春に欠かせない9アイテムにつき、目利きの9人がそれぞれマイベストを選出。ベーシックといえど、9人9様の細やかなこだわり満載で面白い。無地Tシャツは脱・ヘビーウェイト進行中。上品な薄手〜中肉の生地が人気。
FRONT 11201
「ヴィンテージストアFRONT 11201のオリジナルのソフトTシャツが秀逸です。やわらかな着心地が最高で、ネックはぎりぎりモックネック手前というほど狭く、太めの襟リブは繊細。これはほかでは見つかりません。上にはシャツではなく、スウェットを合わせるのがベストコンビネーション」
「春夏にこだわりたいのはサイジング。何をジャストフィットにして、何をオーバーサイズで着るのか、フレッシュなバランスを常に探しながら楽しみたい」
UNIQLO
「瞬時に汗を乾かす超速乾素材の“ドライEX”シリーズ。さらさらの肌触りが保たれ、脇や背面はメッシュ編みになっています。とても機能的なのに、一枚で着てスマートに見えるシルエットがいい。家でリラックスするときはもちろん、ジムに行くのにも重宝しそうです」
「NY出身の自分なりに考える国際的なクラシックが好き。どの国で過ごしても馴染みよく映える服がいい。今季は日本の素晴らしい専業ブランドに多数出会いました」
SUNSPEL
「昨年購入した、サンスペルの定番“クラシックTシャツ”。最高級のスーピマコットンを使った生地は、見た目も着心地も確かに上質。アメリカを感じる量産型のボディも好きでしたが、大人としては品を重視したいと思わせられました。今年も買い足す予定」
「今季らしい新鮮なものと、不朽の名品を組み合わせて大人らしいファッションを楽しみたい。ジャケットやTシャツは今、あらためて定番品に回帰しています」
LEMAIRE
「オーセンティックなデザインを、やや長めの着丈にしたことでクラシックな雰囲気とモードなエッセンスが感じられます。ルメールならではの品のいい風合いが魅力ですし、彩度を落とした極薄のレモン色が都会的。リラックス感のあるボックスシルエットも素敵です」
青山にある玄人好みなショップで、新鋭ブランドを多数ピックアップ。「エレガントであることからハズれず、エッジのきいたデザインを軽快に着たい」
FYNELYNE ENGINEERED BY LIFILL
「しなやかな肌触りながら、耐久性が抜群。細めのネックはリブではなく、ボディと共地でミニマルで美しい。襟元がちらりとのぞいたときに上品で、首まわりからヘタれることもない。何度洗っても元どおりの心地よさを堪能できます」
「そもそも僕のワードローブは白シャツ・デニム・ジャケット…のような王道の組み合わせ。その一点ずつを、いかにブラッシュアップするかが勝負です」
YOUNG&OLSEN THE DRY GOODS STORE
「白Tが光りすぎだな、と感じるときにこの“シルバーバーチ”色が重宝します。生成りよりも品がよく、白よりも馴染みがいいクリーム色。繊細な発色で、染めの技術に驚きます。程よい厚みと上質な丸胴仕様で、一枚でもインナーとしても着ています」
「’80sのプレッピーを、今っぽく削ぎ落としたスタイルが気になる。ヨーロッパのお坊ちゃんのようなスクール風のアイテムや上品な配色に注目しています」
DAIWA PIER39
「ここ数年のマイ・ベストです。コットン見えするのにポリエステル100%で速乾性が抜群。天然繊維のようなムラ感のある表情もいい。黒Tにありがちな洗った後の色抜けもない。裾のドローコードを絞ることで、シワにならず自然にタックインを演出できるのもうれしい」
「マイブームはアメリカントラディショナル。スタイリングのセオリーやキーアイテムを大事にしつつ、ディテールには現代の感覚を加えてアップデートしたい」
STEIN
「シュタインの定番ポケTは度を詰めて編み立てたスーピマコットン素材で、程よい肉感のある生地がポイント。柔らかくしなやかなのに、身体の線を拾わない張り感も兼ね備えているのが魅力です。ややワイドな袖とボックスフォルムがサマになり、夏はTイチのスタイルでよく着ています」
人気ブランドsteinのデザインを手がけ、セレクトショップcarolを主宰。「現代的なソリッドさと、ブランド独自のほのかなニュアンスを併せ持った服が好き」
SKIMS
「起業家としても注目しているキム・カーダシアンが立ち上げたアンダーウェアやラウンジウェアを作るブランド。女性がボーイフレンドの服を着ているようなルーズなフィット感をコンセプトにした一枚。ゆったりしたフォルムで伸縮性がよく、ニットとインナーの間のような存在」
ファッションを中心にデザインのコンサルティング、プロダクションを行う会社の代表。「作り手の個性を感じる、縁起のいい服が好きです」