「ユニクロ ユー」らしいブラウン推し!
アーティスティック・ディレクターを務めるクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ=リン・トラン(Sarah-Linh Tran)、2人のフロントマンが率いるユニクロ・パリのデザインチームから、毎シーズン恒例のコラボ特別コレクション「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」2024年秋冬がリリース。「軽やかさが誘う、心地よさ」をテーマに、“ワンランク上の長く愛されるスタンダードワードローブ”が9月27日(金)に発売される。
その発売日に先んじて、リアル視点での試着ルポを決行。前編は、2016年秋冬の1stコレクション以来、すっかり「ユニクロ ユー」のキーカラーとなっている「ブラウン」を中心に紹介する。
「ユニクロ」の試着ルポ初登場。ミュージシャン・ビデオグラファーとしての顔も持つ、プリント版やウェブでお馴染みのモデル、黒澤怜慈(くろさわれいじ)が試着担当だ。本人いわく、「お堅いショップよりも古着派、黒より茶色派」だそう。
今秋冬の「ユニクロ ユー」はメンズ17点、ウィメンズ16点・グッズ3点のラインナップ。リッチな「ダークチョコレートブラウン」をはじめ、艶のある「キャメル」や「カーキ」などの茶系ニュートラルカラーの提案は、今や安心感がある。しかも、過去数シーズンで最も濃いカラーパレットだ。
黒澤怜慈:僕の記念すべき初めての試着アイテムですか? 実はもう被っています。
①UUフリースライニングキャップ ¥2,990
黒澤試着中のアイテムは、耳当てとアジャスター付きの「UUフリースライニングキャップ」だった。アイコニックなこのフリースキャップを合わせるだけで、2024年秋冬のムードを印象付けることができる。素材はポリエステルにウールとコットンをブレンドしたフリースなのだが…。
黒澤:えっ、フリースで上着やパンツの展開はない?
全ラインナップの中で、まるでイレギュラーのごとく異彩を放つフリースキャップ。カラーは試着中の「38 ダークブラウン」のほか、手持ちの「08 ダークグレー」と「09 ブラック」の3色展開だ。メインラインのフリースと合わせても面白い。
②UUロールバッグ ¥3,990
ユニセックス計3点のグッズの2点目、「UUロールバッグ」はいつもながらのアイデア商品。荷物量によって、スナップを調節してトートの大きさをチェンジできるのだ。カラーは手持ちの「38 ダークブラウン」と「09 ブラック」の2色。
黒澤:筒状にすると薪まで入りそう。
向かった先は壁一面のイメージボード。やはり今秋冬の「ユニクロ ユー」は、ブラウン調のニュアンスカラー、しかも今までのテラコッタやカーキ、ベージュよりも濃密な色合いを旬と見定めている。
③UUラムニットジャケット ¥5,990
黒澤:ああ、これか。
ヴィジュアルを見ると着たくなる。ラム100%の「UUラムニットジャケット」はダブルポケットのワークウエアからインスピレーションを得たカーディガン。秋口はアウター代わりにもなる。
黒澤:ボトムまで上下で真似てみます。パリッとした既製服というよりも、ウォッシュとかで少し枯れた感じが「ユニクロ ユー」の良さだと思っています。古着の私物Tシャツのままでいいかも。
今秋冬、「ユニクロ」側の大きなシフトチェンジは人事体制にあった。パリのデザインチームにて、クリストフ・ルメールの片腕的存在として知られていたサラ=リン・トラン(ルメールのシグニチャーブランド「LEMAIRE」共同デザイナーでもある)を、公式リリースで「ユニクロ ユーを手掛けるデザインデュオ」として初めて明文化したのだ。
だが、デザインデュオとしての公式のマニフェストはツーショットのポートレートのみであり、日常生活の所作を想定しながらデザインされた繊細なクリエイションに変化はない。2016年秋冬から粛々と生み出し続けてきた“Future LifeWear”を、「ユニクロ ユー」は今まで同様に追及してゆく。
「09 ブラック」「35 ブラウン」「53 グリーン」の3色展開から「35 ブラウン」をチョイス。先の「UUロールバッグ」に見られる濃厚な「38 ダークブラウン」よりも淡いブラウンだ。
④UUワイドフィットカラージーンズ ¥3,990
文化系を醸すチョコレートブラウン男子。「ユニクロ ユー」2024年秋冬のトータルコーディネート1体目は、「UUフリースライニングキャップ」「UUラムニットジャケット」「UUワイドフィットカラージーンズ」の3点セット。合計で12,970円(税込)のリーズナブルプライス!
黒澤:僕の身長は181cmです。すべてLサイズで、このボリュームバランスです。このまま家でくつろぎながら海外連ドラとか一気見したい。
製品染めのコットンスラブツイルを使用したワイドフィットストレート。着用の「36 ブラウン」のほか、「08 ダークグレー」「ベージュ」が揃う。今秋冬はカラージーンズの提案であり、なんと、インディゴブルーの生産はないのだ。
黒澤:そうそう。こんな感じでカウチポテト…。
椅子に引っかからないニットジャケットの短めの着丈、カラージーンズの腰の張り具合に注目。同じサイズでセレクトすると、完璧なバランスでの着こなしにフィットする。「何を着るか迷ったらユニクロ ユー!」くらいの気持ちで問題ない。
⑤UUブラッシュドジャージーブルゾン ¥5,990
8月23日より店頭配布中の「LifeWear magazine Issue 11」にも「ユニクロ ユー」は掲載されている。イラストで描かれた「UUブラッシュドジャージーブルゾン」は黒澤怜慈が太鼓判を押す。
黒澤:これ、素材がボアだと海外アウトドアブランドにありそうなデザインですよね。とことんフラットでアノニマス。丸っこいリムも可愛い。
先の3点トータルコーディネートから、ニットジャケットを「UUブラッシュドジャージーブルゾン」にチェンジ。合計金額は変わらず。
肩線に縫い目がないヨークスリーブ、縫い目を利用した両サイドのハンドポケット、身頃の切り替えしに沿った左胸のファスナーポケットなど、“日常生活の所作を想定しながらデザインされた繊細なクリエイション”はさすがの一言。カラーは着用の「34 ブラウン(赤茶系)」に加えて、「08 ダークグレー」「38 ダークブラウン」の3色展開。
⑥UUオーバーサイズステンカラーコート ¥12,900
秋になると着たくなるロング丈。「UUオーバーサイズステンカラーコート」は「08 ダークグレー」と「36 ブラウン」の2色。霜降りのような杢カラーのコットンベースアウターなぞ、メインラインの「ユニクロ」では絶対に発見できない。
黒澤:ブラウンのバリエーションが多すぎる…。適当に合わせてもグラデーションになるのか。
アイテムに載せられた「ブラウン」の色彩はそれぞれ絶妙。勘がいい大人男子は気付くだろうが、このカラーの前に置かれた数字が曲者なのだ。
前編での試着は右の「36 ブラウン」。前出のスタンドカラーブルゾンにもテラコッタに近い「34 ブラウン」があり、このコートの「36 ブラウン」がいわゆる一般的なイメージに近いブラウンで、最も濃い「38 ダークブラウン」までの5段階。
黒澤:その間にニットジャケットの「35ブラウン」もありましたよね? もう大変。
秋映えするブラウンのバリエーションを使いこなす。これぞ、「大人のユニクロ」だ。
ブラウンの濃淡が美しい。
「UUブラッシュドジャージーブルゾン」と「UUワイドフィットカラージーンズ」の完璧なカジュアルコーディネートに、「UUオーバーサイズステンカラーコート」を羽織る。文化系アウトドアのエッセンスとオーセンティックなスタイルが絡みつつ、ボリューミーなフォルムが柔和に包み込む。こちらの3点セットで22,880円(税込)。
黒澤:べつになくてもいいのではと思いますが、こんなところからフードが出てきました!
加えて、風をまとう2段階のセンターベント、ネック裏に備えられた収納式撥水フードなど、ここ数シーズンの「ユニクロ ユー」に顕著な“ユーティリティウェア”のコンセプトにも触れておきたい。
⑦UUパフテックボリュームパーカ ¥12,900
黒澤:ラスボス感。
昨年の秋冬から「ユニクロ」が新名称をアピールしている、ダウン“じゃないほう”の中綿入りアウター、通称「パフテック」。この機能素材を採用した「UUパフテックボリュームパーカ」がアウターのラスト。ステンカラーコートと同じ価格で迷いに迷う。冬を見越して即購入しておく度胸が必要だ。
黒澤:試着の前にインナーを替えます。
⑧UUユーティリティーシャツ ¥4,990
シンプルかつ技アリ。「ユニクロ」メインラインと一味違う、「ユニクロ ユー」ならではのシャツ2型を紹介しよう。表地に滑らかな風合いのコットンポプリン、裏地に起毛したコットンレーヨン素材を使用したタフタ仕立ての「UUユーティリティーシャツ」は、ワークテイストのダブルポケットや屈強なダブルステッチなど男子好みの1枚。
黒澤:ディテールを見ると納得ですが、いつもの「ユニクロ ユー」よりも1,000円お高いかも? あと、一応カラバリも聞いておきたい。
試着したシャツは「38 ダークブラウン」で、「31 ベージュ」「72 パープル(薄)」が揃う3色展開。「ユニクロ」の中で最も濃いブラウンだ。
⑨UUツイルオーバーサイズシャツ ¥3,990
お勧めシャツの2枚目が「UUツイルオーバーサイズシャツ」。素材は滑らかな風合いとしっかりした生地感が特徴のポリエステルビスコースレーヨンの起毛ツイル。これにギンガムチェックを載せ、短めの着丈と太いアーム、身幅のボリュームでバランスを崩した「ユニクロ ユー」ならではの方程式が冴えわたる。単色が多い今秋冬、柄物はこれだけ。
黒澤:2色展開のうち、「47 イエロー」を試着してみました。もうひとつはグレー調。きっちりしてそうで適度にだらしないフォルムが好きです。
⑩UUクロスボディバッグ ¥1,990
グッズ3点のラスト、バナナのような新型「UUクロスボディバッグ」は洋服のように体に馴染む。「09 ブラック」「31 ベージュ」「39 ダークブラウン」「49 マスタード」の4色展開。見た目以上の容量で自販機サイズのペットボトルが4本入る。
黒澤:では、パフテックを着ます!
軽くて暖かい高機能中綿“パフテック”を使用した最新モデルのディテールをチェックしよう。
黒澤:軽ッ!!
冬アウターといっても重厚長大なつくりではなく、コットンがブレンドされた布帛ベースのファブリックで、まるでスウェットカーディガンを羽織っているかのようなストレスフリーな着心地だ。風の侵入を軽減する隠しゴム仕様の袖口、ボリュームを調節できる裾のアジャスター、起毛を施した保温性のあるポケット袋布など、見えない箇所へのこだわりも完璧。小雨レベルの撥水加工も施されている。
トータルコーディネート3体目。パフテックアウター、チェックシャツ、カラージーンズ、すべてLサイズの3点合計で20,880円(税込)。これは、カジュアルアウターカテゴリーでの最高到達点だ。
黒澤:チェックシャツを合わせて正解でした。
重なり合うパフテックとチェックシャツの着丈の長さ、フロント開閉時に違和感のないネック周りに目を凝らそう。これはパリのデザインセンターにて吟味され尽くしたコーディネートのグッドバランス。センスのよさがにじみ出ている。
黒澤:パンツも替えたいですね。
⑪UUコーデュロイタックワイドパンツ ¥4,990
1,000円安価な「UUワイドフィットカラージーンズ」でブラウンを買うか、それと人気を二分するであろう「UUコーデュロイタックワイドパンツ」でブラウンを買うか、それが問題だ。備え付けのフック式アジャスターで簡単にウエスト調節が可能。なお、アジャスターは左右に分割はされない。
黒澤:Lサイズで余裕の腰ばき。攻めてます。
試着の「36 ブラウン」のほか、「08 ダークグレー」「32 ベージュ(オフホワイトに近い)」が揃う。この最終局面で賢明な大人男子諸君は気付いたかもしれないが、「黒系品番は『09 ブラック』以外は『08 ダークグレー』に固定され、黒系ではワントーンコーディネートが可能」なのだ。
黒澤:そこまで分析するとは…。
⑫UUメリノブレンドモックネックセーター ¥3,990
前編「ブラウン編」でのラスト試着はコーデュロイパンツとクルーネックニットとのミニマルコーディネートだ。「UUメリノブレンドモックネックセーター」は「09 ブラック」「31 ベージュ」「38 ダークブラウン」のラインナップ。
黒澤:ようやくニットで黒がありましたね。ブラウン推しなので着ませんけども。
使いやすいブラックは、キャップ・トート・ボディバッグ以外ではニットジャケットと一部のシャツ、そしてこのクルーネックニット程度の展開になる。いやはや、簡単には遊ばせてはくれない。
メインラインよりも1,000円から2,000円ほど高い価格設定や癖強めのシーズンカラーなど、やはりワンランク上の「ユニクロ ユー」のハードルは高めである。が、その分、ファッションを全身で楽しめる大人男子にとっては格好の遊び着、最高のカジュアルウェアになることは間違いない。
黒澤:ネックが太くてしっかり。リブも長めでスウェットみたい。これ、ニットですよね?
パンツはクライミング仕様なので、このままアスレチックまで繰り出せそうだ。縦横無尽にテリトリーを横断して、クリストフ・ルメールとサラ=リン・トランが贈るパリのエスプリを堪能しよう。
《オマケの1枚》
オマケの1枚。一見、普通のクルーネックスウェットとスウェットパンツのようであるが…。
黒澤:これ、まさか、エアリズム?
なんと、エアリズムをスウェット素材に搭載したセットアップが初登場。「ユニクロ ユー」2024年秋冬の展示会試着ルポ、「後編」は待ってましたの「ダークグレー&ブラック編」だ。9月27日(金)の発売日までに公開予定。乞うご期待!
Uniqlo U 2024年秋冬
発売日:2024年9月27日(金)
販売店舗:国内76店舗、ユニクロオンラインストア
商品構成:メンズ(17)・ウィメンズ(16)・グッズ(3)