2024.10.23

下北沢・SANDWICH CLUBのポークチーズステーキサンドイッチ。【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけで、いつもの。|第32回 】

写真家・平野太呂が、気になる人の行きつけにお邪魔。決まって頼むというメニューを食べて、本音をつづる。今回は松田岳二さんが「憩いの場」と慕う、サンドイッチ店。

第32回 下北沢|SANDWICH CLUBのポークチーズステーキサンドイッチ。

下北沢 SANDWICH CLUBのポークチーズステーキサンドイッチ。
すべてのメニューがおいしいのですが、チーズ好きとして豚×ネギ×チーズは外せない!
今月のあの人|ミュージシャン/ギャラリーオーナー
松田岳二さん

ミュージシャンとして活動しながらギャラリーを主宰するなど幅広いシーンで活躍。「早朝から営業していて、お酒もいただけるので休日に呑むのにもいいお店です」。

シモキタの袋小路

 袋小路の奥にある小さな小さなお店に入ると、ここが下北沢駅近くだということを忘れてしまうほど静かだ。特に今日は雨だから、流れる時間もゆっくりな気がする。店主の山口さんが明るく迎え入れてくれ、先客の3人に会釈して店に入る。小さい店だからか、店内にはすでにグルーヴ感がある。店もだが、それぞれのお客さんが独自の雰囲気を纏っていて、それが心地よい。「街のかわいいサンドイッチ屋さんに集まっているお客さん」ではなくて「好きなバンドを見にきている人たち」の雰囲気に近い。それが僕にとっては居心地がよい。もちろん、チャーベくんに教えてもらったから、そんな目線で見てしまうのかもしれないけど。

 店でいちばんわんぱく系のポークチーズステーキサンドイッチと、ミルクコーヒーをいただく。マグカップにはチャーベくんが書いた文字がプリントされていた。けっして映えない茶色系サンドイッチほど労働者にとってうれしいものはないのだ。ミルクコーヒーといえばフリッパーズ・ギターにそんな曲があったっけな?とか思い出しながらすぐに完食してしまった。売り切れだった梨とベーコンの季節のサンドイッチと豆乳スープは次回必ず頼もう。

 なんだか脳内で音楽が流れてしまう店。山口さんが過ごしてきた時間や、お客さんが持ち寄るストーリーたちでこの小さな空間が出来上がっているんだな。もっと早く知りたかったよ、チャーべくん。

SANDWICH CLUB

常連は40代が中心とのことだが、サンドイッチに誘われて、さまざまな世代が訪れる。小さな空間にはアットホームな雰囲気が漂い、初めて訪れても居心地のよさが体験できる。ポークチーズステーキサンドイッチ¥1,200、ミルクコーヒー¥460。
東京都世田谷区北沢2-12-2
営業時間:7時~15時
定休日:木曜

撮影・文・食
平野太呂

カルチャー誌やファッション誌などで活躍。主な著書に『POOL』(リトルモア)、『ボクと先輩』(晶文社)など。

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