おじさんの旅の目的は、ぶっちゃけ「うまいメシ」一択。地方の街を訪れ、48時間ただただ食べまくるワンパクなメシ旅の第5弾は…「底知れぬグルメタウン」神戸。
今回のメンバー
爆食旅シリーズの生みの親だが、実際に参加するのは今回が初めて。好きな食べ物はお好み焼き、うどん。酒好き。飲みすぎ。
前回の爆食旅での体たらくにいま一度鍛え直してくると宣言するも、いたずらに時間だけが過ぎ、劣化がノンストップ。時よ止まれ!
その情報収集力と行動力に助けられっぱなし。爆食旅の頼れる相棒にして食いしん坊。ただ、最近食べる量が減ったらしい。ファイト!
7.4 (thu.) 18:00 in|肉のオカダ
新大阪駅を定刻どおりに出発したのぞみ41号。やがて長いトンネルに入り、抜けるとそこは新神戸駅だった。時間にするとたったの12分。なんや、神戸。おまえ、こんな近かったんか。なのに、京都や大阪に比べると不思議とこれまで訪れる機会は少なかった。ごめんやで。
古くから港町として栄えてきた神戸には、当然のように豊かな食文化が息づいている。神戸のおいしいものと聞いてパッと思い浮かぶのは、神戸ビーフに中華に洋食といったところだが、リサーチしてみたら、まあ、あるわ、あるわ、行きたい店が。というわけで、迎えた当日、期待に胸を膨らませて、だけど腹は空かせた状態で、まずは宇治川商店街にある肉のオカダへ向かう。
ここは精肉店が営む食事処。上質なお肉が良心的な価格で食べられるとあって、予約困難の人気店として知られている。もちろん、神戸行きが決まった時点ですぐにリザーブ。ちなみに今回の爆食旅のメンバーは、毎度お馴染みのカメラマン剛と、神戸で学生時代を過ごしたという編集長の池田、そして俺の3名。「肉のオカダ」の予約は4名以上からなので、剛の友人である神戸在住の山根さんに加わってもらい、万全の態勢に。
精肉店の店頭で来店を告げると、数軒隣にある食事用の個室を案内される。聞けば、個室は商店街の何箇所かに点在しているという。さながら焼き肉のレンタルルームといった感じで面白い。ドリンクは持ち込み自由だから、来る途中に元町のワインショップ「ジェロボアム」で赤2本と白1本を調達。部屋には冷蔵庫があり、開けるとそこにはお肉がずらり。前日にお店から電話があり、あらかじめ注文して準備しておいてもらうシステムなのだ(当日追加も可能)。
おまかせで頼んでいたステーキは、ラムシン、ヒレ、イチボ、マルシンの4種。この厚み、この色つや。何というビジュの強さ。俺の中でビジュアル・ミート・オブ・ザ・イヤーに決定! ほかに、焼肉サービスセット(上バラ、上赤身、ハラミ、レバー、シマ腸、野菜、ライス、キムチ)も1人前用意。急遽、池田から間に合わないとの連絡があり、人数は3名になったけれど、朝から飲み物以外は何も口にしていない俺は、おいしそうなお肉を前に超強気。ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒート!! 「まだ1軒目だからね」という剛の言葉を軽やかにスウェーし、途中で上ハラミとタンも追加でオーダー。最高の肉の宴を大満喫した結果、もうお肉はしばらくいいやってくらい食べてしまった。
肉のオカダ
神戸市中央区楠町1-3-10
7.4 (thu.) 21:08 in|酒之灘屋
宴の余韻を引きずりながらぷらぷら歩いていると、三叉路の角地に気になるお店を発見。まるで横尾忠則(兵庫県生まれ)のY字路シリーズに登場しそうな佇まい。看板を見ると灘の清酒「菊正宗」の文字、その下に酒之灘屋と書いてある。いいねえ、日本酒飲みたかったんだよ。縄のれんをくぐって席に着く。
まずは香住鶴の冷やで乾杯。肴はあぶらめシンコ、マルアジのきずし(酢締め)ももらおうか。こういうのにときめくようになってからが人生本番だ。料理を待つ間、店内を見回すと風情ある銅製の燗つけ器を確認。うわあ、こりゃ頼まずにはいられない。菊正宗の燗酒もくださーい。
酒之灘屋
神戸市中央区北長狭通8-1-1
7.4 (thu.) 22:02 in|梅春園
はっきり言って、お腹はもう十分。だけど、これは爆食旅。次はどこに行こうか。スマホをいじっていた剛が「餃子、どうすか?」と案を出す。うん、いいかも。実は、神戸は全国有数の餃子タウンでもあり、評判の名店も多い。向かったのは、三宮の梅春園。
遅れて神戸入りした池田もここで合流。「腹減った」という池田を頼もしく感じながら、餃子とチャーシューと焼ビーフンを注文。神戸の餃子は味噌だれで食べるのが一般的だそうだが、なるほど、酢醬油とは違い、コクがあって、かなり好きな味。
好きと言えば、焼ビーフンも。「ビーフンってこんなにおいしかったの!?」ってくらいのうれしい出会い。イケメン転校生現れるって感じで、がぜん気になる存在に。へえ〜、あの「ケンミンの焼ビーフン」で知られるケンミン食品の本社って神戸なんだ。ビーフン、要チェックだな。
梅春園
神戸市中央区北長狭通1-10-10
7.4 (thu.) 22:54 in|菊兆 北野坂本店
時刻はまもなく23時。「明石焼きが食べたい」という池田のために、菊兆 北野坂本店へ。頂き女子に気をつけながらにぎやかな三宮の繁華街を歩いていたら、剛がポツリと「腹いっぱいですわ」とつぶやく。お互い腹まわりはデカくなったけど、なぜか食べる量は減った。これは老化ってやつだね。おぢはあんまり食べられないの。
「菊兆」では、ノーマル焼と、こんにゃくやしめじ、海老などが入ったデラックス焼を注文。明石焼きは隣接する明石市の名物で、見た目はたこ焼きそっくりだが、たこ焼きはソースをかけて食べるのに対し、明石焼きはかつおや昆布のだし汁につけて食べる点が大きな違い。基本に忠実にだし汁につけて食べていたら、池田が「ソースをつけてからだしにつけるとうまいよ」としたり顔で言ってくる。まあ、はしたない子ね。でも、確かに…うまい。地元民もそうやって食べる人が多いとか。ちなみに地元では「玉子焼き」って呼ばれてます。明石焼きはふわっとしているから腹にたまらないのか(?)、もうちょっと食べたい気がしてくる。
菊兆 北野坂本店
神戸市中央区中山手通1-10-5 中一東ビル
7.4 (thu.) 23:35 in|明石焼 司
てなわけで、明石焼 司にドロップイン。冷酒をちびちびやっていると、来た、来た、黄色くてまん丸のかわいいやつめ。初手からソースにつけて、だし汁にくぐらせる。口に入れると、ふんわりとろとろ。たこのコリッとした食感がアクセントに。カウンター越しに見えるおでんもめっちゃおいしそう。こんにゃく、牛すじ、厚あげとオーダー。
腹は完全にパツパツ。HYDEパイセンがわんこそばを108杯たいらげて、生命の危機を感じたと言っていたが、それに近いかも。もう帰りたい。でも、帰っていいのか? 締めのラーメンくらいいっとかないと終われないんじゃないのか? 「逃げる方が絶対後からしんどいって事はもう知ってる」。『ハイキュー!!』の名台詞が一瞬脳内に浮かぶが、無理なものは無理! ここは勇気ある撤退を選択。勇者ヒンメルでもそうしたと思う。
明石焼 司
神戸市中央区中山手通1-3-10 ローズプラザビル1階
ーーーDAY 2へ続く