
洋服好きの血が騒ぐ!
グローバルブランドの「UNIQLO(ユニクロ)」で毎シーズン人気の特別コレクション「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」から、2025年春夏コレクションが継続リリース。アーティスティック・ディレクターのクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ-リン・トラン(Sarah-Linh Tran)が率いるデザインチームが、ユニクロのパリのR&Dセンターとともに上質なワードローブを追求するコレクションが3月20日(木祝)に発売される。
それに先んじて、業界最速試着ルポをプレスルームで決行。「過去10年で最も難解であり、最もハイセンス」と断言できる今春夏の「ユニクロ ユー」から、大人男子へのお勧めをピックアップしよう。




情報解禁日に公開した速報記事の通り、今春夏の「ユニクロ ユー」はメンズ(19)・ウィメンズ(19)・グッズ(3)と例年並みの商品数であるが、メンズには「ジャケットとジーンズが存在しない」。これは2016年秋冬の1stコレクション以来、初めてのことだ。また、アイコンカラーのブラウン系が鳴りを潜め、生成色とグレイッシュなトーンが台頭している。さらに、メンズとウィメンズを合わせた全商品のうち柄物はTシャツ1型のみで、37アイテムのほぼすべてがソリッドカラーになる。

黒澤怜慈:メンズが19点、ウィメンズが19点という分類自体が時代遅れなのかも…。公式サイトをチェックすると、洋服は全38点から好きなように組み合わせて欲しいという意志を感じます。
試着担当のモデルは、「ユニクロ アンド JW アンダーソン」や「ユニクロ:シー」でも試着ルポの経験がある黒澤怜慈。「ユニクロ ユー」に敬意を表し、アイコンカラーであるブラウンでまとめた私服で訪れたものの、ラックには茶色の服がまったくない。プレスルームに漂う「ナチュラル&ユニセックス」なムードを一瞬にして理解したのだった。
黒澤:今春夏のテーマは「軽やかなレイヤードスタイル」ですって。レイヤードを楽しみましょう。

公式ビジュアルの1つが気になった黒澤。テーマに掲げられた「軽やかなレイヤードスタイル」とは、シャツ&ニットのような単純なものではなく、「同系色かつサイズバランスを遊ぶもの」なのだ。
黒澤:このスタイリングはタイトな古着のバンドTシャツを冬に着るときによくやります。それを同じ色でルーズにまとめるなんて新鮮です
①エアリズムコットンクルーネックTシャツ(¥1,990)・②クルーネックTシャツ7分袖(¥1,990)



まずは初心者向けレイヤードから。「エアリズムコットンクルーネックTシャツ」と「クルーネックTシャツ7分袖」は長袖のほうが下になる。2025年春夏のトレンドカラーに躍り出たグレーだが、長袖が「06 GRAY」で7分袖が「07 GRAY」と微妙にトーンが異なっている。どちらのカットソーにも茶色・焦げ茶・ブラウン系のカラーはない。

黒澤:「このグレーは06の色合いですね」とか、数字まで指摘できたら「大人のユニクロ」認定?
試着のベースとなるコーディネートを完成させるべく、トップスの次はボトムス選び。これも公式ビジュアルのパンツからヒントを得て、同系色のグレーパンツ2本に絞られた。どちらもヘビロテ必至。
③ライトウェイトスウェットワイドパンツ ¥3,990




黒澤:やばい。「07 GRAY」ですって。
2025年春夏の「ユニクロ ユー」の前評判、「過去10年で最も難解であり、最もハイセンス」では後者のほう、デザインチーム渾身のクリエイションが「ライトウェイトスウェットワイドパンツ」だ。カラバリは「09 BLACK」「31 BEIGE」を含む3色展開。綿100%も嬉しい。

春夏は肉厚なボトムスは嫌われがち。ライトウェイトでのっぺらな印象になりがちなところを、スウェットパンツらしからぬウエストギャザーとフロントタックなどウィメンズのディテールを取り入れ、立体的なシルエットで解消したのだ。柔和なシルエットでタックの陰影もレイヤードと相性よし。
黒澤:腰回りがふんわりと横に広がるテクニックがすごい。前開きファスナーもありました。
④ワイドフィットチノ ¥3,990

発売日の3月20日(木祝)を考慮して、冬のうちからすぐに着用できる「ワイドフィットチノ」も試してみよう。今春夏のチノパンはサイズ展開が手厚く、通常の特別コレクションであれば最大ウエストが90cm台であるところ、70cmから120cmまでとキングサイズまで揃う。91cmの次が95cmになり、そこから120cmまで6サイズもあるのだ。
黒澤:チノパンも「07 GRAY」。テーパードは控えめで、ストンと落ちる感じです。
カラバリは「09 BLACK」と「30 NATURAL」のほか、薄いベージュに近い「35 BROWN」と「38 DARK BROWN」を加えた5色。2クッションほど付く「丈長め」のバリエーションも選べる。
⑤ナローロングレザーベルト ¥2,990

今までの「ユニクロ ユー」では前例がないアイテム、ベルトを発見。イタリアの老舗レザーメーカーであるヴォルピ(Volpi)社の牛革を使用した、カジュアルな「ナローロングレザーベルト」だ。
レギュラーラインの「ユニクロ」のベルトはビジネス向けが大半なので、忘れずに購入しておこう。ユニセックスで「09 BLACK」「30 NATURAL」「38 DARK BROWN」の3色展開。




グレートーンの基本スタイルが完成。7分袖Tシャツとリブ付き長袖Tシャツのレイヤードは、サイズバランスだけで「ユニクロ ユー」だとわかる。
ちなみに、今春夏のテーマに付随するキーワードとして、「Fresh Pastel Color」「Light Fabrics」「Utility Items」の3つが添えられている。クリストフ・ルメールとサラ-リン・トランの認識では「グレー」もパステルカラーに該当するのだ。ブラウンに続き、大人好みのグレーコーディネートを春までにマスターしておきたい。
⑥ドライEXクルーネックTシャツ ¥1,990

静謐なグレートーンのまま、夏の気分で一新するならば「ドライEXクルーネックTシャツ」がお勧め。試着中のエアリズム長袖Tシャツは「06 GRAY」で、7分袖Tシャツとチノパンが「07 GRAY」だが、このドライTは「07 GRAY」のほう。
黒澤:驚きですが、このドライTには「08 DARK GRAY」も存在します。「グレーって何色あるねん!?」てルメールさんに問いたくなりますね。
⑦オーバーサイズステンカラーコート ¥9,990




いよいよアウターを試着。マネキンが着用している「オーバーサイズステンカラーコート」も提案色のグレーを打ち出していた。ビジネスとカジュアルの双方で着回せる「ユニクロ ユー」のステンカラーコートは毎シーズン評判が高く、1万円台がほとんどだった。なんと今春夏は9,990円(税込)であり、マストバイ中のマストバイなのだ。
試着の黒澤、カットソーの重ね着の上にそのままコートを羽織ると思いきや…。
黒澤:レイヤードを意識してブルゾンが先。袖の付け根が窮屈じゃないのでとても快適です。
⑧フーデッドブルゾン ¥5,990

カラーは都合4色目となる「05 GRAY」で、他色に「09 BLACK」と「30 NATURAL」が揃う「フーデッドブルゾン」。インナーのカットソー2枚とチノパン、そしてブルゾンが織りなす美しいグレーのグラデーションをチェックして欲しい。
このボリュームも、先の「ライトウェイトスウェットワイドパンツ」と同様にパターンテクニックで意図的に生み出されたものである。袖の付け根に余裕を持たせたオーバルフォルムで縫製されており、着るだけで、今春夏の「ユニクロ ユー」らしい丸みを帯びたシルエットを楽しめるのだ。
⑨UVカットハット ¥2,990




グッズまで出色のクオリティ。
バケットハットを今春夏のキーワードである「Fresh Pastel Color」と「Light Fabrics」で仕立て、機能性まで完備させた「Utility Items」の「UVカットハット」だ。同色ドローコードとベンチレーションが付き内側はメッシュ仕様てになっている。カラバリもブルゾンと同様で、ともに「05 GRAY」で揃う。潔くセット購入しておこう。
黒澤:では、ラスボスのコートを重ねます。




優雅に裾がなびくライトウェイトの「オーバーサイズステンカラーコート」を猛プッシュ。素材からこだわっており、表地はレーヨン75%・ナイロン25%の混紡でハリとコシが見当たらないほどに砕けた風合いだ。胴裏(ポリエステル65%・綿35%)と袖裏(ポリエステル100%)に裏地付き。
黒澤:計算すると、コート(¥9,990)・ブルゾン(¥5,990)・エアリズム長袖T(¥1,990)・7分袖T(¥1,990)・チノパン(¥3,990)・ベルト(¥2,990)の6点セットで26,940円(税込)でした。バケットハット(¥2,990)を入れても29,930円(税込)です。このままセット購入したい…。
ネックはさほど緩くはない。が、身頃と袖回りはスーツの上からも合わせられるほどのゆとりがある。しかもそれは、2025年春夏も継続トレンドであるビッグサイズ&ボリュームシルエットの流れにも乗っている。ビジネスとカジュアルの双方で活用できる高度なデザインバランスが、大人男子にとっては最大の推しポイントになる。
⑩ショルダーバッグナイロン ¥2,990

粒揃いなグッズの最後の3つ目が「ショルダーバッグナイロン」だ。2020年末にソフトローンチし、2021年春夏より本格展開しているベストセラーの「ラウンドミニショルダーバッグ」を彷彿とさせるが、まったくの別物。見た目以上の大容量。
黒澤:なぜかグレーの展開がありませんでした。




新作の「ラウンドミニショルダーバッグ」は「30 NATURAL」のほか、「09 BLACK」「48 YELLOW」「78 PURPLE」の4色展開。濃厚なパープルは今春夏の「ユニクロ ユー」ならでは。
黒澤:このチノパン、ヘビロテしそう…。
ほか、紹介済みの「UVカットハット」(30 NATURAL)と「ワイドフィットチノ」(35 BROWN)からアザーカラーを紹介しておこう。グレーはあくまでもコンセプチュアルな提案色である。自分らしく組み合わせてエンジョイしよう。

そして、「前編」最後の試着へ。
公式ビジュアルを見直した黒澤、“三つ巴”のコラボ特別コレクションにおいて、三者三様でテイストが常に異なるアイテムに辿り着いた。素材・パターン・シルエット・色使いなど、クリストフ・ルメール&サラ-リン・トラン(ユニクロ ユー)、ジョナサン・アンダーソン(ユニクロ アンド JW アンダーソン)、クレア・ワイト・ケラー(ユニクロ:シー)らのデザインアプローチが最も色濃く反映されるアイテムこそ、「シャツ」なのだ。
⑪ロングオーバーサイズシャツ長袖 ¥4,990




素材使いに技あり。ルック通りに「ワイドフィットチノ」(07 GRAY)の上に「ロングオーバーサイズシャツ長袖」を合わせた黒澤、最初は極細のストライプ柄のように見えたと言うが…。
黒澤:触ってみるときめ細かいシアサッカー素材だとわかりました。このシャツ、試着すると必ず購入してしまうほどに肌触りがいい。
3つの特別コレクションの中で、最も襟が大きく、最も胸ポケットが大きく、深めのサイドスリットに補強のガセットまでプラスし、フロントボタンの裏地までしっかりと縫製されたワークシャツ仕様でアイロン要らずの「ユニクロ ユー」のシャツだ。試着カラーは「05 GRAY」で、ほかに「09 BLACK」と「30 NATURAL」がある。


「前編」の締めのカット。
改めて、「軽やかなレイヤードスタイル」をテーマに掲げた「ユニクロ ユー」2025年春夏コレクションは3月20日(木祝)発売。大人男子にとっては「デニムがない」「ジャケットがない」と無い無い尽くしではあるが、これ見よがしではない高度なデザインやコーディネートの面白さ、そして提案色のグレーなど、今までの路線から飛び出したチャレンジ精神とクリエイティブの発露が見て取れる。
黒澤:実は、今までで一番好きです。
3月4日(火)に公開した速報と併せて、今一度、試着ルポの内容を熟読して購入計画を立てよう。
《オマケの1枚》

オマケの1枚。
黒澤:この濃い色、グレーの分類ではゼロゴー、ゼロロク、ゼロナナ、ゼロハチ…。
呪文のようにリフレインしているが、黒澤が手にしたパンツとブルゾンらはド直球の「09 BLACK」である。続く「後編」では、買って120%間違いのない「黒」アイテムを中心にお届けする。もちろん発売日前に公開予定。乞うご期待!
Uniqlo U 2025年春夏コレクション
発売日:2025年3月20日(木)
販売店舗:
[フルラインナップ] 国内76店舗、オンラインストア
[一部商品] 国内全店舗
商品構成:メンズ(19)・ウィメンズ(19)・グッズ(3)