(前編のつづき)
いよいよ4月19日(金)から、コラボ特別コレクションとして定番人気を誇る「UNIQLO and JW ANDERSON(ユニクロ アンド ジェイダブリュー アンダーソン)」の2024年春夏最新コレクションが発売される。それに先んじて、恒例企画の「試着ルポ」で狙い目を事前に見極めてみた。
モデルの松本雄司が着こなしたネイビーのセットアップは前編で紹介したラストルックだ。ロンドン在住アーティストを起用したエネルギッシュなポートレートが、今春夏のテーマである「In The Artist's Studio」を如実に物語っている。
松本:後編はパンツをチェンジしてみます。
ユーティリティワークショーツ ¥2,990
実は、ネイビーのセットアップはコットン100%のジャケットと綿67%・麻33%の混紡パンツとの組み合わせ。ジャケットと同素材で選ぶならば、「ユーティリティワークショーツ」になるのだ。
松本:ロングパンツではなく、ショーツとのセットアップとはユニークですね。
グローバルブランドの「UNIQLO(ユニクロ)」と、英国デザイナーのジョナサン・アンダーソンが手掛ける「JW ANDERSON(ジェイダブリュー アンダーソン)」がタッグを組んだコラボ特別コレクションは2017年秋冬にスタートし、今春夏で14シーズン目。既存のレギュラー商品とは一線を画す攻めの姿勢を楽しみたい。
リネンブレンドイージーパンツ ¥3,990
松本:ショーツを試着する前に、リネンパンツのアザーカラーを紹介しておきます。
「黒がない、デニムもない」今春夏の「ユニクロ アンド ジェイダブリュー アンダーソン」の打ち出しは、新鮮なリネンパンツ。チノパンのような「31 BEIGE」とパジャマパンツのような「67 BLUE」を含む3色展開の「リネンブレンドイージーパンツ」は、大人買いもお勧めだ。
ディテールも凝っており、ウエストゴムに加えてベルトレスで着用できるスピンドルコードが内側に施されているほか、ゴムが目立たずきっちりめの見た目を演出できるベルトループまで付いている。
さっそく試着室へ。
ショーツの裏側に付随した大きめリボンのハンガーループも今春夏ならではのディテールだ。表層的なおしゃれを超越したアーティストたちの日常をトレースするならば、ハンガーループは持ち運びにも便利だが、洗濯後にラックに引っ掛けてそのまま乾かすような風景が目に浮かぶ。
カラーは松本が手持ちの「68 BLUE」のほか、薄めの「65 BLUE」、ミント調の「56 OLIVE」、ほぼ白の「30 NATURAL」が揃う。
松本が試着中、今春夏の全体観をチェック。
英国ミッドセンチュリー期のグッドデザインから着想を得て、デザイナーのジョナサン・アンダーソンが練り出したアイテムは全17品目。全8アイテムのメンズには黒がなくデニムもない。キーカラーはネイビーで、リネンがトレンド素材になる。
コットンジャケット (68 BLUE) ¥6,990
ついでに編集部員の薬師神もネイビーの「コットンジャケット」を試着してみた。サンプルは松本が試着した同じLサイズだが、薬師神の場合は肩が落ち、袖丈にもまだ余裕がある。
薬師神:ワンウォッシュデニムに合わせてみました。いい感じです。いつもユニクロではXLを選んでいるけど、Lでも大きめな気がする。
ここでサイズに関して注意点。最大サイズはXXLで、実店舗での展開サイズは通常のユニクロではXLまでだが、このコラボはLサイズまで(XLとXXLがオンライン限定)。身長181cmの松本雄司でも、Lサイズでほとんどの商品が着用可能。
松本:お待たせしました。芸術家インスパイアと聞いていたので、もっとラフでカジュアルな見た目かと思いきや違いましたね。
コットン100%。ひざ上丈だが短すぎず、裾幅は広すぎず、ポケットもスラックス型ですっきり。初夏までに完売確実の「ユーティリティワークショーツ」は早めにゲットしておきたい。
グラフィックTシャツ(半袖) ¥1,990
ディテールは「リネンブレンドイージーパンツ」と同様に、ウエストゴムと内側のスピンドルコード、そして外側にベルトループ付き。アーティスティックな「グラフィックTシャツ」をパンツインしてベルトで締めてもシックにまとまる。
ジャケットにもショーツにも裏地がなく、ウォッシュがかかったコットン素材は両腕や太ももなど素肌が触れても心地よい。夏場のコーディネートはどうしてもルーズになりがちだが、このセットアップがあれば大人男子も安心だ。クリエイティブなサラリーマンには通勤着としてもお勧め。
松本:美術館に繰り出したい気分です。それこそミッドセンチュリーに興味が沸きました。
ここで、インスピレーション源になったミッドセンチュリー(1940~60年代)を代表する具体的人物を挙げておこう。1人は英国を代表する家具デザイナーであるロビン・デイ(Robin Day / 1915~2000年)、そしてもう1人は英国の織物デザイナーであるピーター・コリンウッド(Peter Collingwood / 1922~2008)。ともにジョナサンがリスペクトする巨匠たちだ。
松本:あれ? 色違いかな?
コットンジャケット (30 NATURAL) ¥6,990
今春夏のメンズラインナップで唯一のアウターである「コットンジャケット」は2色展開だった。ネイビーの「68 BLUE」に加えて、緊張感が漂う「30 NATURAL」はおしゃれ上級者向け。当然のごとく、同色セットアップでも楽しめる。
松本:そうだ。Tシャツの色も替えてみます。
まるで、まっさらなキャンバスに色を殴り描きしたかのよう。キャッチーな遊び心を残しつつ、涼しげなシンプルコーディネートが完成した。
ちなみに、3月に発売された「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」にもショーツは2型存在するが、1つはスポーツ仕様でもう1つはナイロン素材のパラシュートパンツ型だった。スタンダードなコットン100%のショーツが欲しいならば、こちらで決まりだ。
ナチュラルのコットンジャケットを羽織った松本。窓から差し込む柔らかな西日がホワイトコーディネートをより一層引き立てる。
そしてワンランク上の大人の‟LifeWear”は財布にも優しく、ジャケット・ショーツ・Tシャツの3点で税込12,000円を切るのだ。気兼ねなくセットアップのまま創作活動に勤しみ、油絵の具やペンキの染みが付くくらいのほうがサマになる。
バッグ ¥3,990
全17アイテムのうち、男女兼用の小物が2アイテム。その1つである「バッグ」を発見。オリジナル刻印のワンポイント刺績入りで、ノートパソコンを収納できるビッグサイズ。内側についた3つのポケットに充電ケーブルやマウスなどの小物も収納可能だ。コットン100%。
手前から、ネイビーより明るめの「65 BLUE」、セットアップと同色の「30 NATURAL」、今春夏で唯一の黒系アイテムとなる「07 GRAY」の3色展開。うち、ウェアと同じトーンで合わせられるバッグはナチュラルだけ。少し妙ではある。
もしかするとジョナサン的には、ダークトーンで大人男子に確実に似合うネイビーよりも、少々難解なナチュラルのカラーパレットを2024年春夏のシーンに提案したいのかもしれない。
松本:そう考えるとナチュラルが気になる…。
ニットポロシャツ(半袖) ¥2,990
アートTシャツから「ニットポロシャツ(半袖)」へ。前編でも紹介したスキッパータイプのポロシャツは大人男子から支持を得られること確実。
いつものコラボならば「JW」ロゴが左胸や裾に施しているところだが、今春夏は襟・裾・袖のラインのみ。アノニマスなテイストを保っている。
さあ、締めのジャケットを羽織ろう。
松本:白洲次郎さんが別荘でくつろいでいるような。僭越ながらそんな姿を思い浮かべました。
ジャケット・ショーツ・ポロシャツの3点トータルコーディネート。ネイビーと打って変わって、オフホワイトとナチュラルの組み合わせがノスタルジックに映える。これぞ、「大人のユニクロ」だ。
ソックス ¥390
ラストは「ソックス」。
シーズンコンセプトや意匠とリンクさせたポップな柄はリピート買いが続出するほどの人気商品だ。レギュラー商品と同様、3点で990円(税込)で4点目以降は1点につき330円(税込)のリーズナブルプライス。男女兼用で全12柄が揃う。
松本:トートバッグの持ち手のような柄もあるんですね。柄の着想源を探すのも面白い。
その持ち手は、手に馴染みやすくタフだった。丈夫なコットンキャンバスを使用したトートはアートブックを3冊放り込んでもびくともしない。
さあ、「リネンパンツとネイビーコーディネート」を軸に紹介した前編と、「ショーツと小物」をピックアップした後編を併読して、「ユニクロ アンド ジェイダブリュー アンダーソン」2024年春夏の商品ラインナップを頭に叩き込もう。
「In The Artist's Studio」をイメージしつつ、最善のショッピングを楽しんで欲しい!