2023.10.14

【40歳からのメシ旅・高知編】1.5kgの伊勢海老! 鍋焼きラーメン! 爆食ウィークエンド48hours! -DAY2-

おじさんの旅の目的はうまいメシ一択。地方都市・街を訪れ、48時間ただただ食べまくるワンパクなメシ旅の不定期連載第3弾は…「こじゃんとうまいき」高知県。

【40歳からのメシ旅・高知編】1.5kgの画像_1

高知メシ…エデンの園は高知にあったんだね 編

7.28(fri.)16:00@Haneda >>

気分はもう夏休み。
仕事を早々に片づけて、
16時羽田発
ANA567便に乗り込んだ――。


今回のメンバー

エディター澤田プロフィール画像
エディター澤田
爆食旅でのモットーは「だが食べる」。そのわりにギブアップは誰よりも早い。いま一度鍛え直してきます。押忍。
副編吉﨑プロフィール画像
副編吉﨑
帰ってから体重計にのったら1㎏増量。大好きな麦チョコを我慢して、チョコザップに通おうか悩んでいる。
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スペシャルゲスト
クリエイティブディレクター南貴之



ーーーDAY 1はこちら


7.29(sat.) 07:37 IN ブイヤベース

俺のバカ! いくじなし!高知のカツオは世界線が違うぜよ

 ほんの5時間ほど前、部屋に戻るエレベーターの中で剛が言ってた。「明日の朝メシは喫茶店でモーニング食べましょう」って。何とか起きたものの、腹は全然減ってない。やれやれ。坂本龍馬は日本をいま一度洗濯したいと言ったそうだが、俺は胃袋をすっきり洗濯したい。ところで、寡聞にして知らなかったけれど、高知は人口あたりの喫茶店数が日本一で、モーニング文化もちゃんと根づいているのだとか。爆食旅は朝からフルスロットルが当たり前。「おまんら、気合入れんかい!」とヨーヨーを持った麻宮サキ(feat.南野陽子)が脳内で活を入れる。
 お目当てのブイヤベースは、オムライスがおいしいと評判の喫茶店。オープン直後に入ったので、俺たち以外にお客さんはいなかったが、テイクアウトの注文が入っているため、食事の提供は少し時間がかかるとのこと。朝の7時半にテイクアウトの注文が殺到するってすごいな。頼んだのは、オムライスとミックスサンド。当然、シェア。まあ、一発目だし、そうだよね。名物のオムライスは、しっかりめに焼いた卵にたっぷりのケチャップがかかった俺好みのやつ。中身のケチャップライスもいい塩梅。気づくと、いつの間にか席は満席に。どうやらほとんどの人が定食を食べてるっぽい。あっちの人はハンバーグ定食、こっちの人は豚のショウガ定食。それを見たら急に自分が恥ずかしくなってきた。爆食旅なのに小指を立ててミックスサンドをつまんでいる自分が情けない。俺のバカ! いくじなし! 

ブイヤベース
ブイヤベース 店内
ミックスサンド
オムライス

7.29(sat.) 09:37 IN 久礼大正町市場 田中鮮魚店

 よし、次からはいったるで。目指すは、高知市内からクルマで50分ほど走った中土佐町にある久礼大正町市場 田中鮮魚店。南さんが高知に来たら必ず訪れるカツオの専門店で、多いときは2日連続で通ったこともあるという。おいしさのわけは、漁港から店までたった5分の近さと、カツオのソムリエと呼ばれる店主の目利きにある。その日の朝に水揚げされた一本釣りのカツオの中から上等なものを見極め、すぐにさばいて刺身やたたきにしているから、鮮度も味もピッカピカ。とにかく人気店で、食堂がオープンする10時前には到着するのが鉄則。着いたら店頭の予約票に名前を記入するのだが、9時半過ぎに到着した俺たちの前にすでに5組の名前があった。

久礼大正町市場 田中鮮魚店

開店前から行列!

久礼大正町市場 田中鮮魚店 行列

 無事に一巡目で入ることができ、待望のカツオとご対面。注文したのは、刺身とたたき。鮮度バッキバキのカツオは身がよく締まり、硬すぎず、柔らかすぎず、サクッとした弾力。嚙んだ瞬間、濃厚な赤身の旨味を感じる。脂もよくのっていて、たとえるなら2008年のパッキャオ、あるいは2012年のメッシ並み。表面を藁で焼いたたたきは香ばしく、食感も刺身とは違って、また別種のうまさ。こりゃ、通うわ。世界線が違う。

カツオ

7.29(sat.) 11:01 IN 橋本食堂

 中土佐町から高知市内に戻る途中、須崎市を通る。須崎の名物といえば、うん、そうだね、鍋焼きラーメンだね。もちろん、食べるよね。ってことで、訪れたのは、橋本食堂。オープンは11時だが、行ってビックリ、すでに並んでいる。幸い席数があるので、開店してすぐに入ることができ、鍋焼きラーメンとごはんをオーダー。最初に鍋敷きとたくわんとレンゲが置かれ、しばらくしてあつあつの土鍋に入ったラーメンがドン。さて、まずはスープから。鶏ガラベースに醬油を加えたスープはあっさりとしてコクが深い。硬めの細ストレート麺は食べ進めるうちにちょうどよくなり、スープとの相性もバツグン。具は鶏肉、ちくわ、ネギ、生卵。最後はごはんを投入して、おじやにして完食。食べる前は鍋焼きうどんのラーメン版でしょと思っていたけれど、これはもう完全に独立した一つのジャンル。ハマりそう。

橋本食堂
鍋焼きラーメン

 須崎で生まれ、半世紀にわたって地元の人々に愛され続けてきた鍋焼きラーメン。土鍋に入ったあつあつの状態で提供されるので、日本一熱いラーメンといわれる。


7.29(sat.) 13:10 IN 海の上食堂 浮橋

 外はギラギラの日ざし。ラーメンで塩分チャージした俺たちは熱中症対策も万全。南さんのちょっとした商談を兼ねて須崎市の漁業組合に立ち寄った(実はここでも食べた)後は、昨夜出会ったまこぴいのお店へ。場所は須崎市と土佐市にまたがる浦ノ内湾。穏やかな太平洋の入江沿いを走っていると、海上に浮かぶ赤い屋根の建物が見えてきた。あれが海の上食堂 浮橋だ。お店へは桟橋を歩いてアクセス。「待ちよったよ」。笑顔でまこぴいが迎えてくれる。

海の上食堂 浮橋 看板
海の上食堂 浮橋

 店内は全席オーシャンビュー。素晴らしい眺めに心癒やされていたら、大皿にのった伊勢海老が運ばれてきた。デカい! ぴくぴく動いてる! 透き通った身はぷりっぷりで、嚙めば嚙むほど口いっぱいに甘みが広がる。ほかに、高知では「流れ子」と呼ぶトコブシやサザエなどの貝の刺身も並び、流れ子は今が旬というだけあって、フレッシュな歯応えと甘みが感じられ、俺の中の推し貝に決定。貝好きの間ではアワビよりおいしいという声もあるそうだが、それも納得だ。シメは伊勢海老の殻でダシをとった雑炊。甲殻類のダシに目がない俺にとっては文句なしのエンディング。いやあ、食べた、食べた。おいしい料理に、最高のロケーション。このままここに泊まりたい…。

1.5㎏の伊勢海老!

伊勢海老

雑炊も爆ウマ

伊勢海老の殻でダシをとった雑炊

7.29(sat.) 19:29 IN かんざし

 でっぷりと膨らんだ腹をさすりながら、高知市内へリターン。晩メシまで少し時間が空いたので、SAUNA グリンピアでサウナをキメたりして、コンディション調整に励む。

夕暮れのとさでん!

夕暮れのとさでん

 19時過ぎ、再び集合して向かったのは、かんざし。ここも南さんが高知に来ると必ず立ち寄る一軒。「料理はめちゃくちゃおいしいし、何と言ってもカヨちゃんとコウちゃんの人柄が最高!」。料理はいつもおまかせという南さん。この日はカツオの刺身にたたき、タコの刺身などが入った盛り合わせ、カツオのはらんぼ(ハラミ)、岩ガキ、イノシシ肉の塩焼き、イノシシ肉のすき焼き、シメはおじやというラインナップ。カツオはその日とれたものを漁師から直接仕入れ、イノシシも知り合いの猟師から届いた天然もの。調理前に見せてもらったイノシシの肉はほんとにきれいで、こんなふうにイノシシを好きになったのは初めて…ってくらい極上の味わい。特大の岩ガキは肉厚プリプリで、剛は思わずおかわり。大きく育った旬の野菜は味が濃く、すべてがちょっと感動的なおいしさだった。

カツオの刺身にたたき、タコの刺身などが入った盛り合わせ

 どうですか、このビジュアル! かんざしに来たら絶対に頼んでほしい刺身の盛り合わせ。カツオは皮付きの刺身とたたき、タコなどが入っている。カツオは釣ったその日に水揚げされた日戻りカツオなので、とにかく新鮮でおいしい。日本酒が進む、進む。

カツオのはらんぼ(ハラミ)
岩ガキ

イノシシ肉のすき焼きサイコー

イノシシ肉のすき焼き

クサみがなくて美味すぎる…

イノシシの肉

 散々食べて飲んで、幸福な時間がゆるやかに過ぎていく。横を見ると、吉﨑が笑みを浮かべて舟を漕いでいる。剛はコウちゃんとカメラ談議、南さんはきゅうりをマイク代わりに浜省の「もうひとつの土曜日」を歌っている。何ここ、天国かよ! エデンの園は高知にあったんだね。カニエも東京ばっか行ってないで、高知に来たらいいのに。帰りがけ、南さんがしみじみと「高知に住みたいわあ」と言う。ほんとそう。かんざしの横、空いてないかな?

ーーーDAY 3へ続く


ブイヤベース
住所:高知県高知市南ノ丸町58-41

久礼大正町市場 田中鮮魚店
住所:高知県高岡郡中土佐町久礼6382(久礼大正町市場内)

橋本食堂
住所:高知県須崎市横町4-19

海の上食堂 浮橋
住所:高知県須崎市浦ノ内東分鳴無3715

かんざし
高知県高知市越前町1-1-9


Photos:Go Tanabe
Text:Masayuki Sawada
Title Logo Design:ZUMA

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