春に欠かせない9アイテムにつき、目利きの9人がそれぞれマイベストを選出。ベーシックといえど、9人9様の細やかなこだわり満載で面白い。シェルパーカはミニマルかアクセントか、両極端な佇まいに支持は二分。
GOLDWIN
「見た目も着心地もとても軽やかな“PERTEX SHIELDAIR MOUNTAINEERING JACKET”。そっけないほどシンプルなデザインで、ボディと同色のロゴのさりげなさも好印象。スラックスに合わせ、ジップを閉めて裾は絞ってあっさりとスタイリングするのが気分です」
「春夏にこだわりたいのはサイジング。何をジャストフィットにして、何をオーバーサイズで着るのか、フレッシュなバランスを常に探しながら楽しみたい」
SIERRA DESIGNS
「1965年設立のシエラデザインズはもはやアメリカの歴史の一部。“ORIGINAL MOUNTAIN PARKA”は56年も愛されているデザインで、米国製生地を使って現地の工場で縫製されているストーリーもいい。きれいなBDシャツと合わせたいです」
「NY出身の自分なりに考える国際的なクラシックが好き。どの国で過ごしても馴染みよく映える服がいい。今季は日本の素晴らしい専業ブランドに多数出会いました」
PATAGONIA
「軽くて丈夫な3層構造の“M’S GRANITE CREST RAIN JKT”。ジャストなボディと、アウトドアのルーツを感じるバーガンディの色味に惹かれました。ジャケットからフードを出して着たい。もちろん環境配慮を大切にするブランドの姿勢も好きです」
「今季らしい新鮮なものと、不朽の名品を組み合わせて大人らしいファッションを楽しみたい。ジャケットやTシャツは今、あらためて定番品に回帰しています」
VEILANCE
「シェルパーカは光沢を抑えたマットな質感を選びたい。ヴェイランスの“アイソゴン MX ジャケット”なら、ソリッドでさらに都会的。古着のワークパンツやデニムなど味のあるボトムを合わせたいです」
青山にある玄人好みなショップで、新鋭ブランドを多数ピックアップ。「エレガントであることからハズれず、エッジのきいたデザインを軽快に着たい」
IS-NESS
「自転車に乗る僕にとって、タウンユースとしてここまで気のきいたものに初めて出会いました。高撥水・高透湿・防風の3層素材で、サイドのジップを開くとバックパックを背負った上から着られ、ポンチョとしても使えます。遊び心がありつつも都会的な仕上がりが素晴らしい」
「そもそも僕のワードローブは白シャツ・デニム・ジャケット…のような王道の組み合わせ。その一点ずつを、いかにブラッシュアップするかが勝負です」
HELLY HANSEN
「“OCEAN FREY JACKET”をひと目見て、単純にかわいいと思えました。’80sを感じる淡いベージュや褪せたサックスブルーのチノパンにガバッと着たい。思い切った配色もハズシとして有効です。海がルーツのブランドという点でも、春夏の気分が上がりそうですね」
「’80sのプレッピーを、今っぽく削ぎ落としたスタイルが気になる。ヨーロッパのお坊ちゃんのようなスクール風のアイテムや上品な配色に注目しています」
EDDIE BAUER
「“Eddie Bauer Black Tag Collection”は現代的なアップデートが特徴。シルク混のシェル素材には高級感があり、ポケットの大きさや袖のつけ方などのディテールは今っぽいバランスに変更されています。昔ながらのアウトドアウェアの雰囲気を楽しみつつ、大人が着たいと思える一着」
「マイブームはアメリカントラディショナル。スタイリングのセオリーやキーアイテムを大事にしつつ、ディテールには現代の感覚を加えてアップデートしたい」
DESCENTE ALLTERRAIN
「デサント オルテラインの人気モデルをアップデートした“クレアスEXP”は、複数のギミックを備えながらもミニマルな佇まいに感動。脇と内側に施された複数のポケットや、止水ジップで実用性は抜群ですし、ゆとりのあるサイズ感も今っぽい」
人気ブランドsteinのデザインを手がけ、セレクトショップcarolを主宰。「現代的なソリッドさと、ブランド独自のほのかなニュアンスを併せ持った服が好き」
DIGAWEL
「実は個人的に、シェルパーカは嫌いなアイテムの一つなんです(笑)。ただディガウェルの“BONDING HOODIE”は面白いと思いました。ウールとポリエステルをボンディング加工した生地がドレッシーで、ジャケットのような風合いと軽い仕上がりが素敵です」
ファッションを中心にデザインのコンサルティング、プロダクションを行う会社の代表。「作り手の個性を感じる、縁起のいい服が好きです」