例年より約2ヵ月遅れて、3月8日(金)に発売される「ユニクロ ユー」2024年春夏の展示会にて試着ルポ。ネイビーを中心に紹介した前編に続く後編では、アイコンカラーのブラウンやサンドベージュなどアースカラーのアイテムをお届け!
早くも「ワンランク上の大人のReasonable」と好評価を得ている「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」2024年春夏が、いよいよ3月8日(金)に発売される。
それに先んじた恒例の試着ルポでは、今春夏のキーカラーであるネイビーに彩られた沿線12アイテムを前編プレスルームでチェック。つづく後編ではアイコンカラーのブラウンやサンドベージュなど、春先にぴったりなアースカラーを中心に試着していく。
コンセプトは服に具体的な進化をもたらすものでなければなりません。それが私のデザインの哲学です。人々のあるべき装いについて、私個人のこだわりやファンタジーを投影することではないのです。実際の暮らしを理解するために耳を傾け、服を通じて役に立ちたい。良い服は良い友人のようであるべきです。前向きな気分になれないとき、自信がないときに助けてくれる友人。それは安心感を与えてくれる存在で、自身を進化させられる存在であるべきなのです。
こちらの公式コメントはユニクロ・パリR&D(Research and Development)センターを率いるクリストフ・ルメールより。ワンランク上の大人のLifeWear、「ユニクロ ユー」の真骨頂やいかに!?
①サンダル
¥3,990
「ユニクロ」プレスルームにて、モデル・俳優の若林拓也がスタイリングの締めにした「サンダル」のカラーは「09 BLACK」だった。さらにホールド感が向上し、スエード調のポリエステルで高級感を増した「サンダル」は既に発売中。アザーカラーに手持ちの「06 GRAY」と「36 BROWN」が揃う計3色展開だ。
若林:そうそう。すでに先行発売されている商品もあるんですよね。どっちの色にしようかな?
②タックワイドパンツ
¥4,990
即完売するかはさておき、今春夏のラインナップで編集部員からの評価が最も高かったアイテムが、奇をてらわないベーシックな「タックワイドパンツ」だ。前編で試着した「69 NAVY」と「32 BEIGE」の2色展開だが、サイズ違い・おかわり・2色買い、すべて問題ない。綿80%・レーヨン20%の混紡でライトな着用感。オーセンティックな大人男子の着こなしにマッチする。
若林:パンツに合わせてサンダルはブラウンにしました。他のパンツも気になるけど。
スラックス型の他のラインナップは、綿100%の「ワイドフィットチノ」と綿66%・ナイロン34%の混紡でサイドポケット付きの「ワイドフィットパラシュートカーゴパンツ」。若林が試着した「タックワイドパンツ」は、ほどよい化繊入りで、タックがあるぶんボリューミー、かつライトウェイト。真夏までヘビロテ必至なのだ。
③ユーティリティオーバーサイズシャツ(長袖)
¥4,990
近頃は、UNIQLO が最も得意とする「手頃な価格で信頼できるクオリティー」を Uniqlo U でも実現するために、身体を守るためのアイテムを数多く手がけています。最近、フランス西部のブルターニュ地方を何度か訪れているのですが、そこではよく雨が降ります。非常に強い風雨を経験したことで、デザインに関する学びがいくつかありました。激しい天候の中で身を守るための微妙なコツや、アジャスターの位置が重要なポイントであることなど、色々ありますね。
若林:デザインの一部のような背中のベンチレーションがすごい。背中に汗をかいても平気そう。
若林:このバッグは僕も持ってます。1年前か2年前に買った記憶がありますが、同じデザイン?
④ドローストリングショルダーバッグ
¥2,990
2022年春夏に初登場し、今春夏で5度目の企画となる「ドローストリングショルダーバッグ」は「ユニクロ ユー」きってのアイデア商品。ショルダーを持つ際に巾着の口の部分が折り重なるデザインはそのまま盗難防止にもなり、垂れた紐もアクセントとして機能する。パリ発信のエスプリを改めて堪能できる逸品だ。
⑤ランニングキャップ
¥1,990
若林:締めて18,950円(税込)。今春夏は通常のレギュラーライン並みにリーズナブルな気がします。究極の普段着に行き着いちゃった感。
⑥ドローストリングバッグ(スモール)
¥1,990
リピート買いが続出している「ユニクロ ユー」の人気商品が、エアリズムTシャツシリーズだ。通常のレギュラーラインのエアリズムTシャツよりも豊富なカラバリと旬のサイズ感にシーズンの特徴が現れる。
私は自然からインスピレーションを得た色に惹かれ、ビビッドな色とニュートラルな色のバランスを取るようにしています。それはタイムレスな服を作るためのポイントなのです。だから大抵の場合、褪せた感じの色や中間色を好んで選びます。グレー、ベージュ、ホワイト、ブラックなど、それぞれに実に様々な色合いがあります。より落ち着いた、時代を越えて親しまれる色がいいのです。例えば、今季は定番の U T シャツの形には手を加えず、代わりにカラーパレットを極めることに注力しました。
今春夏は、半袖では写真後方の「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」と写真手前の「エアリズムコットンリラックスフィットクルーネックT(5分袖)」、そして「エアリズムコットンオーバーサイズクルーネックT(ボーダー・5分袖)」、の3型。この他に長袖の「エアリズムコットンクルーネックT」がある。
若林:これ、カタカナで一語だから毎回どれがどれだかわかならくなるんですよね。
⑦エアリズムコットン
オーバーサイズTシャツ(5分袖)
¥1,990
若林:いわゆる普通の首回りです。
ネックはオーバーロック縫製で2枚の布を結合する一般的なロック付け衿(手付け衿)の仕立て。経年変化でのネックの伸びも許容する。
⑧エアリズムコットン
リラックスフィットクルーネックT(5分袖)
¥1,990
こちらのポケット付きは綿73%・複合繊維(ポリエステル)27%の素材構成でコットンの割合が大きい。ボディの生地を衿で挟むバインダーネック縫製で衿が伸びにくい。サイズはXSからXXLまで。
若林:値段が同じ1,990円(税込)で迷います。エアリズムのポケTは初めてなのでこっちかな?
⑨エアリズムコットン
クルーネックT(長袖)
¥1,990
半袖では「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」と、新型の「エアリズムコットンリラックスフィットクルーネックT(5分袖)」の2型を紹介した。前編でもピックアップした長袖の「エアリズムコットンクルーネックT(長袖)」も完全新型だった。
若林:ネックは無地の半袖と同じロック付け。でも、値段が長袖と半袖で同じ1,990円(税込)でびっくり。お得感があるのでやっぱり長袖!?
3月発売という季節柄、長袖をベースにスタイリング。そして、続くアイテムには軽い衝撃が…。
⑩ユーティリティベスト
¥3,990
今春夏の傾向からミリタリー由来のデザインであることは明らかだが、完全新型の「ユニクロ ユー」オリジナルとなる「ユーティリティベスト」が登場。スタンダードなアイテムに飽きている大人男子におすすめ。
今季は、異なるシルエットを重ねたり組み合わせてコーディネートしやすい服づくりにフォーカスしました。身体を守ることとレイヤリングが可能な服は、暖かさと多様なスタイリングの両方を叶えます。私たちのチームはまず身体との距離が一番近いベースレイヤーから作り始め、そのうえに重ねるように服を作っていきました。実用性や機能性を高めるために、隠れたフードやポケットをたくさんあしらっています。また、ジャージー素材の裏地が、究極の着心地の良さを実現しています。風通しの良い軽やかな装いも、裏地があるのであたたかい。
前開きはバックル仕様で、裏地は厚みのあるメッシュ仕立てで汗ムレを軽減、サイドに施したゴムで型くずれもしにくい。チャレンジングなレイヤーアイテムは前身頃に6つのポケット付き。街着としても使える。
色は美しいほど高価ということではありません。ですから毎シーズン、カラーパレットを組み立てる作業を大いに楽しんでいます。色には実に多くのニュアンスがあります。日本の文化では、ひとえに黒といっても様々な色合いがあります。ウェットな黒とドライな黒には違いがあるのです。素晴らしいですよね。実際の自然には多くのニュアンスを持ち合わせた豊かな色の世界が存在しているのですから。
ちなみに「ユーティリティベスト」はオンラインストアではアウター扱いになっている。長袖Tシャツ・パンツ・サンダル・ベスト、さらに春アウターをレイヤードして端境期のスタイリングを構成していこう。
⑪ライトウェイトコート
¥9,990
若林:スタンドカラーでチャイナ風?
若林着用の「04 GRAY」に「09 BLACK」を加えた3色展開。ポケットが胸の高い位置にあって座った状態でも取り出しやすく、腰のストリングでボリュームを調整可能。フードを内蔵するほか、ナイロン100%の素材には小雨程度の水をはじく撥水加工が施されている。冬の終わりから梅雨時期まで重宝するはずだ。
⑫ニットポロシャツ(半袖)
¥3,990
前ボタンの前立てが胸元あたりまで届くオーバーサイズのデザイン。ポリエステル70%・レーヨン30%の混紡で、使い勝手のよい「09 BLACK」「30 NATURAL」「35 BROWN」「69 NAVY」の4色がラインナップ。しっかりとブラックとネイビーの王道カラーも揃えており、これは今春夏では珍しい特徴になる。
⑬パラシュートカーゴショーツ
¥2,990
若林:全体的に大きいので膝上丈でもさほど気になりません。ラフに両腕を突っ込みたい。
半袖ポロとショーツの夏向けコーディネートに「ライトウェイトコート」を羽織る。トータルスタイリング3ルック目は、春風を切ってストリートを闊歩したくなるオフバランスなコーディネートだ。
⑭ドライEXタンクトップ
¥1,500
2024年春夏の商品構成はカジュアルだけにあらず。ありそうでなかった「ユニクロ ユー」のスポーツラインは、「ユニクロ」の専売特許である「ドライEX」機能を盛り込んだ「タンクトップ・半袖Tシャツ・ショーツ」のミニマルラインナップだ。本格的なスポーツシーンのど真ん中よりは、カジュアルファッション寄り。
若林:皇居ランくらいはいけそう。1枚で「ドライEXタンクトップ」を着こなせたら玄人です。
ポリエステル70%・ナイロン30%のオール化繊だが服地に近い素材感。汗をすばやく吸収して拡散させる「ドライEX」独自の生地構造で、肌面に汗が残りにくくサラサラ感が続く。抗菌防臭機能付き。
⑮ドライEXクルーネックTシャツ(半袖)
¥1,990
カラバリはタンクトップが「01 OFF WHITE」「08 DARK GRAY」「36 BROWN」「67 BLUE」の4色展開、半袖Tシャツが「52 GREEN」を加えた5色展開。王道のブラックを入れずにアースカラーを推す、さすが「ユニクロ ユー」のスポーツラインといったところ。
⑯ドライEXショーツ
¥1,990
若林:真夏は毎日このスタイルかな。
毎日の暮らしに寄り添い、普段着に進化をもたらすという UNIQLO の哲学には心から共感しています。まさにファッションはそうあるべきだと。ある種のスペクタクルになってしまったファッションですが、この基本に立ち返るべきです。家具や建築のデザインのように。機能性とアート、センスの良いバランスを見つけることがポイントだと思います。
Text: Takafumi Hojoh