2022.01.05
最終更新日:2024.03.07

【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけで、いつもの。】第四回・青柳徳郎さん(ネペンテス ディレクター)/早稲田「メルシー」のラーメンに生卵を入れて、ドライカレーを一緒に。

写真家・平野太呂が、気になる人の行きつけにお邪魔。決まって頼むというメニューを食べて、本音をつづる。今回は青柳徳郎さんが惚れたメルシーのラーメンとドライカレー。

【「あの人」の定番メシを訪ねる。行きつけの画像_1

今月のあの人

昼休みに中学校を抜け出して
食べていた思い出の味。

ラーメンもドライカレーも素晴らしい

青柳徳郎さん/ネペンテス ディレクター
ネペンテスのHPにある「Director’s Note」も人気。「外食という行為を始める入り口になったお店の一つ。今は食べ切れないからドライカレーは友達と半分に分けて」。


撮影・文・食/平野太呂

第4回早稲田 メルシーのラーメンに生卵を 入れて、ドライカレーを一緒に。

早稲田「メルシー」のラーメン、ドライカレー

いや、こちらこそメルシーだよ

「軽食&ラーメン メルシー」。ん? 軽食とは? なぜフランス語? そんなツッコミを胸に店内へ。一面のガラス張りのせいで、1958年創業の老舗といえど店内は明るく清潔で入りにくさは微塵もない。入り口近くの席では3人のお嬢さんたちが楕円のアルミ皿にスプーンをカチャカチャと楽しそうなのも入りやすい理由かもしれない。すぐに目に入るのは壁に掛かった簡単なメニュー表。メニューの少なさもさることながら、値段の安さに二度見してしまう。ラーメン450円、ドライカレー540円である。軽食の域を超えない値段設定。もうこれは心意気でしかない。早稲田の学生さんを支えなくてはというお店の心意気を感じずにはいられない。
 さぞかし簡単なラーメンが出てくるのだろうと予想をしていたが、これが大間違い。うまい。麺は太めでスープはだしがきいている。専門店としてコレ一本でも勝負できるラーメンなのだ。「おおメルシー」と独りごちてしまいそうだ。ドライカレーは、幼かった頃、母ちゃんがチャーハンにエスビーのカレーパウダーをふりかけたアレである(違うかもしれないけど)。母親の顔さえ思い浮かべながらアルミ皿でカツカツと食べる。
 早稲田の学生はいいな。僕もWイニシャルのバーガンディのニットを着て「早稲田!早稲田!」と食べに来たかったな。あ、でも3つ上の青柳先輩がいたら緊張したかもな。


メルシー
早稲田の学生はもちろん、老若男女問わず近所の常連たちにも愛される老舗。ラーメン¥450に生卵¥80を入れて、ドライカレー¥540を一緒に頼むのが青柳さんの定番だ。

東京都新宿区馬場下町63
TEL:03-3202-4980 
定休日:11時~19時 
休日:日曜・祝日


Taro Hirano
カルチャー誌やファッション誌などで活躍。主な著書に『POOL』(リトルモア)、『ボクと先輩』(晶文社)など。



Title Design:Yu Miyama

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