ブラウン派? それともブラック派?
毎シーズン恒例のコラボ特別コレクション「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」の2024年秋冬最新作が、いよいよ9月27日(金)に発売される。クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ=リン・トラン(Sarah-Linh Tran)、2人のアーティスティック・ディレクターが率いるユニクロ・パリのデザインチームの提案は、「軽やかさが誘う、心地よさ」をテーマに掲げた「ワンランク上の長く愛されるスタンダードワードローブ」だ。
その発売日に先んじて取材した試着ルポの前編では、2016年秋冬の1stコレクション以来、「ユニクロ ユー」のキーカラーとなっている「ブラウン」を中心に紹介。続く後編では、購入して120%間違いのない「黒系カラー」をお届けする。
①オーバーサイズステンカラーコート ¥12,900
コラボ特別コレクションの生産はメインラインの「UNIQLO(ユニクロ)」よりも圧倒的に少ない。迷っているうちに買い逃すことがないよう、リアルな試着ルポでチェックしていこう。
黒澤怜慈:ほんと、どっちも素敵で選べない。
ミュージシャン・ビデオグラファーとしての顔も持つモデルの黒澤怜慈(くろさわれいじ)が試着担当。前編で「36 BROWN」を試着した「オーバーサイズステンカラーコート」のアザーカラーは、墨黒に近い「08 DARK GRAY」だ。ブラウン系でまとめたコーディネートの上に羽織ってみよう。
裏地はポリエステルの半裏仕様で秋の入口からローテーション入り確実のステンカラーコート。素材は綿77%・ナイロン23%の混紡で、撥水加工が施されているほか、このシンプルな見た目で襟裏にフードも内蔵されている。大人男子の週末カジュアルにもビジネスシーンでも大活躍間違いなし。
黒澤:真っ黒ではないので、インナーがブラウンでも合うと言えば合います。が、黒系でまとめたらさらにワンランク上を目指せるかも…。
②コーデュロイタックワイドパンツ ¥4,990
パンツ・ニット・キャップを黒系にチェンジ。“黒系”の理由だが、今秋冬は単純なブラックは数点しか存在せず、ほとんどがチャコール系になるからだ。前編でも「ブラウンは濃淡のニュアンスだけで4種類以上」と指摘したが、この贅沢なカラーパレットの追求も「ユニクロ ユー」の醍醐味。
黒澤:これは黒?
すでに「36 BROWN」を試着済みの「コーデュロイタックワイドパンツ」は「08 DARK GRAY」と「32 BEIGE」を加えた3色展開。テーパード抑えめのボリューミーなフォルムで、フック式アジャスターベルトやフラップ付きバックポケットのディテールはクライミングパンツがモチーフ。アウトドアとモード、その中間地点のようなパンツだ。
③フリースライニングキャップ ¥2,990
黒澤:キャップは黒がありました。でも、ダークグレーもあるという。黒系でも迷ってしまう。
被ると一気に今秋冬の「ユニクロ ユー」らしいスタイルに着地する「フリースライニングキャップ」。ポリエステル70%・毛18%のフリース素材で、もこもこした起毛トリコット素材の裏地とのコンビで構成されている。耳当ても同色で主張控えめ。
④メリノブレンドモックネックセーター ¥3,990
パンツ、キャップの黒系色を選び、最後にニット。「メリノブレンドモックネックセーター」は毛50%・アクリル50%のカジュアルな混紡。前編で試着した「38 DARK BROWN」に「09 BLACK」「31 BEIGE」を加えた3色展開だ。
黒澤:タートル未満。浅いモックネックのデザインは着たほうがよくわかるかも…。
では、コートを羽織る前に、後編の基本スタイルとなるニット・パンツ・キャップの3点を試着!
これぞ、極上のミニマルコーディネート。
絶妙な高さのモックネックの「メリノブレンドモックネックセーター」、クライミングパンツのディテールを取り入れた「コーデュロイタックワイドパンツ」、耳当てがポイントの「フリースライニングキャップ」、それぞれがベーシックに少々のひねりを加えたデザインだ。3点で11,970円(税込)。
無造作に見えてハイレベルを突く黒スタイルは、多くの大人男子が欲するところだろう。インナーのコーディネートを先ほどのブラウン系と比較しつつ、「オーバーサイズステンカラーコート」の「08 DARK GRAY」をもう一度試着してみる。
黒澤:やっぱり馴染みがいいですね。
コートは今秋冬の「ユニクロ ユー」最高値。ニットとパンツの3点合計で21,880円(税込)だ。キャップを加えても2万5千円でお釣りがくる。
⑤パフテックボリュームパーカ ¥12,900
重衣料はステンカラーコートと「パフテックボリュームパーカ」の2型で、同じく黒はないが「08 DARK GRAY」がある。「パフテック」とは、昨年の2023年秋冬から「ユニクロ」が新機軸として打ち出している中綿入りアウターの新名称だ。
風の侵入を軽減する隠しゴム仕様の袖口や、防寒性を高める裾のアジャスターなど見えない箇所のディテールも秀逸。前編でおさらいしておこう。
黒澤:丸っこい形でパンツとのバランスが最高です。たぶん、短めの着丈が珍しいのでは?
黒澤の指摘は当たっている。ドロップショルダ―の肩線から袖先までアームは太いまま、ワイドな身幅からはアンバランスに思えるほどに着丈が短く、パンツアウトしたインナーの白Tシャツがチラ見えする。メインラインとは異なるコラボ特別コレクションだけに、ただ着るだけではなく、料理して着こなす度胸が求められる。もし、大当たりしたならば最強にスタイリッシュな“LifeWear”になる。
⑥ラムニットジャケット ¥5,990
冬用アウターから軽アウターへとチェンジ。
2024年秋冬キャンペーンヴィジュアルのメインカットでフィーチャーされた「ラムニットジャケット」のカラーは「35 BROWN」だが、アザーカラーとして「09 BLACK」も展開している。暖かい強撚のプレミアムウールを使用したミドルゲージで、袖口と裾はカジュアルなリブ仕立て。
なお、今秋冬の商品ラインナップはメンズ17点・ウィメンズ16点・グッズ3点だが、そのほとんどがXXLまでのミニマムサイズ展開にとどまる。そして、アウターのカテゴリーでは唯一この「ラムニットジャケット」だけが、4XL(XXL・3XL・4XLはオンライン限定)まで揃うのだ。フラップ付きワークシャツに着想した着回し重視のニットジャケットは、売れ筋のダークホースになるかも。
黒澤:コーデュロイパンツをデニムに替えます。
⑦ワイドフィットカラージーンズ ¥3,990
綿100%。前編で「36 BROWN」を試着した「ワイドフィットカラージーンズ」は「08 DARK GRAY」と「31 BEIGE」を加えた強気の3色展開。繰り返すが、インディゴブルーの展開はない。
「コーデュロイタックワイドパンツ」と同じテーパード抑えめのボリューミーなワイドストレートシルエットで、裾まで一気に落ちるラインが今秋冬らしさだ。ニットジャケットとモックネックニット、それぞれとの上下のバランスを把握しておこう。
⑧ツイルオーバーサイズシャツ長袖 ¥3,990
ニットを脱ぎ、「ツイルオーバーサイズシャツ長袖」に手が伸びる。ポリエステル65%・レーヨン35%のエステルビスコースレーヨン素材はコットン生地よりもしっとりしており、起毛も滑らか。
2色展開のうち、奥の「47 YELLOW」は前編で試着済み。手前のカラーは「37 BROWN」だが、チェック柄のコンビ配色は黒系に近い。なお、今秋冬の「ユニクロ ユー」で単色以外の柄物はこのシャツだけ。加えて、「ユニクロ」メインラインでギンガムチェック柄の取り扱いはないのだ。
黒澤:その情報はありがたい。イエローもよかったし、2色買いも辞さない。
⑨ブラッシュドジャージーブルゾン ¥5,990
アウトドアのエッセンスも今秋冬らしさ。先に試着した「コーデュロイタックワイドパンツ」に続き、ヘビロテ必至の「ブラッシュドジャージーブルゾン」もその流れを汲むアイテムになる。綿54%・ポリエステル46%の混紡素材で、試着した「08 DARK GRAY」のほか、前編で試着済みの「34 BROWN」と「38 DARK BROWN」が揃う。フリースでもボアでもないコットンベースのせいか、チャイナジャケットのようにも見える。
黒澤:なにかの達人っぽい。これ、好きです。
そして、まさかのタッグが新登場…。
2013年春夏の初登場以来、意外にも「エアリズム×スウェット」は企画されていなかった。
情報解禁時から前評判が高かったアイテムが、史上初となるエアリズム(AIRism)を採用したスウェット上下だ。肌着カテゴリーから小規模に始まった高機能素材のエアリズムは、メンズではTシャツ、カーディガン、パーカ、スラックスなどに応用されてきた。まさに、スウェットは盲点。2024年秋冬の「ユニクロ ユー」がやってくれた。
⑩エアリズムコットンスウェットパンツ ¥3,990
そう、なぜかシーズンは秋冬でのエアリズム提案。パリのデザインチームも、夢の実現にいてもたってもいられなかったのだと推測される。
素材はポリエステル62%・複合繊維(ポリエステル)18%・綿14%・ポリウレタン6%の混紡。カラバリは「08 DARK GRAY」「09 BLACK」「31 BEIGE」「36 BROWN」の4色展開で、サイズは上下ともXXLまで。さあ、黒系コーディネートを提案する試着ルポ後編、そのラスト試着へ!
⑪エアリズムコットンスウェットシャツ ¥3,990
黒澤:すみません。茶色のほうが好みでした。
泥のように爆睡したいときに着るのだろう。「エアリズムコットンスウェットパンツ」と「エアリズムコットンスウェットシャツ」のセットアップを最高のステータスで体感すべく、自身のフェイバリットカラーに身を包んだ黒澤。着心地はいかが?
黒澤:サラサラと涼しげで、スルスルと心地よい。自宅ならばトップスは素肌に着ますね。
カウチでくつろぐラストカット。アイコンカラーのブラウンを中心に試着した前編と、黒系カラーとエアリズムを試着した後編、以上で2024年秋冬の「ユニクロ ユー」試着ルポは終了だ。今までとの大きな違いは、ほぼXXLまでのサイズ展開で、3XLや4XLは数アイテムしか存在しないこと。
黒澤:逆から考察するに、ビッグサイズは争奪戦。XXLから売り切れるでしょう。
発売日に店頭やオンラインで悠長に検討している暇はない。今のうちにくまなくチェックして、9月27日(金)の発売日に備えておこう!
Uniqlo U 2024年秋冬
Uniqlo U 2024年秋冬
発売日:2024年9月27日(金)
販売店舗:国内76店舗、ユニクロオンラインストア
商品構成:メンズ(17)・ウィメンズ(16)・グッズ(3)