2021.12.02
最終更新日:2024.03.07

【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけで、いつもの。】第三回・大根 仁さん(演出家・映画監督)/「鶏舎」の五目ウマニソバ

写真家・平野太呂が、気になる人の行きつけにお邪魔。決まって頼むというメニューを食べて、本音をつづる。今回は大根仁さん絶賛の五目ウマニソバ。

【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけの画像_1

今月のあの人

東京町中華のチャンピオン。
何を食べてもうまいけど、

どれか一つ選べと言われたらこれ!

大根 仁さん/演出家・映画監督
近作は「共演NG」など。ドラマや映画に限らず、舞台、ミュージックビデオ、CMまで数多くの話題作を手がける。鶏舎は「奢らず気取らずたかぶらずの姿勢が大好き」。


撮影・文・食/平野太呂

第3回池尻大橋 鶏舎の五目ウマニソバ。

【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけの画像_2

季節に句読点を打つ店

 目黒区青葉台に晩夏の風物詩があるとするならば、それは鶏舎の「冷やし葱そば」を求める行列じゃないだろうか。9月いっっぱいで終了のメニュー。これを食べないと夏を終われないという人たちの行列だ。そして今、僕もその行列の中にいる。約束どおりの時間に雑誌の取材に来ているのに、みんなと同じ行列に並んで待つ。その平等さ、僕は大好きである。しかし、僕が並んでいるのは冷やし葱そばのためではない。大根さんに教えてもらった五目ウマニソバを食べるためなのだ。

 店の中に入ると当然満席。来ている人たちも実にバラエティに富んでいる。中目黒のはずれにあるということもあって、アパレル関係、クリエイティブ関連も多いが、町中華らしく建設業者もいるのがいい。女性率が高いのは店員さんたちがお揃いで着ているTシャツがオシャレだからだろうか。きっと常連のアパレル関係者が思わず作ったんだろう。カウンターで一人、食べ終わった青年が、空になった皿にそっと手を合わせ、夏に別れを告げている。

 さて肝心の五目ウマニソバ。ウマニによくあるダラッとした感じがなく、一つ一つの具材がシャキッとしていて、味は醬油ベースでくどくなくスッキリしている。全体的にピントがバッチリ合っていて、高解像度。おいしいところを全部放り込んでいるのにメリハリがある。どこか大根さんの映画のよう?なんて言ったらうまくまとめすぎだろうか。


鶏舎
池尻大橋駅から徒歩約10分。住宅街にポツンと位置しながら、いつもにぎわっている人気店だ。大根さんの定番メニュー、五目ウマニソバは¥950。

東京都目黒区青葉台3-9-9
TEL:03-3463-5365
営業時間:11時15分~14時30分、17時~20時30分(L.O.) 土曜11時15分~14時30分
定休日:日曜・祝日


Taro Hirano
カルチャー誌やファッション誌などで活躍。主な著書に『POOL』(リトルモア)、『ボクと先輩』(晶文社)など。



Title Design:Yu Miyama

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