2023.05.28
最終更新日:2024.03.08

三鷹・中華そば みたかのチャシューメンに 竹の子をトッピングする。【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけで、いつもの。|第18回 】

写真家・平野太呂が、気になる人の行きつけを訪問。決まって頼むというメニューを食べて、本音をつづる。今月はバンド「cero」の高城さんの少年時代からの馴染みの味。

三鷹・中華そば みたかのチャシューメンにの画像_1

今月のあの人

昔は先代「江ぐち」へ家族で通っていました。

今の店主の優しいお店の雰囲気も魅力!

高城晶平さん/cero
バンド「cero」のボーカル/ギター。東京の情景に溶け込むサウンドと歌詞が人気。5thアルバム『e o』が5月24日(水)リリース予定。全国ツアーも開催が決定している。


撮影・文・食/平野太呂

第18回三鷹 チャシューメンに竹の子をトッピングする。

三鷹_中華そば みたか_チャシューメン

三鷹のコの字

 撮影時間の少し前に店に着く。店からお客さんがあふれ出していて、行列は廊下を横切り階段まで達している。今日の撮影はちょっと難しいかも?と、向かいの喫茶店に入ってコーヒーを飲みながら店を見ていると、みるみると客が入れ替わり、あっという間に誰もいなくなってしまった。何というオペレーションだろう。感心しながら店に入ると大きな体格の主人が温かく迎えてくれた。


 僕は戦争が大嫌いだから、ラーメンの撮影となると少し構えてしまうところがある。つまりラーメン戦争に巻き込まれているようなラーメンには興味がないのである。しかしこの「中華そば みたか」は平和そのものだ。ステンレスのコの字カウンター、メニューの数は少なくシンプル、厨房の雰囲気も朗らかだ。すっかり安心してラーメンを撮影することができる。ここに集まる多くのお客さんたちもきっとそう感じているのだろう。


 いただいたのは「竹の子チャシュー」。もちろん自家製のチャーシューと竹の子(メンマ)、真ん中にのの字のなるとがのっている。よく見ると麺がやや茶色で、武蔵野の地粉を使っているそうだ。これが食べごたえがあるのだ。ラーメン戦争とは関係のない安定の東京ラーメン。何だかホッとするのだ。あ、そうだ僕の祖母は神田でラーメン屋だったんだ。懐かしいな。ふと厨房に立つ祖母を思い出しちゃったよ。


中華そば みたか
高城さん曰く、「両親に連れられて来ていた少年時代には、チャーシューや竹の子(メンマ)をツマミに瓶ビールを飲んでいる大人がとてもカッコよく見えた」そう。「チャシューメン」¥850に竹の子トッピング¥100を足すのが高城さんの定番。

東京都三鷹市下連雀3の27の9 地下1階
TEL:0422-71-6787 
営業時間:11時~14時、17時~20時30分
月曜休み


Taro Hirano
カルチャー誌やファッション誌などで活躍。主な著書に『POOL』(リトルモア)、『ボクと先輩』(晶文社)など。



Title Design:Yu Miyama

RECOMMENDED