2017.11.24
最終更新日:2024.03.07

シングルモルトの原点であり頂点。ザ・グレンリベットが特別な理由

ワインにクラフトビール、好きなお酒はいろいろあるけれど、そろそろ上質なスコッチウイスキーにも手を伸ばしてみては? アルコール度数が高くて、年配者が夜の街で嗜む酒というイメージも、ザ・グレンリベットをひと口味わえば一変する。その魅力の秘密をスコットランドで目の当たりにした。

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若い頃には気づかなかった 味わいが今は素直に楽しい

 20代の頃、ちょっと背伸びしてシングルモルトに挑戦したけれど、やっぱりビールに戻ってしまったという40歳男子も多いかもしれない。しかし、シングルモルトの出荷数は年を追うごとに伸長しており、その中でもトップクラスのシェアと人気を誇るのが、今回紹介するザ・グレンリベットだ。



 まず気になるのは、なぜ“ザ”がつくのかということだが、これはザ・グレンリベットこそ、スコッチウイスキーの原点であることの証しである。1824年にスコットランドで初めて政府公認の蒸留所となって以降、グレンリベットの偽物が数多く出回った結果、1884年に本物を意味する“ザ”をつけることが許されたのだ。その個性的な味わいは、まさに「頂点」。同一業者から仕入れたスコットランド産の大麦と、ジョシーズ・ウェルと呼ばれる湧水、この二つの素材がもととなり、大型ポットスチルと木製ウォッシュバックによって原酒が生み出されている。ウイスキーの香りと味を決定づける熟成にも、徹底した品質管理がなされ、ザ・グレンリベットの豊かな個性を守り続けている。



 酒場でウンチクを語るほど野暮なことはないけれど、知れば知るほど奥深く、違いがわかるようになるにつれ、深みにハマってしまう。そんな楽しさを教えてくれるザ・グレンリベットは、40代になって初めてしっくりくるブランド服のようにも思えてくる。一周回って、20代の頃には気づかなかった味わいを発見できるはず。


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初めて政府公認を受けた シングルモルトの原点

 ウイスキーのもととなる酒は15世紀終わりの文献にも存在していたが、長らく密造酒として流通してきた。19世紀初頭のスコットランドにはいくつかの密造酒業者があったが、ジョージ・スミスのつくるウイスキーが特に評判が高く、この噂を聞きつけた英国王ジョージ4世が所望したことをきっかけに、1824年に政府公認の蒸留所第一号となった。以来、スコットランドのスペイサイド地方のウイスキーを代表するブランドとして君臨し、その味わいと製法の基礎を決定づけた。


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特別なウイスキーに 欠かせない伝説の湧水

 大麦麦芽と水を原料とするウイスキーづくりにおいて、水はウイスキーの個性を決定づける重要な要素。ザ・グレンリベットではジョシーズ・ウェルと呼ばれるミネラル分の多い湧水を、90年以上にわたって独占的に使い続けている。スペイサイド地方には、スペイ川をはじめ豊かな水源があり、その一つであるこの湧水がザ・グレンリベットを特別なものにしている。ちなみに大麦についても、厳選したスコットランド産だけを、30年以上にわたって同一業社から仕入れている。



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 蒸留所の近くを流れるリベット川に架かる、パック・ホース・ブリッジ。500年前から変わらない水と緑に囲まれたこの光景は、ザ・グレンリベットの製品ボトルの金ラベルにも刻印されている。

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150年近くも変わらない、 トールポットスチル

 ウイスキーの原酒を生み出すためには、2度の蒸留が必要とされる。右側の大きなほうが初留のスチルで、左側の少し背が低いほうが再留のスチル。胴体とパイプ部分にくびれのある独特な形状によって、まろやかな風味を生み出している。クラフツマンシップといえば、素朴で味のある光景を想像しがちだが、ザ・グレンリベットの工場は驚くほど清潔で近代的。コンピューターによって管理され、可視化されている。環境保護についても熟慮された最新設備によって、年間1050Lもの原酒を生産することに成功している。



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 蒸留機とともに特徴的なのが、大麦麦芽の糖分を酵母で分解するための木製ウォッシュバック(発酵槽)。オレゴン松を素材とする全高7mもの巨大な発酵槽が、ザ・グレンリベットの個性の下地をつくり、フルーティな味わいにも寄与している。
THE GLENLIVETプロフィール画像
THE GLENLIVET
数あるラインナップの中でも、最も口当たりが軽やかで、スコッチ初心者におすすめなのがこちら。スペイサイド地方特有のフローラルでフルーティな香りと味わいが堪能できる。¥4,800(700㎖)/ザ・グレンリベットファウンダーズリザーブ(ペルノ・リカール・ジャパン)

ペルノ・リカール・ジャパン お客様相談室
TEL:03-5802-2756
www.theglenlivet.jp

Photos:Fumihito Ishii
Text:Takuro Kawase

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