MUJI Labo
カシミヤ糸を2本取りにすることで、柔らかさを感じるミドルゲージに仕上げた。袖口や裾をリブではなくロール仕様にして、締めつけのないリラックスしたシルエットを実現。
カシミヤ本来の自然色と
風合いを無染色で実現
この冬は10万円超えの高額なカシミヤニットを一枚買うよりも、2万円台で買える適正価格のものを、色やデザイン違いで揃えるのが賢明だ。2024年にリニューアルしたMUJI Laboからは「自然のまんまの色」を謳うカシミヤニットが登場。
「無印良品は数年前からモンゴルにて環境保全に配慮しながら、生産者支援も含めて、カシミヤの生産に取り組んでいます。モンゴル国内で原毛を集めて洗毛・整毛を行い、海外で紡績、製品化していますが、無染色で仕上げることで工程を減らし、カシミヤ特有の柔らかくてふんわりとした風合いを実感できる製品に仕上げています。『できるだけシンプルな工程で素材のよさを引き出す』という無印良品のものづくりの視点から、MUJI Laboでは素材そのものに着目し、染色の工程を省くことでカシミヤ本来のベージュやブラウンを最大に生かしています。メンズはクルーとタートルネックの2型で、使い勝手のいいベーシックなデザインにすることで価格を抑えました」(良品計画 産地開発部・樋口直人さん)
patagonia
襟ぐり、袖口、裾のリブ編みとセットインスリーブのデザインがクラシックな佇まい。展開されるカラーは、その年の原料によって変わってくる。
リサイクル・カシミヤで作る
パタゴニアの裏名品ニット
リサイクルのパイオニアのパタゴニアは、カシミヤ山羊の過繁殖による砂漠化などの環境保護の観点からリサイクル・カシミヤに着手。10年前からソフトで保温性に優れたリサイクル・カシミヤ製品を手がけ、隠れた名品になっている。
「パタゴニアは、ヨーロッパでリサイクル・ウールやリサイクル・カシミヤを専門に扱っている業者と提携して、セーターを作るための糸を調達しています。彼らの協力を得て、高品質なカシミヤだけを選び、色別に分けて原料にしています。リサイクル・カシミヤにバージンウールを5%入れることで強度の高い糸を作り、製品化。リサイクルに熟練した一流の工場で作っているのが強みで、クオリティには自信があります。オーソドックスなデザインですが、フィット感やシルエットをモダンにすることで幅広いシーンで着用いただけるセーターになり、10年、20年とタイムレスに着ることができます」(パタゴニア PR・ロジャース通子さん)