつきや割れが目立つ場合があるが、國井さんの個体は一切なし。4気筒の318isは5MTも輸入されたが、6気筒は5AT仕様のみ。
BMW 320i(1994年式)
新車と見紛うようなコンディションを保つシート。レッグスペースも十分に確保されている。「レザーシートではないベーシックな雰囲気も気に入っています」。

「購入してからの故障は特にありません。整備記録もきちんと残されているため、どの部品をいつ交換したか、いつ不調が出たかもわかる。整備は同年代のBMWやポルシェ、ボルボなどに強いお店にお世話になっています。E36はまだ部品が出るのがありがたいですね」

すっかりネオクラシックなBMWに魅せられた國井さん。これまで国籍も車格もまったく異なる3台を乗り継いできたが、実はE36を購入する前から欲しいBMWがあり、いずれはそれにも乗ってみたいと話す。

「E34と呼ばれる5シリーズ(88年〜94年)がありますが、『M5』とは別にV8を積んだ『530i』『540i』というフラッグシップモデルがあるんです。E34は故障も少なくないと聞くのでV8モデルなんて間違いなく手がかかると思うのですが(笑)、魅力的です」

國井優樹さんプロフィール画像
会社員
國井優樹さん

1998年生まれ。ボルボ C70カブリオレ、ローバー・ミニを経て2023年2月にBMW 320iを購入。同世代のクルマ好きとも積極的に交流を深めている。

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