2023.03.03

【札幌メシ】 今もかすかに残るジンギスカンの匂い… 40歳からのメシ旅 爆食ウィークエンド48hours! 【DAY 1】

おじさんの旅の目的はウマい飯一択。地方を訪れ、48時間ただ、ただ食べまくるワンパクなメシ旅の第2弾で訪れたのは、食の宝庫=札幌!

【札幌メシ】 今もかすかに残るジンギスカの画像_1

札幌メシ…今もかすかに残るジンギスカンの匂い 編

1.13(fri.) 17:40@Haneda >>

そんな未来が待っているとは
つゆ知らず、
17時40分羽田発JAL525便に
ライドオン――。


エディター澤田 カメラマン剛

エディター澤田
(右)普段は一日1食。旅先だとついつい食べすぎてしまう。餅とソフトクリームは通年気になる。パクチーは共演NG。

カメラマン剛
(左)よく食べ、よく飲み、よく撮る。三拍子揃った頼れる相棒。いつ寝てるんだろ? 次は盛岡に行きたいらしい。


1.13(fri.) 20:26 IN のざわ

俺は佐藤健じゃないし、 お前は満島ひかりではない

 何かと慌ただしい金曜日の夕方。この日はいつも以上にバタバタしていた。なぜなら、これから札幌に行くから。そう、48時間の爆食旅だ。「48時間で食べまくってきていいよ」。話を聞いたときは「ラッキー! ご褒美企画じゃん」と思った。しかし、この数時間後、俺たちは膨らんだ腹を抱えて、「どうかしてるぜ…」とつぶやくことになる。
 そんな未来が待っているとはつゆ知らず、札幌に行くにはとにもかくにも飛行機に乗らなくては始まらない。目指すは、17時40分羽田発のJAL525便。半ば強引に仕事を片づけ、保安検査場をギリ22分前に通過し、無事ライドオン。
 新千歳空港で今回の爆食旅の相棒となる剛と合流すると、急いで快速エアポートに乗り込み、札幌駅へ向かう。到着予定時刻は20時8分。車内で慌てて今夜のお店をチェックする。「やっぱり北海道に来て1軒目はジンギスカンじゃないっすか」と剛。いいねえ! というわけで、札幌駅に着くやいなや、のざわにTEL。20時30分がラストオーダーと聞き、それなら間に合うと、ダッシュでタクる。車窓を眺めていたら、ふいに年末に観たNetflixドラマ「First Love 初恋」が脳内でプレイバック。佐藤健はライラックを抱えて札幌駅からタクシーに乗り込んでたっけ。でも、俺たちはすきっ腹を抱えてジンギスカン。そうだよ、これがリアルだよ。

ジンギスカン のざわ

ライラックの香りよりも ジンギスカンのけむりが好き

 10分とかからず、店前に到着。年季の入ったのれんと、宵闇に赤く浮かび上がる看板に大きく書かれた生ラムの文字。うん、いい佇まい。中に入ると、店内はけむりでモクモク。おじさんはライラックの香りより、ジンギスカンのけむりが好き。俺は冷酒、剛はハイボールを頼み、乾杯。メニューは生ラム一本で勝負というストロングスタイルを貫くだけあって、肉質はさすがのクオリティ。厚く切ったラムは、しんなりとやわらかく、ジンギスカンには珍しい和風だしをベースにしたさっぱり味のタレとの相性も抜群。ペロッと食べられちゃう。ほんとはもっと食べたいけれど、札幌の夜は始まったばかり。1人前で切り上げ、ひとまず荷物を置きにすすきののホテルにチェックイン。


1.13(fri.) 21:54 IN もみぢ

 身軽になった俺たちは、札幌のおいしい店が集まる狸小路へと歩いて向かうことに。次はどこに行こうかな。ブラブラ歩きながら狸小路市場に入り込むと、何だか雰囲気のいい中国料理のお店に遭遇。ガラス越しに店内をのぞくと、鈴なりのえびす顔と陽気な声。う~ん、いいお店の匂いがプンプンする。あれ、奥に一卓だけ空いているぞ。よし、2軒目はここ、もみぢに決定。

中国料理 もみぢ 麻婆豆腐

マジか…。2軒目で早くも 満腹中枢を破壊したくなる

 席に着き、メニューを開くと、どれもおいしそう。腹にまだまだ余裕のある俺たちは、まずはハイボールと紹興酒を頼み、蒸し鶏のブラックペッパー、水餃子、中国スパイスのから揚げ、麻婆豆腐、中国野菜炒めなどを次々と注文。圧巻だったのは、から揚げと麻婆豆腐。から揚げは「マ・ドンソクの拳か!?」ってくらいデカく、麻婆豆腐は「えっ、今にもこぼれそうなんですけど…」ってくらいたっぷりの量。どちらも目の前に置かれた瞬間、「えっ!」と声が漏れた。もちろん、味はいい。スパイスがきいたから揚げはジューシーで、やわらかな絹ごし豆腐と旨味が凝縮したあんが絡んだ麻婆豆腐は絶品だった。でも、まあ、明らかに頼みすぎだったよね…。まだ2軒目なのにどうするよ? 満腹中枢、破壊したい。

中国スパイスのから揚げ 


1.13(fri.) 23:11 IN 5坪 海らふ家 9丁目店

 とりあえず腹ごなしに歩こう。「あの辺なにかありそうだね」なんて言いながら歩いていると、ふと前方に気になる看板が。なになに、厚岸産の牡蠣が150円だって!? これはいっとかなきゃってことで、5坪 海らふ家 9丁目店にイン。早速、厚岸の漁師から直送されるという店自慢の生牡蠣をオーダー。カウンターにはいろいろな楽しみ方ができるように、レモン汁、ポン酢、タバスコ、チリソースが置いてあるが、ここは何もつけずにそのままじゅるり。うんま~い。ハイボールが進む。腹パンだけど、不思議と牡蠣は入っちゃう。剛が言う。「牡蠣って飲み物なんですよ」。はい、それ、正解!

5坪 海らふ家 9丁目店 生牡蠣

1.13(fri.) 24:08 IN こぶ志

お、おにぎりが、 た、食べたかったんだな

 気づくと、まもなく深夜0時。もうちょっと行きたいけど、お腹いっぱいだし、どうするか。すると、剛が「明日の朝ごはん、どうします?」と聞いてきた。「え、べつにコーヒーがあればいいんだけど…」と思ったが、ちょっと待った、これは爆食旅なんだぜ。そんなやわな気持ちじゃダメ、ゼッタイ。俺の心にカチッと火がついたのを感じ取った剛がにやりと笑う。「おにぎり、どうすか?」。すすきの市場に24時間やっているにぎりめし屋があるという。狗巻棘よろしく「しゃけ」と返す俺。意味はもちろん、Yesだ。けど、行ってみてがっくし。店、閉まってんじゃん。店内改装中につき臨時休業だって。う~ん、どうしよう。「ぼ、ぼくは、お、おにぎりが、た、食べたいんだな」と言ってみたところで、どうしようもない。
 不意にくらったおにぎりロス。いつまでもあると思うな親と店。行けるうちは行っとこう。ってな具合に、シメの一軒を求めて再びブラブラすすきの散歩。んっ、なんだ、あのお店? 通りの向こうに激シブな佇まいの店が見えた。さっき通ったときは閉まっていたはずだけど、今は赤ちょうちんに明かりがともっている。近づいてみると、真っ赤なテント看板に白抜きでこぶ志の店名。シビィ~。のれんもかかっているから、やってるみたい。ガラガラと戸を開け中に足を踏み入れた瞬間、あっ、ここ好き! お世辞にも広いとは言えないけれど妙に落ち着く。何より店を切り盛りするご主人と女将さんが穏やかそうでいい感じ。目の前におでん鍋が見えるカウンター席に座り、とりあえず熱燗を頼む。

こぶ志のおでん おでん鍋

深夜0時からオープンする 激シブな居酒屋、みいつけた

 話を聞くと、このお店、木金土の深夜0時からオープンするという。こっそりググってみたら、知る人ぞ知るすすきのの名店であった。さあ、なに食べよう。やっぱりおでんだよね。大根、はんぺん、豆腐にがんも。この白子みたいなのは何だろう? 「それはタチと言って、タラの白子ですよ」と女将さん。じゃあ、それも。お皿に載って出てきたおでんは、どれもしみじみおいしい。だしのきいたつゆがまた上品な味わいで、最後まで飲んでしまう。これ、点滴で打ちたい…。シメは、ご飯の上に鮭フレーク、刻み海苔、青葉をちりばめたしそごはん。酔いも回り、腹はほんとにもうパンパン。「また来ますね」と言い残し、店を出る。ホテルへと帰る道すがら、剛が「明日は朝サウナして、それから寿司食べに行きましょうよ」と言う。いいねー! 「じゃあ、6時にロビー集合で」。起きられるかな?

こぶ志のおでん
居酒屋 こぶ志 
ーーーDAY 2へ続く

のざわ
住所:北海道札幌市中央区南7条西6丁目

もみぢ 
住所:北海道札幌市中央区南3条西6丁目 狸小路市場内

5坪 海らふ家 9丁目店
北海道札幌市中央区南3条西9丁目998

こぶ志
北海道札幌市中央区南7条西4丁目


Photos:Go Tanabe
Text:Masayuki Sawada
Title Logo Design:ZUMA

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